【TGS2013】Game Insightの最新作、ランニングアクションとRPGを融合させた『Starboen Wanderers』について独占インタビューを敢行

Game Insightは、本日(9月26日)、Android/iOS端末向けの新作ランニングゲーム『The Running Shadow』の日本語版を、2014年初頭に配信することを発表した。

また本稿では、去る「東京ゲームショウ 2013」でGame Insight社に対して、本作に関する独占インタビューを試みたので、こちらもお届けしよう。

『The Running Shadow』は、RPG要素と3D対戦システムが十二分に詰め込まれた、終わることの無いストーリーが魅力のアップテンポのランニングゲーム。不正と残酷がはびこるファンタジーな世界「アドリオン」へ身を投じたプレイヤーは、今までにないエキサイティングな気分が味わえる。

本作の操作方法は、上にスワイプすることでジャンプ、下にスワイプでスライディングといった非常にシンプルなもの。個性的なキャラクターの出会いに加えて、燦燦たる陽光に照らされた屋外、深い闇をまとったゴシック風なダンジョンを制覇しつつ、「アドリオン」を隅から隅まで探索していく。

 

   

 

本作を開発したGame Insight社にインタビュー

先日開催された「東京ゲームショウ 2013」のGame Insightブースにて、ディレクターのアンドレさん(写真左)、マネージャーのベラさん(写真右)から『The Running Shadow』についてお聞きする機会があった。

―― 本作に関する情報を伺う前に、まずGame Insight社について教えてください。

Game Insightは、2010年にロシア・モスクワで設立したゲーム開発会社です。SNSサイトのWEBゲームの開発からスタートした弊社ですが、次第にモバイルゲームの可能性に感化され始めて、いまはスマートフォン端末向けのゲーム開発に力を入れています。

とはいえ、まだまだSNSサイトのゲームを中心に手掛けています(笑)。iOSやAndroid、facebookなどの様々なプラットフォームで、現在40以上にも及ぶゲームをリリースしています。

おもに弊社のタイトルは、アメリカとロシアで人気があります。しかし、現在は新しい市場を探しています。とくにアジアと南アメリカで新しい事業を開拓しているのですが、なかでも優先している市場が日本です。

―― 数ヶ月前から御社のタイトルは、日本でもリリースされ始めましたよね。

おかげさまで、いくつかのタイトルをリリースしております。現在は、『The Tribez: 恐竜王国』や『未来都市 2020』、『Rule The Kingdom』、『Airport City』、『ミステリーハウス』、『Paradise Island』などが日本語にローカライズされているものになります。

いま紹介したタイトルは、おもに箱庭系のソーシャルゲームですが、これから日本語にも対応していくタイトルは、もう少しコアゲーマー向けの作品となっています。現在予定しているのは、『ドラゴン・エタニティ~よみがえる闇の神々~』と『Starboen Wanderers』になります。

『ドラゴン・エタニティ』は、もともとブラウザベースのMMORPGで、今回スマートフォンやPCタブレットなどの複数のプラットフォームに対応しています。本作でプレイヤーは、ふたつの派閥(クラン)のどちらかに属して、モンスターと戦ったり、ドラゴンをペットとして育てるほか、対クランのプレイヤーともPvPが出来るようになっています。

クロスプラットフォームのため、ひとつのアカウントを通して、様々なシチュエーションで本作を楽しむことができます。日本語ローカライズ版は、2013年10月~11月を目途にリリースします。

そして『Starboen Wanderers』は、現状はロシア語と英語のバージョンのみしか開発していませんが、これから日本版も制作していきます。本作は宇宙を舞台にしたSFアクションRPGです。バトルやクエストを通して物語を進めていきますが、NPCからの貿易やトレーディングなどで資源を手に入れて、宇宙船をカスタマイズする楽しみもあります。いまの時点ではシングルプレイですが、今後マルチプレイの導入も検討しています。

 

 

