ポケラボの新作「SWORD OF PHANTASIA」開発者インタビュー 前田悠太氏と佐々木俊介氏に聞く

ポケラボ 前田悠太氏と佐々木俊介氏ポケラボの新作ソーシャルゲームアプリ「SWORD OF PHANTASIA」が好調だ。グランドオープンしたその日にApp Storeの無料総合ランキングで首位を獲得し、会員数も10万人を突破した。さらに売上ランキングでもトップ20に入る活躍を見せている。今回、代表取締役社長の前田悠太氏と、ソーシャルメディア事業部部長の佐々木俊介氏に開発の経緯や現状、今後の展開について話を聞いた。

 

 

―――: まずゲームの紹介をお願いしたいのですが。

佐々木氏: このゲームは、プレイヤーが主人公となって、仲間と一緒に、週替りに登場するレイドボスを倒す内容となっています。ソーシャルゲームで主流となっているカードは使わず、武具を獲得して、装備して戦う点に特徴があります。また、レイドボスと戦う時にのみ「ジョブ」の経験値を得て、新しいスキルやジョブに転職してキャラクターを鍛えることができます。攻撃や回復など、パーティーメンバーの中で、自分の活躍できるポジションをみつけていただき、楽しんでいただく、というゲームです。

 

「SWORD OF PHANTASIA」ゲーム画面

 

―――: ゲームシステムですが、『運命のクランバトル』や『栄光のガーディアンバトル』、『三国インフィニティ』、『モンスターパラダイス+』など、御社のこれまでのタイトルとは違ったゲームになっていますね。

佐々木氏: 企画した当初は、多くのユーザー様が一緒に遊んでいただけるゲームを考えていたのですが、GvG(Group vs Group)ばかりですと、アクセスの集中する時間や、参加できるユーザー様も限られたものになってしまいます。『ファイナルファンタジーブリゲイド』や『神魔×継承!ラグナブレイク』に代表されるような、レイド型のゲームを見ていると、新しいソーシャルといいますか、パーティーを活用した新しい遊び方を提示できており、こうしたゲームをポケラボならではの表現で開発したいと考えていました。

―――: App Storeの上位アプリともまた違ったゲームになっている、という印象も受けましたが。

佐々木氏: いえ、そうでもないです。様々な視点があるとは思いますが、『暴走列伝 単車の虎』や『ドラゴンリーグ』など、ユーザーが自分のキャラクターを育成していくだけでなく、アバターパーツを揃えて好きなようにアレンジして楽しむのもひとつの流れと捉えています。『SWORD OF PHANTASIA』では、こうしたアバター要素をよりリッチに表現できるようにしました。

―――: そういう視点もあるんですね。「SWORD OF PHANTASIA」がリリース後、App Store無料総合ランキングに入りましたね。初動はどう評価されていますか?

佐々木氏: 初動としては好調です。数字を見ると、当社の代表作である『運命のクランバトル』や『栄光のガーディアンバトル』と匹敵する水準となっています。特にインストール数については『運命のクランバトル』と同じ水準にあります。おかげさまで、App Storeの無料ランキングでも正式リリースから2時間程度でトップになりました。

―――: ダウンロード数もすぐに10万件に到達しましたね。

佐々木氏: そうですね。いまだと30万ダウンロードを超えています。各種の指標を見ると、その後も安定して推移しています。

前田氏: ご存知のとおり、市場はアプリ過多になっています。そのため、プロモーションで頑張って、無料ランキングで首位を取っても売り上げを伸ばしづらい状況にあります。そういうなかで、グランドオープン初日で売上ランキング25位までいけたのは本当にありがたいことです。

 

 

■ユーザーから評価された要因

ポケラボ 前田悠太氏―――: ユーザーから評価された理由はどのあたりにあるのでしょうか。

佐々木氏: ひとことで言えば、ユーザー様に驚きを提供できたことかと思います。またカードゲームで主流の戦国や海賊といったモチーフではなく、武器や防具を変えると見た目が変化したり、演出やモーションが変わったり、スキルごとに演出が違ったりしています。グランドオープン前の段階から、約2万人のユーザー様に遊んでいただきました。これは当社の過去タイトルの比較で3~4倍になります。遊んだユーザー様から口コミで広がったようで、友達同士で遊んだり、掲示板などで知ったユーザー様が参加したりといった状況だったようです。

―――: 『運命のクランバトル』や『栄光のガーディアンバトル』で遊んでいるユーザーにとっても並行で遊べるタイトルかなと思ったのですが、いかがでしょうか?

佐々木氏: そうですね。見ていると、両タイトルのギルド単位もしくはクラン単位で、ゲームに参加する方が多いですね。

―――: ちょっと生々しい話になりますが、ブーストはどのくらいされたのですか?

