【App Annie・IDC調査】フリーミアムモデルの課金者の割合は2~5%が最多

App AnnieとIDCは、3月26日、2012年から2017年までのモバイルアプリ広告とマネタイズの動向をまとめたレポート『Mobile App Advertising and Monetization Trends 2012-2017:The Economics of Free』を公開した。

『Mobile App Advertising and Monetization Trends』は、広告編とビジネスモデル・マネタイズ編で大きく2つにわかれているが、今回はビジネスモデル・マネタイズ編をみていきたい。
 
 

■ ビジネスモデル全体


モバイルアプリのビジネスモデルは、①フリーミアム(ダウンロード無料・アプリ内課金有)、②有料アプリ (ダウンロード有料・アプリ内課金無・売り切り型)、③ペイドミアム(ダウンロード有料・アプリ内課金有)、④アプリ内広告(バナー広告、ビデオ広告など広告含有)、⑤ダイナミック(ユーザーの利用状況にあわせて収益源を変動するビジネスモデル)の4つに大きくわかれる。

①には、ガンホーの『パズル&ドラゴンズ』やSupercellの『Crush of Clans』、②には、Sirvo LLCの『Threes!』やMojangの『Minecraft - Pocket Edition』、③にはNinga Kiwiの『Bloons TD 5』などの有料アプリが分類され、多くのゲームアプリが①のフリーミアムモデルを採用している。
 
2013年の主要10か国(アメリカ、イギリス、カナダ、日本、韓国、フランス、ドイツ、インド、ロシア、ブラジル、以下主要10か国)におけるビジネスモデル別モバイルアプリの売上は、アプリ内広告による売上が前年比56%増、フリーミアムモデルによる売上が前年比2.11倍増、有料アプリモデルによる売上が前年比29%減、ペイドミアムモデルによる売上が前年比23%減。


 
一方、2013年のアプリストアでビジネスモデル別アプリ数の構成比をみてみると、フリーミアムモデルが83%、有料アプリモデルが8%、ペイドミアムが9%。ビジネスモデル別売上高の構成比をみてみると、フリーミアムモデルが92%、有料アプリモデルが4%、ペイドミアムが4%。



 

■ フリーミアム


まず、フリーミアムモデルのマネタイズ方法をみてみると、①Usage:空き領域など利用条件に制限してその後有料化、②Time:一定時間のみ無料でトライアル版を配布してその後有料化、③Functionality:仮想アイテム・時短アイテムなどアプリ内課金でフリーミアムモデルの最も多く利用されているマネタイズ方法、④User Experience:アプリ内広告の非表示化でアプリ内課金でフリーミアムモデルの中では2番目に多く利用されているマネタイズ方法、⑤Combination:①〜④の中から複数の手法を組み合わせて課金させる、ものがある。


 
また、フリーミアムモデルを採用しているアプリで月間アクティビティユーザー数のうち、アプリ内課金者数の割合は全体の2〜5%が最も多いという結果になった。



 

■ 有料アプリ


次に、有料アプリについて、iOS・Google Playの上位1000タイトルをみてみると、有料アプリの価格帯で最も多いのが2ドル〜3.99ドル。それに次いで、4ドル〜5.99ドル、6ドル〜7.99ドル、2ドル以下となった。



 

■ ペイドミアム


2013年の主要10か国におけるペイドミアムモデルのアプリの収入内訳は、有料ダウンロードによるものが61%、アプリ内課金によるものが39%。


 

■ アプリ内広告


モバイルアプリのパブリッシャーうち、全体の42%がアプリ内広告を利用している。



また、アプリ内広告利用パブリッシャーの中には月10万ドル以上を稼いでいるものもいるが、75〜90%が月10万ドル未満で、月間インプレッション数(広告表示回数)は、月500万以上もあるが、60〜90%が400万以下。




2014年のアプリ内広告の動向をみると、インタースティシャルビデオ広告(アプリの起動、動画のプレロール、ゲームのレベル読み込みなど、アプリの画面切り替え時に表示されるビデオ広告)の利用が増加傾向し、バナー広告の利用が2013年と同等かそれ以下になるという。



なお、アドネットワークによるアプリ内広告の利用が最も多く、RTB(Real-Time Bidding)によるアプリ内広告の利用が最も少ないという結果になった。



 

■ アプリ内課金


世界のiOSアプリストアの売上を2012年と2013年で比較すると、ゲームアプリとゲームアプリ以外のアプリとでは、ゲームアプリの売上が圧倒的に多い。アプリ内課金の有無でゲームアプリの売上をみてみると、アプリ内課金による売上が大半を占める結果となった。



 

■ 国別モバイルアプリ売上


主要10か国の国別のモバイルアプリの売上をみると、米国(12年対比1.7倍増)が1番多く、日本(同比2.2倍増)、韓国(同比2.3倍増)、イギリス(同比1.7倍増)、ドイツ(同比2.0倍増)、カナダ(同比1.7倍増)、フランス(同比2.2倍増)、ロシア(同比2.1倍増)、ブラジル(同比2.2倍増)、インド(同比3倍増)がそれにつづく結果となった。



国別モバイルアプリ売上の構成比をみると、アプリ内広告による収入はインドが最も多く68%で、それに続いて、アメリカが58%、イギリスが47%、ドイツが40%、カナダが38%、韓国が36%、フランスが34%となった。アプリストアによる売上では、ロシアが最も多く77%、ブラジルが73%、日本が72%で続いた。


 
また、同レポートでは主要10か国の2017年の国別モバイルアプリ売上とアプリ内広告による収入の割合を予想している。それによれば、2017年のモバイルアプリの売上は、米国が12年対比3.5倍増、日本が同比1.8倍増、韓国が同比1.5倍増、イギリスが同比3.2倍増、ドイツが同比3.5倍増、カナダが同比2.2倍増、フランスが同比3.0倍増、ロシアが同比2.7倍増、ブラジルが同比3.2倍増、インドが同比8.7倍増と予想されるという。



なお、2017年おいてアプリ内広告による収入の割合は主要10か国すべてで増加すると予想されている。






 

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