【アプリレポート】“ポチポチゲー”に終止符…Cygames渾身の大作『グランブルーファンタジー』はモバイルRPGの新境地


Cygamesと同社の子会社でデザイン制作・ゲーム企画事業を展開するCyDesignationは、2013年12月17日(火)に「Mobage」で配信開始を予定している新作RPG『グランブルーファンタジー』のメディア体験会を、Cygames本社で開催した。

『グランブルーファンタジー』は、これまで数々のRPG作品を手掛けてきたCyDesignation代表の皆葉英夫氏がキャラクターデザインを担当。さらにゲームで使用される楽曲制作には植松伸夫氏を迎え、平田広明さん、長谷川明子さん、伊藤かな恵さんをはじめとする多数の豪華声優陣が参加する、Cygamesが総力を結集して制作中のスマートフォン向けのブラウザゲームだ。

本稿では、正式配信に先駆けて催された、メディア体験会の模様をお届け。
 

■“豪華”○○陣も重要だけど、結局ゲームはどうなの?


メディア体験会の冒頭には、『グランブルーファンタジー』のプロジェクトマネージャー・春田康一氏(写真右)より、本作の魅力や概要が説明された。まず春田氏は、本作の魅力について、大きく「空を巡る壮大な物語」、「仲間と共に駆ける空の旅」、「スマホブラウザの限界に挑戦した豪華な演出」と3つを挙げた。

そして同氏は、新作RPGを世に送り出す際に、ユーザーに楽しんでもらうため、「非常に長い時間遊べるボリュームであり、その世界にどっぷりと浸かれる作品」という制作方針に行き着いたと語る。

また、演出面に関しては、“ブラウザの限界に挑戦”と目標を掲げているだけに、BGM・ボイス・効果音など、サウンドのこだわりにも触れた。

さて、それでは肝心のゲーム内容はどうなのか? 作品を派手なコメントで覆いかぶせることはできるが、実際に触れば本質が見えてくるもの。いちRPGファンとして、心くすぐられるワクワク感を求め、かなり貪欲に『グランブルーファンタジー』を体験することにした。

ここからは実際のプレイ画面を交えて、ゲーム開始から時間が許すまで触り続けた駆け出し冒険者の軌跡を、レポートにまとめることにしよう。それでは、ゲームスタート!

 
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■「え、これ本当にブラウザゲーム…?」


ゲーム開始後は、サウンドの有無を決められるのだが、端末に問題が無いようであれば、迷わずONにしておきたい。その後は、主人公の性別を選択することになるのだが、画像にもある通り、選択した性別によって能力が変わることはない。

さて、ここまでタイトル⇒サウンド有無⇒主人公選択と、なんてことないゲーム画面が続いているわけだが、すでにここの段階でブラウザゲームとは思えないほどのグラフィック演出が施されているのが分かる。続いてプロローグシーンへと映るわけだが、世界観の説明や場面背景が随所に切り替わり、冒険の期待感を仰いでくれる。
 
 


物語は、主人公が失踪した父の便りを手に、羽根トカゲのビィと共に約束の地へと旅立つところから始まる。道中、国家の軍隊に追われる謎の少女・ルリアと出会うのだが…といった含みを持たせるもの。

メインストーリーの会話シーンは、豪華声優陣によるフルボイス。何よりも驚きなのが、キャラクターたちのイラスト枚数と所作である。コンシューマ作品ではなんてことないが、登場キャラクターの表情はもちろん、体を小刻みに揺らしたり、拡大させたりと、単なる紙芝居調のモバイルブラウザゲームとは思えないほど、小さなスマホ画面中を賑やかしてくれるのだ。

それでは、何やら困っている謎の少女を助けることにしよう……。ここからは、各種システムや世界観の魅力を語っていくが、物語に関わることは一切触れずに行く。「これから何が起こるのか?」…という物語の本質はRPGの醍醐味でもあるため、実際に自身で読み進めて味わって欲しい。
 
 
 

