任天堂、15年3月期の経常益予想を350億円→500億円に増額 為替差益の発生が主な要因 3DSの販売見通しは下方修正

任天堂<7974>は、この日(1月28日)、2015年3月期の連結業績予想について、経常利益の従来予想の350億円から500億円、最終利益を200億円から300億円に引き上げた。従来予想からの修正率は、経常利益が42.9%増、最終利益が50.0%増となる。

同社では、昨今の為替相場の状況を勘案し、前提レートをドルは1USドル100円から115円、ユーロは1ユーロ140円から130円に見直したことより、経常利益、最終利益が予想を上回る見込みになったため、と説明している。

ただ、本業の厳しい状況が続いている。売上高は5900億円から5500億円、営業利益も400億円から200億円に引き下げた。第3四半期までの販売実績とその後の状況を踏まえた結果、売上高及び営業利益が当初の想定を下回る見込みになったという。

 


同社の決算短信によると、ニンテンドー3Dハードの販売予想台数を1200万台から900万台に、ソフトの販売本数を6700万本から6100万本に引き下げた。ただ、WiiUについては、ハードを360万台の据え置き、ソフトを2000万本から2500万本に引き上げている。

 



■第3四半期は増収・営業黒字に

なお、同日発表した第3四半期(2014年4~12月期)の連結は、売上高4429億円(前期比11.3%減)、営業利益316億円(黒字転換)、経常利益923億円(同66.2%増)、最終利益595億円(同483.7%増)だった。

 


ニンテンドー3DSでは、国内においてハードウェアの新しいラインアップとしてNewニンテンドー3DS及びNewニンテンドー3DS LLを10月に発売し順調に推移したものの、Newニンテンドー3DSとNewニンテンドー3DS LLの発売がなかった欧米市場におけるハードウェア全体の販売数量が伸びなかった、としている。ハードウェアの販売数量は708万台だった。

ソフトウェアは、『ポケットモンスター オメガルビー・アルファサファイア』が935万本、『大乱闘スマッシュブラザーズ for ニンテンドー3DS』が619万本の大ヒットを記録したほか、『トモダチコレクション 新生活』、『マリオカート7』、『ポケットモンスターX・Y』なども順調に売上を伸ばした。さらにサードパーティーのヒットソフトが国内で複数生まれたこともあり、ソフトウェアの販売数量は5,304万本となった。

Wii Uでは、リビングルームで多人数が楽しめるタイトルである『マリオカート8』と『大乱闘スマッシュブラザーズ for Wii U』を発売し、全世界でそれぞれ477万本、339万本を販売する大ヒットとなった。これにより、販売数量はハードウェアが303万台、ソフトウェアが2059万本となった。

こちらでも為替相場の円安がプラスに働いており、営業外収益に為替差益が510億円発生したとのこと。
任天堂株式会社
http://www.nintendo.co.jp/

会社情報

会社名
任天堂株式会社
設立
1947年11月
代表者
代表取締役社長 古川 俊太郎/代表取締役 フェロー 宮本 茂
決算期
3月
直近業績
売上高1兆6016億円、営業利益5043億円、経常利益6010億円、最終利益4327億円(2023年3月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
7974
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