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【寄稿】驚愕予算?! 中華圏にみるゲームの大規模プロモーション事例 vol.1 〜台湾編〜

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本稿は、スマホゲームの運用方法を分析するサービス「Sp!cemart(スパイスマート)」を手掛ける株式会社ワンオブゼムで海外事業を担当する取締役 張青淳氏による寄稿である。「Sp!cemart」は、日本国内のタイトルに加え、2014年9月よりアジア圏の人気タイトルの分析も始め、様々なサービスを提供している。同社の独自取材で得られた旬の現地情報を紹介する本シリーズの第1回目は、台湾の大規模プロモーション事例をピックアップする。

 

■台湾の国民的ゲーム『神魔之塔(Tower of Saviors)』とは


売上、会員数ともに台湾においてNO.1のスマホゲーム『神魔之塔(Tower of Saviors)』は、過去1年間で60億円以上のプロモーション予算を投下したといわれており、台湾で最大規模かつ大きく成功した事例として記録されている。本稿ではこの一連のプロモーションについて紹介するが、まずは本タイトルについて簡単に紹介しよう。

『神魔之塔』は、ガンホー社のパズルRPG『パズル&ドラゴン』(以下、パズドラ)によく似た構成のパズルゲームであり、香港を本拠地とするMad Head Limited(以下、Mad Head)が開発し2013年1月にリリース。たちまち台湾、香港のグロスランキング1位を獲得、1年を経た現在も首位をキープしている。台湾におけるユーザー数は1,100万を超え、月間売上は30億円前後といわれている。


出所:App Annie

 
▲ゲーム内画面、プレイ画面

プレイルールは『パズドラ』とほぼ変わらないが、古代ギリシアのコンセプトや画風が台湾ユーザーに受け入れられたと想定する。
 

▲Facebookコミュニティ

「いいね!」数累計約340万を超え、1回のポストで平均1.5万以上の「いいね!」がつき、後述する「女神企画」からの送客もあって定期的にファンを増やしている。


 

■『神魔之塔』のプロモーション実例


■オフラインに頼るマーケティング手法
プロモーション展開について触れる前に、台湾におけるスマホゲームのマーケティング事情について解説する。ユーザー獲得のためのネット広告に限定すると、質量ともに効果が望めるのがFacebookADであり、モバイルゲームでは1ダウンロード(DL)獲得当たり費用は300〜600円。

そのほか、ブーストや純広告、予約サイトも選択肢にあるが、総じて獲得数が少なく、ネット広告だけで100万DLを達成するのにどんなに予算をつぎ込んでも3ヶ月以上かかるのが現状である。

一方TVCFに目を向けがちだが、台湾のテレビチャネルは50以上、絞り込みが難しく効果もまちまち。またNCC(国家通信伝播委員会)による番組内宣伝の制約が厳しく、日本のようなプロダクトプレイスメント型広告はほぼ不可能。多くの広告主は自然とオフライン広告とバズマーケティングにシフトし、スマホゲーム関連の出稿においてはオフライン広告のほうが6割以上占めるのが現状なのだ。


■『神魔之塔』マーケティングのポイント
1) プロモーションKPIは「ターゲットユーザーが1日に目に触れた回数」
2) メディアへの積極的な露出や斬新な手法による話題作り
3) インフルエンサーの最大化
4) ネット広告はFacebookを重視するも一通り実施し、よいメニューは継続

Mad Headはユーザー継続率や課金率などには自信があったようで、リリース当初から数十億円の予算を拠出したといわれている。その結果、8ヶ月で1,000万DLを突破し、リリース数ヶ月後にはプロモーション費を加味しても大きく利益を出していると筆者は推測する。


■『神魔之塔』が実施してきたプロモーションとは
■2013年1—7月
ネット広告を投下し、LTV、継続率の実力値を確認

■2013年7月
台湾人気女優 陳妍希(ミッシェル・チェン)を起用し、男性ユーザーの獲得に注力。TVCF、交通広告など大々的に行った。YouTubeにTVCFが公開され、当時の台湾YouTube最高視聴数600万回を記録。
 

■2013年7−10月
陳妍希をメインキャラクターとした交通広告を展開。台北、高雄、台中など主要都市全エリアのバス、地下鉄を同時ジャック。
 
 

■2013年7−10月
陳妍希を全面に打ち出した各種イベントを開催
 
 

■2013年12月
「香港湾に浮かぶ巨大アヒル」として世界的に有名な「B Duck」とコラボした巨大クリスマスツリーを台北の原宿こと「西門町」に設置、周辺の街頭広告を全面ジャック。「B Duckコラボツリー」は多くのメディアが報道した。
 