■懐かしいのに新鮮なバトルシーン


続いてはRPGにおける肝心要のバトルシーンについて。とはいえ、難しいことは何ひとつない。味方・敵とターンごとに攻撃を繰り返していくほか、属性を考えて相手の弱点を上手いこと狙ったり、一定ゲージがたまれば奥義を放てるなど、昔ながらなRPG本来のゲームシステムを丁寧に踏襲している。

また、ゲーム画面に映るキャラクターやモンスターは静止しておらず、呼吸をするかのように肩を揺らしながら、小さく小さく動いている点も見逃さないでほしい。動けば動くほど、それだけの容量・工数がかかっていることを考えると、涙ぐましい制作背景が見え隠れして気がならないのだ。

もちろんバトルシーンもフルボイス。映るのは“ちびキャラ”だけど、美声極まる奥義の掛け声に誰もが「ビビッ」と来るはず。
 
 
 


そして、バトルシーンを彩るのは、「召喚」システム。これは装備している召喚石を使って、星晶獣を召喚するというもの。一定ターン経過後に使用できる召喚石は、敵全体に強力なダメージを与えるほか、味方の防御力・攻撃力の上昇や回復など、各々の星晶獣たちの力によって戦況をガラリと変えてしまうシステムだ。そして、星晶獣たちのド派手なアクションシーンも見所のひとつだろう。

このように本作は、何も考えずに“ポチポチ”と押し進めていく従来のモバイルRPGには無い、コンシューマRPGで味わった戦略と興奮を限りなく落とし込んできている。
 
 
 

■キャラクターにスポットをあてた各種システム


右画像は本作のMy Page(ホーム画面)である。プレイヤーは、この画面を拠点にしてゲームを進めていく。おもなゲームの流れとしては、クエスト(物語)進行を軸にして、武器やメンバーの編成を行ったり、ガチャで武器を手に入れたりというもの。

編成では、自身の武器(全7種)や出撃メンバーを変更できる。また、主人公は多種多様な能力に特化したジョブ(写真左下)にもチェンジ可能。バラエティに富んだジョブシステムにより、幅広いビジュアルはもとより、多彩なバトルスタイルを生み出す。

さらには、複数のジョブを極めることで、さらなる上位ジョブを取得できるほか、ジョブ特有のアビリティを使い分けることもできる。なお、主人公のレベルはジョブ依存である……。察しがつくだろうが、かなりやり応えのあるゲームだというのが分かる。

ちなみに本作における「ガチャ」システムは、おもに武器が手に入るというもので、カードバトルのように登場キャラクター(ユニット)が入手できるものでは決してない。登場キャラクターなどは、メインクエストを進めていくうちに増えていくのと同時に、もうひとつ大変ユニークな仲間の仕方がある。

じつはガチャで希少価値の高い武器を手に入れることで、「フェイトエピソード」(写真右下)と呼ばれる新たなサブクエストが登場するのだが、それをクリアーすることで新しいキャラクターを仲間として迎え入れることができるというもの。

また、無機質な汎用キャラクターでは全くなく、きちんとそれぞれにバックボーンが用意されているほか、主人公たちとの絡みがあるのも好印象。当然、全員ボイス付きだ。
 
 


ここからは「クエスト」について。とはいえ、おもにメインクエストを進めていくことになるのだが、流れとしてはアイテムなどを集めていく進行パートがあり、バトルパートに進んで、クエストクリアーという形になる。ちなみに道中手に入れたアイテムなどは、「トレジャー交換」としてショップで様々なアイテムと交換できる。また、クリアー後に得られる経験値は、それぞれの仲間にも入るほか、戦闘不能でも入手できるため豪快に突き進めるのもアリだろう。

そしてクエストクリアー後には、随時フリークエストも出現するため、どうしても敵が強くて進めない場合は、ちくちくと“レベル上げ”に勤しむのも悪くない。端末やゲームシステムが異なるものの、昔ならではの“RPGのお決まり”を味わえるのも本作ならでは。
 
 
 

