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【CEDEC2014】GREEプラットフォームからネイティブアプリへ開発をシフト。Wright Flyer Studiosが取り組んできたこと、未来への展望は

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2014年9月2日~4日に、パシフィコ横浜で国内最大のゲーム開発者向けカンファレンス「コンピュータ・エンターテインメント・デベロッパーズ・カンファレンス 2014」(以下、CEDEC 2014)が開催。

9月3日の講演では「Webソーシャルゲーム企業がスマホゲーム企業に生まれ変わる方法-GREE新スタジオ、Wright Flyer Studiosの軌跡」が開催。登壇したのはグリー株式会社 取締役 執行役員 Japan Game事業本部長「荒木 英士」氏。

本稿ではグリーの子会社として、GREEプラットフォームからネイティブアプリ開発にシフトしていった「Wright Flyer Studios」の、これまで取り組んできたことを中心に荒木氏が語ったセッション内容をお伝えしていく。

ちなみに登壇した荒木氏は、4人目の正社員としてグリー株式会社に入社し、エンジニアとしてGREEプラットフォームでのソーシャルゲーム事業などを手がけ、2011年にアメリカの子会社「GREE International,Inc.」の設立のため、渡米したという経歴を持つ。現在はゲーム事業を統括しているとのこと。
 
グリー株式会社 取締役 執行役員 Japan Game事業本部長「荒木 英士」氏

■GREE新スタジオ「Wright Flyer Studios」とは


なぜ「Wright Flyer Studios」というレーベルを作らなければならなかったのか。1つは「Native Gamer専門の.スタジオを作り、既存のブラウザゲームとはまったく異なるものを提供するため。会員登録が必要なGREEプラットフォーム(Web/ブラウザゲーム)などはすでに現在のトレンドではないと感じ、スタジオの名称にGREEの名を冠していないのも、これまでのGREEの課金体系や個人情報の取扱のポリシーなどが変更となるため、ユーザーを混乱させないような配慮から来ている。

もう一つは、App StoreやGoogle Playのレビューにて「このタイトルは会員登録が必要だから気をつけたほうが良い」などの、ネガティブな書き込みが多くなったことに関して危惧したものだと荒木氏は明かす。
 

また、「Wright Flyer Studios」の名前は、ライト兄弟のテクノロジーによる人類初の有人飛行機に由来しており、「太古の昔から人間は空を飛びたかった」という想いを、常識にとらわれず、理論に基づいたテクノロジーを利用して挑戦することが、新レーベルでの開発の姿勢と合致したために決めたとのこと。
 

本スタジオでは、とにかく「新しい驚きを提供する」ことをビジョンと決めており、競争の激しいゲーム市場において、とにかく新しい技術や作品を作ろうと心がけているとのことで、直近のゴールとして「ナンバーワンの売上」「ナンバーワンのDaily Active Users(DAU)」を目指したいと述べている。


■Native Gameを作れる組織への変革


GREEプラットフォームは、数年前に社会現象とも言える爆発的な成功を収めた。しかしこの2、3年間、ネイティブゲームを作るために組織内部を巻き込んで、試行錯誤を繰り返していたと荒木氏は話す。ネイティブゲーム開発に求められる技術的・開発体制に至るまで、かなりの期間、Webゲームでの成功体験を引きずっていたという。
 

当初はWebの強みを活かしながらNative Gameを作ろうと、GREEプラットフォームをユーザー側に押し付けようとしたり、「ガワだけアプリ(HTMLで作ったゲームをネイティブでラップしてApp Storeなどで配信する)」などを試したが、ユーザーが求める体験に関して、ネイティブアプリに勝てなかった。

今まで自分たちが得意だったHTMLやFlashの技術を、何とかしてNative Gameで使えないかと、無理矢理ミドルウェアなどを作って試行錯誤を繰り返していた。GREE内部には、過去にコンシューマタイトルを手がけていたクリエイターも多数在籍しており、彼らからは「Native Gameづくりをなめるな!」というメッセージをもらったらしい。

アメリカから戻った荒木氏はこれまでの成功体験をすべて捨て、Native Gameに求められているもの、面白いものに関して真摯に取り組むことを決めたとのこと。
 

 

