【決算まとめ】プラットフォームの1~3月…売上は全体で増加、大手2社の減少をAmebaとLINEが補う グリーとDeNAの営業利益が逆転

2014年1~3月期までのプラットフォーム5社の決算をまとめた。四半期の売上高を見ると、1~3月期はグリー<3632>と ディー・エヌ・エー(DeNA)<2432>の減収基調が続いた。一方、サイバーエージェント(CA)<4751>のAmeba事業は増収に転じ、100億円の大台を突破。LINEの成長も続いた。
 

▲前四半期と比較(QonQ)した増減率で、%表示のないものは実績

1~3月期は、グリーの営業利益がDeNAを上回った点に注目したい。また、プラットフォームとしてではないが、ミクシィ<2121>の業績急回復も見逃せない。
 

■売上高:グリーとDeNAの減少続く、AmebaとLINEは成長

ソーシャルゲームの2大プラットフォームであるDeNAとグリーの売上高と、ガンホーの売上高について四半期推移をグラフにした。ガンホーがユーザ数のさらなる増加を背景に業績を伸ばしている一方、DeNAとグリーの減収基調が続いていることが分かる。
 

次に、CAの「Ameba」事業と、LINEの「LINE」事業、「mixi」を運営するミクシィの四半期売上高をそれぞれグラフとした。

LINE はネット売上高(GoogleやAppleなどのストアに支払う30%の決済手数料を除いた金額のうち、開発会社との契約に基づいてLINEが受け取る金 額だけを計上)が、前四半期比19.7%増の146億円と高成長を続けている。Amebaも27%増と増収に転じ、利益も大幅に増加した。Amebaはネイティブゲームの売上が着実に伸びているもよう。

ミクシィも大幅増収・黒字転換となったが、ゲームのプラットフォーム事業というよりは、ネイティブアプリゲーム『モンスターストライク』や結婚支援事業の好調が背景にある。
 

こ れまで見てきたプラットフォーム5社の売上高(LINEはネット)を積み上げると、以下のようなグラフとなる。全体では前四半期比5%増の1015億円と、3四半期ぶりに増加に転じた。ミクシィを除いた合計額も957億円と同1%増えた。DeNAとグリーの減少を、AmebaとLINEの成長が補った格好だ。
 
 

■営業利益:DeNAとグリーの営業利益が逆転

DeNAとグリーの営業利益推移が以下のグラフとなる。DeNAの営業利益は前四半期比15%減の97億円と減益基調が続き、グリーの99億円(同9%増)を下回った。
 

DeNA とグリーの2社合計の営業利益は196億円と、前四半期比で4%減り、2010年7~9月期(198億円)以来の200億円割れとなった。グリーは下げ止まりを示しているが、DeNAの減益が響いた。
 

本業の収益性を示す売上高営業利益率(営業利益÷売上高)はDeNAが前四半期比3ポイント減の24%、グリーが4ポイント増の32%。コスト削減を進めたグリーと、DeNAの差が拡大している。
 

 

■モバイルゲーム業界全体の売上高は再び成長…四半期で2000億円規模に

家庭用ゲーム機・ソフトの企業を除き、上場しているモバイルゲーム企業の売上高を合計したところ、1~3月は前四半期比4%増の2001億円と、ついに四半期で2000億円の大台を突破した。2013年4月から12月にかけては踊り場の様相があったものの、プラットフォームではLINEやAmeba、ゲームアプリではガンホーやコロプラの成長持続が、全体をけん引している。