■個性豊かな登場キャラクターを豪華声優陣が命を吹き込む


『グランブルーファンタジー』には、総勢50名を超えるキャラクターたちがメインストーリーに関わってくる。どれも個性豊かな面々に加えて、それぞれに人気声優が割り振られてる点には、RPGファンはもとより、アニメ・声優ファンにも随所で楽しめる内容となっている。

■出演声優一部(順不同・敬称略)
伊藤かな恵  加藤英美里 釘宮理恵 横島亘 沢城みゆき 田村ゆかり
長谷川明子 朴 王路美(王偏に路) 東山奈央 小杉十郎太 平田広明 中原麻衣
三瓶由布子 井上剛 小林ゆう 植田佳奈 井口裕香 茅原実里
井上喜久子 寿美菜子 伊瀬茉莉也 杉田智和    
 
 
 
 

▲ファイター(主人公)、ルリア(CV:東山奈央)





▲カタリナ(CV:沢城みゆき)、黒騎士(CV:朴 王路美(王偏に「路」))


​▲シェロ(CV:加藤英美里)、ビィ(CV:釘宮理恵)


▲ラカム(CV:平田広明)、マリー(CV:長谷川明子)​、スツルム(CV:伊藤かな恵)

 

【総括】「モバイルブラウザゲームの限界に挑戦」…これに嘘偽りは無い


先日、『グランブルーファンタジー』の発表会(関連記事)において、Cygamesの取締役・木村唯人氏が“モバイルブラウザゲームの限界に挑戦”という発言をした。これは、プロジェクトマネージャーの春田氏も同じ想いだが、この気迫に嘘偽りは無かった。十二分に伝わるクオリティ。

また、声優陣によるフルボイスの会話の掛け合いや物語演出など、正直なところ「力を入れているの最初だけだろうなぁ……」と思っていた。しかし、次々とキャラクターたちが登場するたびに、進めば進むほど世界観に“どっぷり”と浸かっている自分に気付く。

従来のモバイルRPGといえば、結局のところ何も考えずに“ポチポチ”と読み・解き進めていくものが大半であった。しかし、本作はコンシューマの演出とゲーム仕様を、絶妙なバランス感覚でモバイルに落とし込んでおり、ジャンルはRPGといえど、何やら新しいゲーム分野に触れているようにも思えた。どこか懐かしいのに、手元でこれを遊んでいる不可思議さと新鮮な気持ちは、触って始めて分かるもの。

なお、動作環境は下記の通りとなっている。それ相応の端末クオリティは必要となってくるが、現在はAndroid2.3への対応も順次進めているとのこと。正式リリースの際には、もしかするとスムーズに進められるかもしれない。ちなみにゲームのメニュー画面からは、オプションとして画質・バトルスピードなどを調整できるため、端末操作時に何かあれば触ってみるといい。

【動作環境】
iPhone 4S以降の端末 iOS5.0以上 Safari
Android 4.0以上搭載の端末 標準ブラウザ
※Android 2.3順次対応

【推奨環境】
iPhone 5以降の端末 iOS6.0以上 Safari
Android 4.2以上搭載


メディア体験会の最後には、春田氏から「ゲームとしてのクオリティも上げていくほか、幅広いお客様に遊んでいただくために、ゲーム自体の軽量化も前向きに進めていきます」と、正式リリースに向けて意気込みと明確な残りの製作工程を語ってくれた。

『グランブルーファンタジー』は2013年12月17日(火)に「Mobage」で配信予定。
また、12月7日(土)からはTVCM放送開始。
 

■会場には、見慣れないキャラクターのポスターが…


会場には、本作に登場するキャラクターたちのポスターが所狭しと掲示されていた。よーく見てみると、まだ公式サイトやリリース情報にも登場していないキャラクターやジョブなどが、ちらほらと掲示されているのが分かる。そんなポスターを厳選してちょっぴり紹介。

 
 

※ゲームは開発中の体験版です。実際に配信されるゲームは各所変更になる場合があります。


■関連サイト

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公式サイト

謎解きクエスト「空の島にある8つの謎」


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