■取り組んできたこと1.「ものづくり文化の再醸成」


ゲームを作る能力がある人って実はあんまりいないよね?(エンジニア同士のよくある話)

GREE社内には「ゲームをゼロから作って完成させられる」人材は少なく、Webゲームを運営・改善して売上を伸ばすという業務をしてきたせいか、売上を出せる=ゲーム開発能力が高い、という錯覚がクリエイターに蔓延しており、その後「自分たちにはどういう能力・経験が足りないのか」という議論を繰り返していた。

Webゲームはどうしても技術的に制限が多く、ゲーム自体のメカニクスやパラメータ、マネタイズの仕組みが重要視され、ゲームとしての手触り、遊びのバリエーションや操作の気持ちよさなどは表現できないという理由で、優先度は低かった。その辺りの経験もすべて一度白紙にして開発を始めていたとのことだ。

社内では、プランナーとエンジニアがペアを組み、2週間でゲームのプロトタイプを制作する「Garage Production」がスタート。当初は「無理だ」という声も多かった。始めた理由としては20人の1人として1年かけて1タイトルを作るのと、2人で3週間で1タイトルを作るのとでは、完成後の成長は後者のほうが大きいと考えたから。
 

 
あまり大きいチームを組むと、やる気のある人(発注側)・ない人(受注側)のように役割が分割してしまう恐れがあり、小さいチームでは誰も逃げ出すことができず、死に物狂いで開発をすることが、実は個人の成長に結びつくのでは、と考えたという。0からゲームを作る経験を短期間で習得させることが重要で、そのサイクルを何度も経験した人は、企画からプロトタイプまで一ヶ月近くかかったプロジェクトが、最近では3日で実際に遊べる高品質なゲームを作るまでに成長している。

Garage Productionで制作された『パズパズファンタジー』『Dungeon Flicker』に続き、頭脳ゲーム『Cubic Tour』がリリース4日で60万DLを達成し、プロモーション費はほとんどゼロという数字が出た。本アプリには課金要素は実装されていないので、売上が出るわけではないが、開発者の能力向上にも繋がっている。
 


 
Native Tech Talk(勉強会)
勉強会については、会議室で実施するとあまりにキッチリとして面白くない、とのことで昼休みや空いた時間にオフィス内のオープンな場所で実際にプロトタイプやコードを参照しながら、気軽に、そして本気で開催している。
 
オフサイトミーティング(合宿)
合宿での共通認識
課題は自分たちにあり
Lead Engineerが自らコミット


勉強会より、さらに戦略的な要素を話し合うオフサイトミーティングを実施。GREEで成功していた経験を捨て、「俺達は負け犬」というコンセプトを掲げながら、マネージメントに問題があるという認識を持つ。体制を変えていき「より良いもの、より早く、より低コスト」を考えつつ、徹底議論を重ねている。
 

■取り組んできたこと2.「Project Managementの確立」


まともにProject Managementをしなければ「ゲームがそもそも完成しない」ことが分かる。数年前のWebソーシャルゲームは、数人で数ヶ月で優秀な人材を集めれば開発は成り立っていたが、現在は10~20名くらいで6~12ヶ月ほど必要なプロジェクトがメインとなっており、資金・スケジュールなどにきちんとしたマネージメントを導入しないと、プロジェクト自体が空中分解を招いてしまう恐れがある。

そこで、実績豊富なアジャイルベースのProject ManagementとしてScrumを導入。専任Scrum MasterやScrumコーチを招聘し、いくつかのパイロットプロジェクトを決め、進捗管理を実施。チーム内の構成やコミュニケーションについても、調整を重ねた。管理も資料ベースから付箋を使った課題表と、プロトタイプを使ったレビューに移行し、開発進捗の数値化と継続的な計測を実施している。
 


 
GREE社内では、スーパースター依存型が主流で、エンジニア出身のプロデューサーが多く、1人が企画・マネジメント・コードを書くなど、すべてができる万能な人が多かったが、同スタジオではManagementとSpecialistは分離させ、Roli&Reaponsibilityを明確に、マネジメントが得意な人はマネジメント、技術が抜群な人はそれを特化させることに注力させている。

