モバイル向け広告・収益性を重んじたサービス型ソフトウェアを提供する米国Nanigansは、2013年第1四半期〜2014年第1四半期、Nanigansアドエンジンを利用している広告主とパートナー200社を対象に、Facebook広告市場の動向を調査したレポート「Q1 2014 Facebook Advertising Trends Report」を発表した。「Q1 2014 Facebook Advertising Trends Report」は、2014年第1四半期の①Facebook広告実績、②Facebook広告種別実績、③地域別Facebook広告動向、④男女別Facebook広告動向、⑤年齢別Facebook広告動向の5つに大きくわかれている。以下、各データは、Nanigansによる推定実績値とする。
■ Facebook広告実績
Facebook広告は、目的、ターゲット、素材の選択によって、アプリ広告、ドメイン広告、イベント広告、モバイルアプリ広告、クーポン広告、ページへの「いいね！」広告、ページ投稿リンク広告、ページ投稿写真広告、ページ投稿テキスト広告、ページ投稿動画広告に分けられている。これらの広告では、広告表示対象者の地域、年齢、性別、趣味・関心、カテゴリ、つながりなどをもとに、ターゲットの設定を変更できる。
(1) 広告費
2014年第1四半期のFacebook広告費用は、前年比83%増と伸びたが、2013年第4四半期と比べると四半期比5%減となった。2013年第4四半期にはクリスマスや年末年始などのイベントがあり、広告出稿も1年間を通じて伸びる傾向にあるが、第4四半期明けの2014年第1四半期でも継続的に広告出稿が続いた、といえよう。
(2) インプレッション
2014年第1四半期のFacebook広告インプレッション(広告効果測定指標で広告の露出・掲載回数)は、前年比48%減で、前四半期比17%減となった。
これは、Facebook広告を利用する広告主が、デスクトップ広告の81%を、1インプレッションあたりの広告効果が高いニュースフィード広告に割り当てたことで、インプレッションの全体量としては低下した、としている。
(3) CPM
2014年第1四半期のFacebook広告CPM(広告掲載料金単位で、広告表示回数1000回あたりの広告単価)は、前年比247%で、前四半期比15%増となった。
これは、ニュースフィード広告の増加により、掲載広告のコンテンツが増加したことによるもの、としている、
(4) CPC
同期のFacebook広告CPC(広告掲載料金単位で1クリックを獲得するために必要な単価)は、前年比247%増で、前四半期比で10%増。
これは、広告ターゲットと広告主のオーガニック(広告以外の全リーチ)が増加したため、としている。
(5) CTR
同期のFacebook広告CTR(広告効果測定指標で表示された広告に対するクリック率)は、モバイル、デスクトップの両方で年間を通じて増加し、前年比167%増で、前四半期比で4%増となった。
■ Facebook広告種別実績
(1) モバイル
現在、モバイル版Facebookのユーザー数は10億人を超えている。モバイル広告費用の74%は、モバイルアプリのインストール広告に使われている。これは、モバイルアプリのインストール広告が、エンゲージメントとコンバージョンの向上に効果的であるため、としている。
(2) デスクトップ
広告主は、広告予算の81%をデスクトップのニュースフィード広告に当てている。特に、未掲載投稿による広告(リンク)はニュースフィード広告の中でもの人気は高く、そのうちの47%を占めており、ROIはRHS経由のドメイン広告よりも平均200%以上高くなる。
■ 地域別Facebook広告動向
(1) 広告費
地域別に広告費用をみると、アメリカが前年比過去最高の94%増、それに次ぎにイギリスが前年比89%増、カナダが前年比80%増、オーストラリアが前年比57%増。
(2) CPM
地域別CPMをみると、ヨーロッパ諸国が前年比344%増で0.80ドル、それに続き、イギリスが前年比293%増で1.77ドル、オーストラリアが前年比258%増で2.33ドル、カナダが前年比256%増で1.14ドル、アメリカが前年比210%増で1.49ドル、となった。
(3) CPC
地域別CPCをみると、アメリカが前年比50%増で0.63ドル、イギリスが前年比40%増で0.49ドル。オーストラリアが前年比18%増で0.90ドル、ヨーロッパ諸国が前年比5%増で0.43ドルとなった。また、カナダのみが前年比17%減で0.45ドル。
(4) CTR
地域別CTRをみると、ヨーロッパ諸国が前年比350%増で0.18%、カナダが前年比317%増で0.25%、オーストラリアが前年比189%増で0.26%、イギリスが前年比177%増で0.36ドル、アメリカが前年比118%増で0.24%、となった。
■ 男女別Facebook広告動向
2013年第1四半期〜2014年第1四半期までのFacebook広告のRPCとCPCを男女別にみると、女性はRPC(広告掲載料金単位で、収益単価)が0.94ドル、CPCが0.50ドル、男性はRPCが0.55ドル、CPCが0.38ドル。
2013年第1四半期〜2014年第1四半期までのFacebook広告予算のターゲットについて男女比率をみると、広告主の多くは女性をターゲットにした方が広告価効果が高いと考えているため、女性が約63%で、男性が37%を占めている。
■ 年齢別Facebook広告動向
2013年第1四半期〜2014年第1四半期までのFacebook広告のRPCとCPCを年齢別にみると、18〜24歳はRPCが0.61ドル、CPCが0.35ドル、45〜54歳はRPCが1.53ドル、CPCが0.58ドル。
2013年第1四半期〜2014年第1四半期までのFacebook広告予算のターゲットについて年齢別に比率をみると、広告主の76%が25歳以上をターゲットにしていることがわかった。
関連サイト
(C) Nanigans
