アプリマーケティング研究(11) 大型IPタイトルも事前予約サービス出稿へ考えられるメリットとは?

■はじめに

4月16日のGooglePlayゲームの新着無料ランキングのTOP5のタイトルを見てみると、「ハヤトク(ゲームギフト)」や「予約トップ10」などの外部媒体で事前予約の出稿を行っていたタイトルは4タイトルとなり、その4タイトルすべてでブーストの実施が確認できました。
 

上記からも新着無料ランキング上位にランクインするためのプロモーション手法として、「事前予約+ブーストの実施」という初期プロモーション手法が確立されているとも考えられます。その中でも最近は「テイルズオブ」シリーズなどIPタイトルの事前予約サービスの活用が増えてきた印象があります。



■『テイルズ オブ アスタリア』のランキング推移
 

その中でも『テイルズオブアスタリア』に注目したいと思います。『テイルズオブアスタリア』は「ハヤトク」や「予約トップ10」など事前予約サービスへの出稿も行っていました。

事前予約ユーザへのリリース告知は4月4日に行っており、以降新着ゲームランキングおよびゲーム売上ランキングも伸びておりインストールや売上が増加していることがわかります。



■事前予約サービスについて

好調の『テイルズオブアスタリア』に続く、テイルズシリーズとして現在事前予約を行っているのが『テイルズオブリンク』となります。
 

事前予約のインセンティブは「テイルズ オブ グレイセス」の人気キャラクター、「ソフィ」(レア度★5キャラクター)となります。



■『テイルズオブリンク』主要媒体の予約数比較(Android)
 


■事前予約サービスについて

事前予約サービスはすでにプロモーション手法のひとつとなっていますが、事前予約サービス市場の拡大とともに、新たな事前予約サービスも増えています。その中でも特に注目されているのがドリコムの「フライングガチャ」になります。



■フライングガチャ
掲載案件名 会社名 フラガチャ総回転数
ONE PIECE
トレジャークルーズ
バンダイナムコゲームス
ドリコム
1,335,000
※★4ガチャ特典3,800
流線系エンカウンター
※Androidはリリース済み
GMOゲームセンター 427,000
※URガチャ特典2,700
落桜散華抄 USERJOY JAPAN 159,000
※SSRガチャ特典960
※2014.4.21時点
※『ONE PIECEトレジャークルーズ』に関してはフライングガチャのサイトのキャンペーン中のアプリには記載がありませんでしたが、公式twitterにはツイートがあっため表に記載しています。



■事前予約のアクセス導線事例(フライングガチャ)

Step1ではTwitter認証を行わなくても得点のシリアルコードをゲットすることができます。

Step2でガチャを引くことができますが、twitterの認証が必要となります。
 



■まとめ

事前予約サービスはすでにプロモーション手法のひとつとなっていますが、事前予約を行うタイトルが増えていくとともに、ドリコムの「フライングガチャ」のように新しい事前予約サービスが増えています。今後も各社が様々な工夫を凝らしてくるものと予想され、今後も活性化していくでしょう。

また『テイルズオブアスタリア』や『ONE PIECEトレジャークルーズ』などのIPタイトルが積極的に事前予約サービスを導入していることも注目です。事前予約の場合、ゲームをプレイできないことからインセンティブの価値がわかりにくいですが、IPタイトルであれば主要なキャラクターなどがインセンティブとなり、その価値はユーザにとってわかりやすいものになります。

IPタイトルにとっては事前予約サービスの活用は適しているということもあり、今後も事前予約サービス導入のアプリは増えてくると思います。IPを使わない、オリジナルタイトルでは、インセンティブをよりわかりやすくして事前予約のメリットを強調していくのも重要になるとみています。


 

■執筆者紹介


森山 晃義

国内初のネイティブソーシャルゲームに特化した集客スタジオ、株式会社AppBroadCast アプリマーケティングラボラトリー ラボ長。モバイル広告の黎明期からモバイル広告業務に携わる。プラットフォーム系SAPのプロモーションマネージャーを経て、ネイティブアプリのデベロッパーではGoogleトップデベロッパーの認定に尽力。2013年8月より現職にてゲーム集客戦略の支援を手掛ける。