ソーシャル・スマホゲーム関連の決算発表が始まる

ソーシャルゲーム・スマートフォンゲーム関連企業の4-6月期の決算発表が始まった。7月24日のベクター<2656>を皮切りに、7月25日から各社の決算発表が行われる。 7月中に発表される企業での注目は、7月25日にサイバーエージェント<4751>、7月29日にコーエーテクモHD<3635>、ガンホー・オンライン・エンターテイメント<3765>、7月30日のドリコム<3793>、enish<3667>、7月31日のコロプラ<3668>、セガサミーHD<6460>、オルトプラス<3672>、カプコン<9697>であろう。 また8月発表組では、8月1日のコナミ<9766>、アクセルマーク<3624>、GMOインターネット<9449>、8月2日のバンダイナムコHD<7832>、8月5日のクルーズ<2138>、8月6日のスクウェア・エニックスHD<9684>、8月8日のディー・エヌ・エー<2432>、8月9日のモブキャスト<3664>、ネクソン<3659>、ボルテージ<3639>、8月14日のグリー<3632>が注目される。     ■決算のポイント…ガンホーとクルーズに注目 以下、決算のポイントをまとめてみた。あくまでの一編集者としての見方なので、ご意見・ご批判をいただければ幸いである。当サイトでは、ネイティブアプリの代表的企業として、ガンホー・オンライン・エンターテイメント、そして、ブラウザゲームで収益を伸ばしている会社としてクルーズに特に注目している。弊社の親会社であるコロプラについては、決算発表などがあれば報じるが、立場上、コメントは控えさせていただく。…遠慮させていただきますm(__)m ごめんなさい。書くと本当にまずいので。     ■『パズドラ』の成長持続性 最も注目されているであろうガンホーについては、超人気パズルRPG『パズル&ドラゴンズ』の動向が焦点だろう。国内市場の運営成績が引き続き伸びているのかどうか。そして、海外市場での取り組みについてもランキングをみる限り、よくなっているようにみえるものの、実際の数字としてはどの程度の規模になっているのか、といった点だろうか。新作への取り組みも注目される。     ■SAP系は2つに分かれる ソーシャルゲーム専業は大きく2つに分かれる。クルーズやオルトプラス、enishのようにブラウザ中心に収益を稼ぎつつ、少しずつネイティブアプリも出していこうとする会社がある一方、ドリコムやボルテージのようにブラウザからネイティブアプリに大きく舵を切ろうとする会社もある。前者の代表格のクルーズは、『アヴァロンの騎士』を中心にランキング推移が順調だ。ネイティブ移行組は、収益の柱が変わる時期にあるのと、開発費が先行するため、7月以降に向けた投資時期になるのだろうか。     ■プラットフォーマー グリーとディー・エヌ・エーは、ネイティブアプリ市場の拡大で仮想通貨の決済などにどういった影響が出ているのか、そして今後、どういった手を打っていくのかが注目点だろう。前四半期比での決済額や売上が注目されよう。そして、両社とも内製の新作オリジナルゲームは、いわゆるIPタイトルを除いて苦戦している感がある。プラットフォーム内の有力SAPと協力して共同開発を行っているように、開発力向上のための取り組みにも中期的に注目したい。またグリーは、Funzio系タイトルが海外市場で持ち直しているが、この状況も確認したいところだ。 大規模な投資を行なったサイバーエージェントだが、ソーシャルゲームについては、Amebaスマホや旗艦タイトル「ガールフレンド(仮)」の会員数や決済の伸びとともに、これに続くタイトルが出ているのかどうかに注目している。モブキャストは、スポーツシーズン入りで主力タイトルの収益が前四半期比でどの程度伸びたか、そしてオープン化に伴い、プラットフォーム全体にポジティブな変化が出てきたのかに注目している。     ■大手ゲーム会社は厳しいとの見方 大手ゲーム会社については、一部証券会社のレポートなどでは、おおむね減益もしくは赤字になるとの見方が出ている。家庭用ゲームソフトや玩具などのヒットの有無、好調だった前年同期の反動、ソーシャルゲームの伸び悩みなどが背景だ。ネイティブアプリのリリースにも力を入れているものの、売上ランキングの推移を見ている限り、一部タイトルを除いて、まだ大きな成果には繋がっていないとみている。スクウェア・エニックスやコーエーテクモなどのアジア市場での取り組みにも注目したい。 決算発表予定一覧は以下のとおり。決算発表の日程は、取引所のサイトに掲示されている予定表や、各社のIRサイトを調べたものをまとめたものだ。昨今の事情から変更されることが多いので、気になる方は、取引所や各社のIRサイトを適宜チェックしていただければ幸いだ。