【セガネットワークス発表会】国内最大級の規模に成長したマーケティング支援ツール「NoahPass」の事業戦略と4つの新展開


セガネットワークスは、9月25日に「セガネットワークス メディアカンファレンス2014 Autumn」を開催し、同社の提供するスマートデバイス向けアプリのためのマーケティング支援ツール『Noah Pass(ノア・パス)』の戦略と新展開について発表した。

カンファレンスでは、はじめに代表取締役社長CEOの里見治紀氏が登壇し、現状のセガネットワークスに加えて、『Noah Pass』のこれまでの成果を紹介した。

同社はセガのネットワーク事業を分割する形で2012年7月に設立された企業で、スマートデバイス(スマートフォンやタブレット)向けのアプリコンテンツを手掛ける。セガのソフト資産を活用した『ぷよぷよ!!クエスト』『ボーダーブレイク mobile』のほか、『チェインクロニクル』『キングダムコンクエスト』シリーズなどのオリジナルタイトルなどを提供。

現在国内だけで530名のスタッフを抱えており、日本の本社を中心に世界の拠点でゲームアプリを展開している。周知の通り国内では『チェインクロニクル』、『ぷよぷよ!!クエスト』のヒットはもちろん、多彩なアプリポートフォリオが奏功して売上を伸ばしている。なお、里見氏の予想ベースではあるが、直近となる第2四半期の売上は110億円に迫る勢いと見込んでいると明かした。
 

続いてマーケティング支援ツール『Noah Pass』の現状について。本ツールは、アプリ間の相互広告・送客を支援するサービスで約3年半前にスタートした。自社ゲーム内で他社ゲームの広告を掲載した場合、掲載回数と同じ回数を、相手のゲーム内で掲載できる仕組みという。現在では73 社、304本のアプリが本システムに参加し、利用者は6,800万人にも上るとのことだ。

■国内最大級の規模に成長した『Noah Pass』
※国内のみ 2013年8月 2014年9月
参加者数(申込済) 15社 73社
参加アプリ数 84 304
総ユーザー数 2,000万 6,800万
MAU 300万 900万
 

ここからは、セガネットワークスの上席執行役員 事業本部長の岩城農氏より、『Noah Pass』の本質と4つの新展開を発表し、今後のビジョン・戦略について説明した。岩城氏は『Noah Pass』の本質について、「無料」「効果的」「OPEN」であることを挙げた。「無料」は読んで字のごとくで、「効果的」は集客単価の低減や継続率/課金率の向上が実績として表れているようだ。「OPEN」とは、戦略制約は問わず、タイトル単位で参加できることにある。

また、今後のビジョンとして「異業種協業」にかじを切ると明かした。それぞれの専門分野を活かした効果的な交流リソース制約からの解放することをはじめ、単一企業では具現化できない取り組みの実現を目指すという。着地点として岩城氏は、「より多くの良質なコンテンツが提供される市場の実現」ともコメントした。

実際に今回紹介した4つの新展開は、岩城氏が掲げたビジョンに繋がった。ここからは『Noah Pass』に関する4つの新展開について解説した。

 

1. アマゾン ジャパン社とのコラボレーション


アマゾン ジャパンとともに、ゲームアプリの利用促進を図る施策を2014年10月より展開。

ひとつ目は、『Noah Pass』参加ゲームアプリに対し、アプリ内課金アイテムの購入金額に応じて先月から開始した「Amazon コイン(※Amazon Android アプリストアで使用できる仮想通貨)」がプレゼントされるなどのキャンペーンだ。本施策により、より多くのおユーザーにより深いゲーム体験が提供できるとのこと。

ふたつ目はアプリ配信用ポータルサイト「Amazon Android アプリストア」内に『Noah Pass』参加ゲームアプリの特集ページが設置されるもので、ユーザーが良質なゲームアプリに出会える環境を提供するという。発表では、アマゾン ジャパン アプリストア事業部事業開発部長の岡崎淳一氏が登壇し、ふたつの施策に対して期待を述べた。
 

 

2. ゲーム特化型クラウドファンディングサービス「クラウドライブ」の展開


フジテレビジョン、グーパとともに、ゲーム特化型クラウドファンディングサービス「クラウドライブ(Crowdrive)」を2014年10月末より展開(関連記事)。

本サービスは『Noah Pass』参加企業のゲームコンテンツを対象に、ゲーム提供開始時やゲーム内イベント開催時などにユーザーからの資金協力を呼びかけるもので、協力者にはゲームに関連した体験、該当ゲームのオリジナルグッズなどを贈呈するという。

スマートデバイス向けゲームアプリ市場の大半を占めるF2P(Free to Play)型のゲームにとって、ゲーム提供企業とプレーヤーとの継続的なコミュニケーションはサービスの拡大に欠かせない。本サービスは、『Noah Pass』参加の機会を創出するとのことだ。

発表では、フジテレビジョン 総合開発局統括担当局長の川口達也氏が登壇し、本サービスに対する期待や、同社としての協力について述べた。
 

 

3. リターゲティング広告の開始



岩城氏は、ゲームアプリのプレイを開始し、30日後も続けている方が10~20%である一方、一度離れたプレイヤーが再度同じゲームを遊びはじめた場合、約30%の方がゲームプレイを継続することが、セガネットワークを対象とした調査で分かったという。

6,800 万 ものゲームに親和性の高い方が存在する『Noah Pass』が、業界最大規模の広告在庫を持つfacebook広告やnex8 といったアドネットワークを活用することで、高い効果の期待できる「リターゲティング広告」メニューの提供するとのことだ。こちらは2014年冬より開始。

 

4. 白書『スマホゲームユーザー解体新書』発売/リサーチソリューション提供



セガネットワークスが約2 年に渡り行ってきた市場調査・分析に、自社タイトルのユーザーのプレイ動向データを突き合わせることで、スマホゲームユーザーを7つのタイプに分類。ゲーム会社だからこそできる、ゲーム運営に活用できるリアルな分析データを、『スマホゲームユーザー解体新書』として白書化。10月初旬に「Kindleストア」「iBooks」「Google Play ブックス」で発売予定。

また、このユーザータイプ分類データを元に、『Noah Pass』参加社に、それぞれのタイトル内のユーザー分布を可視化できるソリューションを提供するという。外部リサーチ会社にて集計・レポートを行うので、一切の情報を外に出すことなく、分析データを得ることができる。こちらは10月末提供開始予定。
 
 
 


セガネットワークスは、『Noah Pass』の展開を相互紹介機能を主にしたシステムから、非ゲームサービス、企業との提携などを通して拡大していくという。これにより、ゲームメーカーがより良質なゲーム開発に集中できる環境を拡充し、業界の発展に貢献していくことを考えている。


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株式会社セガ
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会社情報

会社名
株式会社セガ
設立
1960年6月
代表者
代表取締役会長CEO 里見 治紀/代表取締役社長COO 杉野 行雄/代表取締役副社長 内海 州史
決算期
3月
直近業績
売上高1916億7800万円、営業利益175億3900万円、経常利益171億9000万円、最終利益114億8800万円(2023年3月期)
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