モブキャスト、2013年12月期の業績予想を下方修正 営業損益17.5億円の黒字→6.8億円の赤字に

モブキャスト<3664>は、本日(11月1日)、2013年12月期の連結業績予想を下方修正し、営業損益17億5000万円の黒字から6億8000万円の赤字とした。増収増益となる見通しから一転して、増収・赤字転落となる。

同社は、売上高50億円(前回予想80億円)、営業損益6億8000万円の赤字(同17億円の黒字)、経常損益6億4000万円の赤字(同17億円の黒字)、当期純損益7億5000万円の赤字(同10億円の黒字)とした。

 


同社では、下方修正の要因として以下の理由をあげている(開示資料からの抜粋)。

(1) 新規自社ゲーム投入の遅れ
第3四半期中にリリースを予定しておりましたネイティブアプリゲーム「ドラゴン★スピン」、「激闘!ぼくらのプロ野球!」及びブラウザゲーム「モバイルグランプリ」の投入が予定より大幅に遅れてしまったことから、今期の売上及び利益への寄与が大きく減少してしまいました。

「ドラゴン★スピン」は Android 版が 8 月中の配信、iOS 版が 9 月中の配信を予定していましたが、Android版が10月中旬の配信となり、iOS 版は12月配信予定となりました。「激闘!ぼくらのプロ野球!」は Android 版が 8 月中の配信、iOS 版が 9 月中の配信を予定していましたが、Android 版が10月中旬の配信となり、iOS版は11 月配信予定となりました。「モバイルグランプリ」は9月下旬の配信を予定しておりましたが、10 月末の配信となりました。

 

(2) パートナーゲーム投入の遅れ
第3四半期から順次リリースを予定しておりましたパートナーゲームが、当初の予定通りに進まず、新規投入タイトル数が当初の見込みより大幅に少なくなってしまったことから、今期の売上及び利益への寄与度合いが大きく減少してしまいました。第3四半期に投入を予定しておりました10タイトルが第4四半期のリリース予定となりました。

 

(3) 海外事業の遅れ
海外事業においても、当初5月に予定しておりましたブラウザゲーム「野球の達人(モバプロ韓国版)」の投入が 10月になってしまったことや、第3四半期の投入を予定していたネイティブゲームが第4四半期のリリースになってしまったこと、オープン化(他社ゲーム誘致)が11月(「NBA2Kバスケットボールマスター」のリリース)までずれこんだことにより、今期の売上及び利益への寄与度合いが大きく減少してしまいました。


(4) 広告費の増加
昨年度にスポットの TVCM の広告効果が減衰してきていたことから、今期は、総合ニュース番組内のスポーツコーナーを提供するという新たなチャレンジを行いました。長期間継続して固定枠で広告を展開することで、新規会員の獲得は順調に進みましたが、上記(1)及び(2)に記載のとおり、ゲームの投入が大幅に遅れたことによって、獲得した会員のゲームへの誘導が思ったように進まず、売上に貢献できませんでした。なお、リリースから3年経過する「モバプロ」については広告効果が思ったように出ませんでしたが、リリースから1年の「モバサカ」は新規会員獲得と課金者数の両面で良い結果が出ております。

また、固定で長期にわたる媒体に積極的に広告展開を行ってきたため、広告効果を判断して柔軟に出稿をコントロールすることができませんでした。さらに、個別のゲームタイトルの広告から、プラットフォーム「mobcast」のブランディング広告へとシフトし、プロ野球パリーグ・クライマックスシリーズへの協賛や、国際女子サッカークラブ選手権(mobcast cup IWCC)への協賛などを実施しており、これらは会員獲得よりもプラットフォームにコンテンツを提供していただけるパートナー企業の開拓に大きな効果があり、これは来期以降の売上に寄与してくるものと見込んでおります。

 

(5) 人件費の増加
オープン化に向けたプラットフォームの機能強化や、新規ネイティブゲームの開発、韓国でのプラットフォームオープン化とネイティブアプリの立ち上げ、及びメディア・マーケティングなど、今年から新たに取り組んだ事業についての体制を充実させた結果、これらに関わる人件費が増加いたしました。

 

(6) ソフトウェアの減損計上
資産計上しておりました開発中のコンテンツに係る「ソフトウェア仮勘定」及び開発が完了し償却を開始しているコンテンツに係る「ソフトウェア」について、経営体質の強化を図るため、その回収可能性を保守的に検討した結果、減損を一括して今期の特別損失として約3億円計上することといたしました。これにより、来期以降の償却費負担は大幅に減少いたします。

 

なお、「ドラゴン★スピン」Android 版、「激闘!ぼくらのプロ野球!」Android 版、自社ブラウザゲーム「モバイルグランプリ」、韓国ブラウザゲーム「野球の達人」、パートナーゲーム「NBA2K モバスケ」など、10月に新規投入したタイトルについては、業績予想に与える影響について不確かであることから業績予想には織り込んでいないとのこと。

また、11月以降に順次リリースされる「ドラゴン★スピン」iOS版、「激闘!ぼくらのプロ野球!」iOS版、パートナーゲーム10タイトル、韓国ネイティブゲーム2タイトルについても、今回の修正には織り込んでいないという。

また、経営責任を明確にするため、代表取締役社長の月額報酬を30%減額、その他取締役の報酬を15%減額するとのこと。実施期間は、2013年11月~2014年3月。
株式会社モブキャストホールディングス
https://mobcast.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社モブキャストホールディングス
設立
2004年3月
代表者
代表取締役CEO 藪 考樹
決算期
12月
直近業績
売上高33億7100万円、営業損益4億2800万円の赤字、経常損益4億3600万円の赤字、最終損益3億8000万円の赤字(2023年12月期)
上場区分
東証グロース
証券コード
3664
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