激しい市場変化を前提としたパイプラインマネジメントには、リスクを早く検知して、対応できるように、「妄想や閃き」「企画・プロトタイプ」を作る人間は多く、Garage Productionを通して部ごとに承認やチェックを入れて、リスクを早い段階で見つけて、より良いものを本開発・本運営に回していくことを重要視している。
 

■取り組んできたこと3.「体制の再構築」


チーム構成はマトリックス組織に設定し、横ラインが職種、縦ラインが事業として役割を分割。縦ラインはプロジェクト・事業の成功に責任を負い、横ラインはエンジニアリングリソースの配分が適切か、能力を持った人にその力を発揮するチャンスが与えられているか、メンバーを育成できているか、などに責任を置いている。基本的には縦ラインが優先することを徹底。共通化・共有化はそのタイトルが成功した後に実行することについては、このマトリックスで実現できている。

プロジェクトチームの基本形はコンシューマタイトルの開発と同じく、ビジネスや予算管理の責任を持つプロデューサーと、実際のゲームを開発するゲームディレクターを分けている。細かい改善点としてプロジェクトの人間が開発側に座ると、コミュニケーションが劇的に改善することがあるとのことだ。
 

■いろいろ改善を実施した結果


上述のさまざまな改善点を細かく実行した結果、『消滅都市』といった全く新しいコンセプトのゲームを半年で完成させ、一ヶ月で100万DLを達成している。さらに新作として配信開始した『天と大地と女神の魔法』では、技術的なチャレンジも多く導入し、リアルタイムでマルチプレイを実現している。
 

■未来への飛躍


目指すはグローバルスタンダードなものづくり
ものづくりには、個人の才能依存型職人的ものづくりと、チームワークでの自律分散型ものづくりの2つの方向性があるが、数人のスーパープレイヤーが他のクリエイターを率いてハードワークで作品を仕上げるより、オープンで議論しあいながら多様性を組み込んで作る開発を、本スタジオでは実現したいと荒木氏は話した。

それぞれが「単なる作業する人間」ではなく、役割分担を明確にし、専門の見地からどのようなゲームにしたいかを、議論しつつ昇華させてゲーム作りに生かすことが大事。以前新タイトルのレビューをした際、韓国市場をチェックしている人、エンジニアヘッドの人が過去の失敗談から注意点を教示したり、マーケティングの人間が最新のトレンドの情報を伝えたりと、多様なフィードバックが集まっている。
コア領域にフォーカス
Native Game作りそのものにフォーカスし、「データ分析してグラフ化するツール」や「テストビルドを社内に配布する仕組み」など、ゲームを作ること以外のサポートツールなどは自ら開発せず、世の中で配布・販売されているものを使用する、エンジニアやクリエイターは、自分たちにしかできない作業に専念することを徹底している。

■Mobile Native Gameはブラウザとコンソールの邂逅点


本スタジオが手がけるMobile Native Gameは、ブラウザゲーム、コンソールゲーム、そしてPCゲームなど、それぞれの良いところを吸収する面白いチャレンジができる最新のトレンドを持つプラットフォームであり、UX(ユーザー・エクスペリエンス)を突き詰め、新しい「驚き」や「遊び」を提供したゲームを作り上げて、グローバルでの大ヒットを成功させたいと、講演を締めくくった。
 





■「消滅都市」
 

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■『天と大地と女神の魔法』
 

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(c) Wright Flyer Studios, Inc.
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あわせて読みたい( 天と大地と女神の魔法消滅都市CEDEC 2014

企業情報(株式会社Wright Flyer Studios)

会社名 株式会社Wright Flyer Studios
URL http://www.wrightflyer.net/
設立 2014年2月
代表者 荒木英士
決算期
直近業績
上場区分
証券コード

企業情報(グリー株式会社)

会社名 グリー株式会社
URL http://www.gree.co.jp/
設立 2004年12月
代表者 田中良和
決算期 6月
直近業績 売上高924億5600万円、営業利益202億3300万円、経常利益250億900万円、当期純損益103億2200万円の赤字(2015年6月期)
上場区分 東証一部
証券コード 3632

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