アルファポリス、24年3月期は売上高11%増、営業益6%減に アニメ化効果などで電子書籍販売が伸長 紙書籍の製本コストが想定より増加

  • アルファポリス<9467>は、5月10日、2024年3月期の決算(非連結)を発表、刊行点数の増加や拡販施策の展開、アニメ化効果などによって電子書籍販売が伸長し、2ケタ増収を達成した。

    一方、紙書籍の製本コストが想定よりも増加したこともあり、利益率が低下した。

    売上高103億3400万円(前々期比11.3%増)
    営業利益22億7200万円(同6.0%減)
    経常利益22億7900万円(同6.1%減)
    最終利益14億300万円(同6.8%減)

    書籍のジャンル別の概況は以下のとおり。

    ①ライトノベル
    刊行点数は前期を大きく上回る344点(前期比71点増)となった。各書籍の売れ行きについては、TVアニメ化タイトルである「Re:Monster」が、最新巻を刊行したことに加えて2024年4月からのアニメ放送にあわせた既刊の増刷および出荷を行ったことにより、好調に推移した。また、電子書籍販売については、2024年1月からアニメ第2期の放送を開始した「月が導く異世界道中」の既刊がアニメの放送に伴って大きく販売数を伸ばし、売上を牽引した。

    ②漫画
    刊行点数は前期を上回る187点(前期比26点増)となった。各書籍の売れ行きについては、2024年4月からアニメ放送を開始する「Re:Monster」や同じく4月からアニメ放送を開始する「THE NEW GATE」などの人気シリーズの続刊が引き続き好調に推移した。また、漫画と親和性の高い電子書籍販売については、新規配信点数の増加、各ストアにおける拡販施策の展開、アニメ放送による販売数の伸長などにより、売上高は大幅に増加した。

    ③文庫
    刊行点数は前期を上回る185点(前期比26点増)となった。シリーズ累計144万部を超える人気シリーズ「居酒屋ぼったくり」の文庫版が堅調に推移し、当ジャンルの売上を牽引した。また、日本歴史時代作家協会主催の「第11回日本歴史時代作家協会賞」において文庫書き下ろし新人賞を受賞した時代小説「谷中の用心棒 萩尾大楽」の続編を刊行するなど、取扱いジャンルの拡大にも引き続き注力した。しかし、開拓中のジャンルにおける刊行を強化した半面、刊行書籍1点あたりの発行部数は前期より減少した。

    ④その他
    刊行点数は4点(前期比3点減)となった。当ジャンルにおいては、更なる業績拡大およびポートフォリオ最適化の観点から、特定ジャンルに依存しない幅広いジャンルにおける書籍の刊行に取り組んだ。しかし、刊行計画の都合上、刊行点数が前期から減少した。

  • ■今期は2ケタ増収増益を見込む

  • 2025年3月期通期の業績予想については、以下のとおり。

    編集部門の体制強化により書籍制作力がさらに向上したことから、次期の書籍の刊行点数は前期を上回る764点(前期比44点増)を計画している。また、電子書籍販売の体制強化やア
    ニメ化による原作書籍の販売促進効果などにより、電子書籍売上のさらなる拡大を計画しており、売上高は前期を上回ることを見込み。

    売上高116億円(前期比12.2%増)
    営業利益25億1000万円(同10.5%増)
    経常利益25億2000万円(同10.6%増)
    最終利益15億6000万円(同11.2%増)

株式会社アルファポリス
https://www.alphapolis.co.jp/company

会社情報

会社名
株式会社アルファポリス
設立
2000年8月
代表者
代表取締役社長 梶本 雄介
決算期
3月
上場区分
東証グロース
証券コード
9467
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