App Annie Japan「ゲームアワード 2014年秋」を公開。2013年9月~2014年8月を振り返り、最も実績の高かった日本のゲームアプリを発表



App Annieは、「Japan App Annie ゲームアワード2014秋」と題して、2013年9月から2014年8月を振り返り、最も実績の高かった日本のゲームアプリを発表した。「App Annieアワード」は、アプリ市場の優れたデータであるApp Annie Intelligenceを元に編集しているという。

 

■ ロングセラー・アワード


ロングセラー・アワードは、App Annieの月間ランキングでTop 5にランクインした回数を元に選出。それぞれのゲームがどれだけ長い間パフォーマンスを維持できるかに着目している。


ガンホー・オンライン・エンターテイメント<3765>の『パズル&ドラゴンズ』は集計対象の12ヶ月間においてiOSとGoogle playの両プラットフォームで収益ランキングのTop5を維持し続け、リリースから2年以上経過しているにも関わらず隆盛を誇っている。それだけでなく、Google Playでは10回もダウンロード数ランキングのTop5にランクインするほど、新規ユーザーを獲得し続けている。

これに匹敵するのがコロプラ<3668>の『クイズRPG 魔法使いと黒猫のウィズ』。集計対象の12ヶ月間中、iOSの収益ランキングに11回、Google Playでは12回ランクイン。『パズル&ドラゴンズ』は2012年2月に『クイズRPG 魔法使いと黒猫のウィズ』は2013年3月にリリースされた。両者はともにRPGやカードゲームの要素とシンプルなパズル、カジュアルゲームの要素を組み合わせたものだが、ストーリーライン、バトル、キャラクターの成長、モンスター育成、カード収集など、様々な要素が豊富に織り込まれている。

このように豊かなゲーム性がプレイヤーが費やすプレイ時間を増やし、さらにはゲーム内課金の機会を生むことにもなっている。どちらのゲームも類似ゲームがまだ少なかった2012年後半から2013年前半にかけて大きく成長。

 

■ ファストムーバー・アワード


ファストムーバー・アワード(The Fast Mover Award)は、短期間で日別のダウンロード数や収益ランキングのTop5にランクインしたゲームを選出。ここでは、ゲームがいかに短い期間でダウンロードを得られていたかに着目。

『LINE POP』はiOS版のリリース当日にiPhoneランキングのトップに、Android版はリリース後3日目でGoogle Playのダウンロード数ランキングでトップとなった。また、Google Playではリリース後9日目で収益ランキングのTop 5に入っている。同じくLINEプラットフォームの『LINE:ディズニー ツムツム』はiPhoneランキングではリリース後2日目に、Google Playのランキングではリリース後5日目でTop 5に入っている。

2014年6月には『LINE サッカーイレブン』がリリース後4日目でダウンロード数ランキングのTop 5にランクイン。以上のように、ゲーム配信プラットフォームとしてのLINEの存在感が目立つ。公式発表によると、LINEの登録ユーザー数は2014年8月に世界中で4億9千万に達しているとのこと。


▲『LINE POP』はiPhoneの無料ダウンロードランキングでリリース初日に1位


▲『LINE: ディズニー ツムツム』はリリース後2日目でiPhoneストアのダウンロードランキング1位に

 

■ マネタイゼーション・アワード


マネタイゼーション・アワードは、日本のiOS App Store、Google Playにおいて、そのゲームのリリース日から累積した収益を累積のダウンロード数で割った値(1ダウンロードあたりの収益)が最も高かったゲームを選出。


ここでも『パズル&ドラゴンズ』が突出した存在でトップとなっていた。以降、『プロ野球PRIDE』や『戦国炎舞 -KIZNA-』が iOS App StoreとGoogle Playの両ストアで上位となっている。『パズル&ドラゴンズ』のほか、『プロ野球PRIDE』、『戦国炎舞 -KIZNA-』、『クイズRPG 魔法使いと黒猫のウィズ』、『ドラゴンリーグX』といったゲームが他のゲームよりも上回っている。

日本では、カードコレクションとロールプレイングのゲームが豊富なコンテンツを有しているため、他のジャンルよりも顧客生涯価値を増やしやすい傾向にあるとのこと。カジュアルゲームは、ダウンロード数を多く獲得できる一方、ユーザー一人あたりからの収益は少ない傾向にあるのだろう。

 

■ ワールドワイド・サクセス・アワード


ワールドワイド・サクセス・アワードは、日本のゲームが日本国外の収益、ダウンロード数ランキングで10位以内にランクインした回数を元に選出。ここでは、多くのパブリッシャーが戦略上の目標として考えている海外の成功に着目。


日本のゲームが海外で成功を収めるには大きく二つのパターンがあるという。ひとつは『パズル&ドラゴンズ』、『LINE レンジャー』、『LINE ポコパン』のように日本のポップカルチャーの影響にあるゲーム。その国のポップ・カルチャーが日本のポップ・カルチャーから大きな影響を受けているような台湾、タイ、インドネシアなどでは、多くの若者が自然とLINEでコミュニケーションを行い、ポコパンをしながら電車を待ち、パズドラで夜更かしをしているとのこと。

もうひとつのパターンは、『Knights & Dragons』や『Modern War』に代表されるように、日本のゲーム会社の海外スタジオや子会社によって作られるゲーム。これらのゲームは当初から北米やヨーロッパの市場向けに作られているため、文化の壁やローカライゼーションなどは問題にならないという。日本のパブリッシャーが世界中へ進出を図るのであれば、より多くの西洋向けゲームが作られていくことだろう。DeNAの海外スタジオによって作られた『Transformers: Age of Extinction』はその最新例のひとつで、中国、アメリカのほか、西洋諸国で多くのダウンロード数を獲得している。

 

■ トップ海外ゲーム・アワード


トップ海外ゲーム・アワードは、日本において累積での収益やダウンロード数の多かった海外パブリッシャーのゲームを選出。ここでは、どのような海外ゲームが世界で最も大きなゲーム市場である日本で成功しているのかに着目。



世界規模でも成功している『Clash of Clans』と『Candy Crush Saga』が日本でも人気。また、『Frozen Free Fall』と『Despicable Me』はそれぞれ、映画「アナと雪の女王」、「怪盗グルーのミニオン危機一発」のヒットが背景にある。海外市場で成功した強力なゲームブランドやIPの力があれば、独自の際立ったポップ・カルチャーを持つような国でも成功できることを示している。
 

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