▲『ドラゴン・エタニティ~よみがえる闇の神々~』

 

 

 

▲『Starboen Wanderers』

 

 

―― そういえば先日MMOアプリ『Tank Domination』が発表され話題を呼びました。

『Tank Domination』は、はじめに2013年11月に英語版とロシア語で配信します。本作には、本物に基づいて制作した30台ほどの戦車が登場します。現在はロシアやアメリカ、ヨーロッパ、中国の戦車が選べますが、今後のアップデートで新しい国の戦車が追加されていきます。

本作の特徴的なのがリアルを追求したところにあります。戦場(バトル)に出る前には、たくさんの弾薬や徹底的な整備を行わないと痛い目をみます。というのも何かの障害物に当たったり、橋なんかに落ちたりでもしたら機体はいとも簡単に壊れてしまう。そして、もちろん弾が無くなった際は、一切の攻撃はできない。リアルにこだわった結果ですが、実際の戦場に置き換えれば当然の話ですよね(笑)。

 

 

 

―― それでは最新作『The Running Shadow』について教えてください。

『The Running Shadow』は、従来のランナーゲームと同様な手軽な操作感に加えて、RPG要素も取り入れた作品です。プレイヤーは暗殺者となり、ダークファンタジー溢れる世界を走って探索していくことになります。RPG要素としては、スキルのレベルアップやアイテムはもちろん、膨大なクエストやミステリアスで壮大な物語が特徴的。

操作性は、上にスワイプでジャンプ、下にスワイプでスライディングはもとより、目の前に敵が現れればタップすることで剣を振り攻撃してくれます。また、建物の天井や古城など、多種多様なステージを用意。ライフもあるため、一度当たっても終了しないところもこだわりのひとつです。

そして、クエストをこなしていくと、通常のジャンプもレベルアップできます。内容としては、アクロバティックな演出が加わるものですが、爽快感が味わえること間違いなしです。

配信日ですが、2014年初頭を予定しています。これまで話している通り、先に英語版とロシア語で配信後、日本語ローカライズの制作に着手していきます。また、はじめはPCタブレットのみで配信ですが、後々スマートフォンにも対応していきます。たぶん簡単に出来ると思います(笑)。

 

 

 

 

―― ちなみに日本で展開するうえで気になる点はありますか?

……気にしていることは、グラフィックのスタイルです。我々というか、アメリカやヨーロッパの作品は、とてもリアルなグラフィックが特徴的です。日本ではアニメチックな絵柄が印象的ですので、そこに好き嫌いが出てくるかもしれません。とはいえ、ゲームに関しては絶対的な自信があります。本作が日本でリリースされる前に、これまで発表してきたGame Insightのタイトルが日本で盛況していることを祈っています(笑)。

―― それでは、最後に日本の開発者に向けてメッセージを。

先ほども話したように我々が手掛けてきた作品は、アジアの文化・ビジネス市場から見れば大きく異なるものがあると思っています。しかし、今回来日にして日本の方ともお話した結果、とても成功イメージが沸いてきました。

お互い異なるタイプの作風を手掛けていますが、習えることがあると思います。ぜひ、日本の方々も我々の会社に足を運んでみてください。双方の経験やアイデアを共有することで、お互い強く成長していきましょう。これからもよろしくお願いします。

 

余談だが、インタビューの終わりには、アンドレさんから「ロシアの文化も知ってほしい」とウォッカとピクルスをいただいた。思ったよりもさっぱりと飲みやすく、ピクルスとの相性も抜群で美味しくいただけた。

さてさて、今回のGame Insight社のインタビューを通して、多くの海外デベロッパーが日本市場に参入していきたいということを、改めて感じ取ることが出来た。

筆者が言うのは少し変だが、本当に日本のアプリ市場は他国と比べて異質である。これから他国の参入が激化することを考えると、やはり喜ばしいこと、この上ないものだ。

 

©2013 Game Insight.