前田氏:他のディベロッパー様よりかなり効率良く活用させて頂いていると思います。弊社のアプリ群内では、結構な規模のユーザー様に遊んで頂いておりまして、例えば、社内では「ポケラボリワード」といっていますが、それら機能も大きく功を奏しています。アプリ集客エンジンとして非常に強力です。スマホに特化して長くやらせて頂いた結果、外部プロモーションの効率化と自社内プロモーションエンジン、この両輪が現在の弊社の強みの1つになっています。実は、昨年末ころから、国内外の様々なディベロッパー様から、弊社のマーケティングに関するご相談や、パブリッシングのご依頼を数多く頂くようになり、その流れで、パブリッシング事業も開始しました。集客には大きなお金がかかりますし、これからさらに集客効率が難しくなるのは目に見えています。そういう中で、弊社にはネイティブのノウハウと当該マーケティングのノウハウという武器があり、ディベロッパー各社様も特有の武器をお持ちなので、これからの市場において両社武器を重ね合わせ一緒に勝っていく取り組みを今後も進めていきたいと考えております。

―――: なるほど。いわゆる自社タイトルの間でのクロスプロモーションですね。売上ランキングですぐに上位に入った理由がわかったような気がしました。ちょっと話が変わりますが、開発期間はどのくらいかけたでしょうか? また人数はどのくらいで開発されたのでしょうか。

前田氏: 企画を含めると、5ヵ月ほどですね。開発に携わったメンバーですが、終盤までは8人で開発していました。開発が大詰めになる頃には12人程度まで増員しました。

―――: 開発と運営で苦労した点を教えて下さい。

佐々木氏: アバターを作る上で何の技術を使うか、非常に悩みました。cocos2DXやネイティブ、unityなどを慎重に比較検討し、最終的に自分たちが強みとするWEBの領域で挑戦することにしました。

 

 

■今後はPvPやGvGも導入

ポケラボ 佐々木俊介氏―――: 今後の展開を教えていただけますか?

佐々木氏: ソーシャルゲームというとイベントドリブン型が主流です。そうした運営手法に加えて、5月のアップデートでジョブの3次職を倍に増やしたり、スキルも60個から100個まで一気に増やすなど、やりこみ要素を追加します。また、今月末にはPvP(Player vs Player)も開始します。基盤のゲームの楽しさを広げていき、ユーザー様に長く楽しんでいただけるようなゲームにしたいと考えています。「ガチャでカードを手に入れてボスを倒す」といったイベント運営から脱却したいです。

―――: PvPも入れるのですか。PvPは嫌う人も多いのですし、あえて入れないないと思っていたのですが。

前田氏: ええ、その点は理解しています。ただ、従来のソーシャルゲームのPvPとは少し違った趣向のものにしますので、期待してもらえるとありがたいです。

―――: 従来とは少し違う、とはどういうことでしょうか?

佐々木氏: もともと、コロシアム形式や、お宝アイテムの奪い合いなどを考えていたのですが、もっとユーザー様同士のコミュニケーションを取れるようなものにしたいと考えています。シンプルなバトルですが、一定確率でスキルが発動して、ダメージを与える演出がでてきます。また覚えてないスキルの演出も一定確率ででてくるようにして、ユーザー様には「こういうスキルや演出もあるのか」と発見していただけるようなものにしたいと考えています。今回はリーグ戦のような形式を考えています。バトルで勝つとポイントを獲得でき、それを競うものにする予定です。

―――: まだ持っていないスキルがみられるのですか。面白いですね。

佐々木氏: スキルの演出には相当力を入れています。実はチームに無理を言って、スキルごとに異なる演出が出るようになっています。ですので、できるだけ多くのユーザー様に演出を見ていただきたいという思いもあります。

―――: イベントはどういうことを実施する予定でしょうか?

佐々木氏: PvPなどもありますが、ゲーム内イベントは、パーティーで遊んで楽しめるものにしたいです。近日タワー型イベントで、一人で進めるものではなく、チームで協力して進めるものにします。例えば、どの門が正解かを書き置きできるようにします。正解は掲示板などで書かれてしまうと面白くないので、パーティーごとに問題がランダムで発生するようにして、チームで結束して進められるものにします。

―――: 最近ですと、特効カードといわれるように、そのイベントのみで攻撃力が10倍、20倍になるものもありますね。基本的にはそういうことはやらないということでしょうか?

前田氏: そういう要素も全く入れないわけではないです。全体のバランスを考慮しながら、ということになります。ソーシャルゲームは、デジタルコンテンツを集めて使って楽しむというものですけど、レイドイベント用のアイテムやカードを手に入れて、その時だけ使うものになりがちです。我々の思いとしては、せっかくお金を使って買っていただいた資産ですから、その後も有効活用していただけるようなイベントを考えています。得たものを中長期的に使って楽しめる土壌を作りつつ、ゲームとして収益をあげられるようにしたいです。

 

 

■Androidアプリ版は5月にリリース予定

ポケラボ 前田悠太氏と佐々木俊介氏―――: ところでAndoid版はいつ頃リリースされる予定ですか?

前田氏: 5月頃を予定しています。iOSと同様にスムーズに動く状態で出したいと思います。Androidアプリは、iOSと違って端末依存の問題がありますが、その端末依存の問題にきっちり対応していきたいと考えております。

―――: ゲームの課題を教えて下さい。

佐々木氏: チームの皆が考えている「やりたい!」と思っていることはまだまだできていません。それはなにかといいますと、例えば、アバターの動きの種類であったり、写真機能やGvGといったシステム面などですね。ユーザー様にもっとサプライズを提供していく必要があると考えています。

―――: 課題の部分と少し重なるかもしれませんが、どんな目標があるでしょうか。

前田氏:本質的に、ユーザー様に常にワクワクしてもらえる状況を提供し続けることが目標だと思っています。その結果として、収益がついてくる。あくまでユーザー様がワクワクできること、楽しめることを基準にして運営していきたいと考えています。

―――: ありがとうございました。

 

 

■『SWORD OF PHANTASIA(ソードオブファンタジア)』​
 

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株式会社ポケラボ
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会社情報

会社名
株式会社ポケラボ
設立
2007年11月
代表者
代表取締役社長 前田 悠太
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