​アプリマーケティング研究(5) 事前予約サービスの拡大でプロモーション戦略も変わる? 1月~2月のGooglePlay売上ランキングを振り返る

■はじめに

2013年12月と2014年の1月と2月のGooglePlay売上ランキングの推移から大きな目立った動きとして、先週は①まだまだ強いパズドラ、②最近のLINE、③「ドラクエ」のスマホ市場への本格参入について紹介してきた。

今週は事前予約ユーザの獲得を最大化することでリリース後から売上ランキング上位タイトルとなった『フルボッコヒーローズ』や『サウザンドメモリーズ』などの事例から事前予約サービスについて考えてみたいと思う。



■事例①『サウザンドメモリーズ』の新着期間ランキング推移



Twitterの施策を活かして成功した例が『サウザンドメモリーズ』だ。最初は、iTuneギフトがもらえるキャンペーンで広くバイラルを起こすような施策を行い、2回目でちびキャラクターのチロルチョコがもらえるキャンペーンを行い、「千メモ=ちびキャラ」の印象を強めてゲーム開始前からユーザー様にちびキャラ達へ愛着を持たせることに成功したと言える。(参照)



■事例②『フルボッコヒーローズ』の新着期間ランキング推移



『フルボッコヒーローズ』はフライングゲットガチャ施策によって両OSで35万人の事前登録者を集めた。また先日のスマートフォンアプリのマーケティングセミナーの中で、「Androidについては新着無料への掲載期間の関係上、プロモーションを行った」という話がありブースト施策も実施していたようだ。(参照)



■『フルボッコヒーローズ』と『千メモ』の事例から

『フルボッコヒーローズ』と『サウザンドメモリーズ』の事例を見てきたが、ともに共通しているのは事前予約ユーザの獲得を最大化するための施策を実施したことだ。『フルボッコヒーローズ』では「フライングゲットガチャ」、『サウザンドメモリーズ』では「Twitter」施策によって、大きく事前予約ユーザを伸ばしている。

また市場の状況として、ブースト中心のプロモーション戦略に限界が見えていたことも触れておきたい。
①ブースト出稿時のリジェクトやアカウントBANというリスク
②ブースト広告の広告効果の悪化

現状では「ハヤトク(ゲームギフト)」など事前予約サービスで獲得できるユーザの規模が大きくなってきたこともあり、ブースト施策に事前予約を組み合わせることで効果的なプロモーション手法となっているが、今後事前予約サービスがさらに注目を集めることは確実な状況となっている。



■まとめ

【以前までのプロモーションセオリーの特徴=ブースト中心】
①リジェクトリスクを抑えるためリリース後1週間~10日後にブースト開始
(アンインストール率が高いとリジェクト対象となる可能性)
②リリース直後からADNW、ノンインセンティブCPI広告を開始
(ブースト前に質の高いユーザを確保するため)



【最新のプロモーションセオリーの特徴=事前予約サービス中心】
①事前予約数を最大化することでリリース直後に質の高いユーザの確保が可能
(ブースト広告をリリース1~2日後から実施することができる
⇒新着対象期間のブーストを効果的に実施できる)
②事前予約でINSが獲得できればRankがあがり自然流入が好調であればブースト予算の縮小も可能となる
③事前予約ユーザは継続率・課金率が高いため売上Rankも早く上昇する

今まではブースト施策優先のプロモーション戦略の会社が多かったが、事前予約サービスがそれに変わる勢いを見せて拡大している。今後は“事前予約サービスを制す会社が勝つ”市場へと大きな変化を見せていくだろう。



 

■執筆者紹介


森山 晃義

国内初のネイティブソーシャルゲームに特化した集客スタジオ、株式会社AppBroadCast アプリマーケティングラボラトリーラボ長。モバイル広告の黎明期からモバイル広告業務に携わる。プラットフォーム系SAPのプロモーションマネージャーを経て、ネイティブアプリのデベロッパーではGoogleトップデベロッパーの認定に尽力。2013年8月より現職にてゲーム集客戦略の支援を手掛ける。

​市場の拡大ととともにアプリのリリース数が増加したことで、今回の事前予約のようなリリース前からの集客施策だけでなく、サービス開始後のプロモーションも含めたプロモーション戦略を考えることもアプリが成功する重要な要素となっています。記事の内容に関するご意見・ご質問あるいは、集客プランに関するご相談がございましたら、こちらからご気軽にお問い合わせください。