 
 

■2014年1-2月
30万人以上が来場する台湾最大のゲームショーでは、全ブースの30%にあたる300ブースを確保、過去最大規模の出展者となった。リアルステージ「神魔コロシアム」を設置し連日芸能人イベント、対戦イベント、コンサートなどを展開、約20万人に接触したといわれる。

この台北ゲームショーにあわせて「神魔女神コンテスト」を開催。事前選出のモデルがキャラクターとなり、Facebook上でファン投票を募った。選ばれた15名の女神は、トップは50万人、平均20万人のファンが付き、『神魔之塔』の宣伝塔として現在も活動を続けている。ゲームショー当日はコンテストの結果発表が行われ、多くの男性ファンを沸かせた。
 
 

■2014年5月
ディズニーとタイアップ、香港ディズニーランドや映画と連携し、アトラクション乗車券や映画上映券の半券とゲーム内通貨が交換できる企画を大々的に実施した。下部の写真は香港ディズニーランドおよびその周辺。
 




▲ゲーム内コイン交換

■2014年6月
1,000万DLを超えた頃、休眠ユーザー呼び戻しや女性ユーザー獲得のため韓国アイドルグループBIGBANGをイメージキャラクターに起用。
 
 
▲台北、高雄など主要都市における交通・街頭広告ジャック
 

▲BIGBANG起用のTVCF、各チャネル一斉放送。YouTube視聴数387万回。

■2014年8月
台北アリーナにてコンサート実施、台湾の有名歌手6組が出演し、観客3万人を動員した。チケット(約3,000円)は即日完売し、イベント費用は優に賄えたと想定される。下部写真はコンサートの告知広告。
 
 

なお、幕間ではゲーム内の「宝石」の抽選が行われ、ファンは大歓喜。
 
 

コンサート会場で用意された特別ステージでは、コアユーザー同士のゲーム対戦が行われ、巨大スクリーンに映し出される連続コンボなどに、会場は大いに沸き上がった。
 



 

【後記】アジアの中でも日本勢が最も進出しやすい国、台湾


台湾は人口2,500万人と他のアジア諸国に比べ少ないが、オンラインゲームユーザー数は1,700万人、Facebookユーザー1,500万人、LINEユーザー1,700万人という数値から見ると、ネットサービスの浸透度がずば抜けて高い国である。また親日派として知られ、60歳以上の多くの国民は日本語が話せ、日本のTV番組は翌日にはケーブルTVで放映されたり、ファッションブランド、漫画、アニメ、芸能人が大流行したりと、年齢の壁なく日本文化に馴れ親しんでいる

ゲームにおいては日本語表記のままでもランクインするなど、他国では見られない現象も。さらにゲーム内のガチャ、セールなど日本ならではのスキームも認知され、日本と変わらない運用でもある程度の成功がおさめられると考えられる。

台湾最大のゲーム情報サイト「gamer.com.tw」の人気ランキングに日本6タイトルがランクイン。3位『パズル&ドラゴンズ』、4位『チェインクロニクル』、6位『テラバトル』、7位『メルクストーリア』、8位『モンスターストライク』、9位『ブレイブフロンティア』の面々。



台湾が日本勢にとっても一つの有望なマーケットであることは仮説として有力であろう。現地ならではの大規模オフラインプロモーション事例を紹介したが、進出・成功の考察の契機となったら幸いだ。
 

■著者 : 張 青淳(ちょうせいじゅん)
2003年国内大手インターネット企業に入社。投資事業部門に所属、中国での投資事業の立ち上げに関わり、約7年に渡る上海駐在の間、中国・ 台湾・香港など、中華圏のベンチャー投資活動を行う。2013年モバイルゲーム開発の株式会社ワンオブゼムに参画、取締役就任。ゲーム運営部門の責任者を経て現在海外事業および新規事業開発担当。主力事業「Sp!cemart」や国内外のゲーム企業へのソリューション提供を手掛ける。

株式会社ワンオブゼム:http://oneofthem.jp/
Sp!cemart:http://oneofthem.jp/apps/spicemart/
Sp!cemartに関するお問い合わせ
メール:spicemart@oneofthem.jp
電 話:03-5919-1181
担 当:高橋 遥人(たかはしのりひと)
 
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企業情報(株式会社ワンオブゼム)

会社名 株式会社ワンオブゼム
URL http://oneofthem.jp/
設立 2011年1月
代表者 武石幸之助
決算期 12月
直近業績 非公開
上場区分 非上場
証券コード

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