【ポケラボ前田社長インタビュー】ポケラボがセガネットワークスとの強勢布陣で挑む渾身の新プロジェクト『ポイッとヒーロー』。「ランキングTOP5を目指す」


ポケラボが隠し球を用意していた。同社は、今春、スマートフォン向けに、リアルタイム協力型のタワーディフェンスゲーム『ポイッとヒーロー』の事前登録を開始する。「ポイッと」という擬態語がキーワードのゲームアプリで、これまでのポケラボタイトルとは一味違うゲームとなっている。今回、同社代表取締役社長の前田悠太氏にインタビューを行い、『ポイッとヒーロー』を紹介してもらうとともに、本作にかける思いを語ってもらった。



■リアルタイム協力型のタワーディフェンスゲーム

―――:気になるゲームの内容ですが、どういったゲームなのでしょうか?

『ポイッとヒーロー』は、「ポイッ」という擬音語のようなイメージで、キャラクターである「ヒーロー」を操作して遊ぶアクション性の高いリアルタイム協力型のタワーディフェンスゲームです。1人でも、もちろんですが、最大4人まで同時に参加して遊ぶことができます。当社としては『クロスサマナー』に続くフルネイティブアプリ第2弾となります。

―――:「ポイッと」ですか。

本ゲームは、単にキャラクターをステージに配置して、攻めてくる敵を撃退していく、一般的なタワーディフェンスゲームとは異なります。画面下のヒーローを選んで、まさに、「ポイッ」と出すようにフリックしてステージ上に配置するところがポイントです。ヒーローの移動や攻撃回避などの時も同様、「ポイッと」フリックして再配置します。また一般的なタワーディフェンスゲームとは少し異なり、ステージの妙、ヒーローの配置、協力の役割、マナ(体力)の利用の仕方などなど、深い戦略性が要求されます。

ゲームモードには、マルチプレイとソロプレイの2種類があり、マルチプレイは、最大4人まで参加できます。1人につき、5人のヒーローで構成するパーティーを作り、最大20人のヒーローたちが協力して戦います。

 
※画像はすべて開発中のものです 



■マルチプレイのためにシングルプレイを楽しむ

―――:ゲームのサイクルはどういった形になるのでしょうか。

ソロプレイで、自分のヒーローを育成しながら、ミッションをこなして、ステージの特徴やチームの作戦に合わせたパーティーを編成していきます。そして仲間と集まってマルチプレイに挑む、といったサイクルです。

また、マルチプレイは、特定の時間に集まって遊ぶのではなく、好きな時間に集まって遊ぶことができます。マッチングは、知り合い同士で組むか、知り合いがいない場合はランダムでマッチングする方式のいずれかとなります。


―――:バトルは自動的に行うのですか?

はい。敵が攻撃範囲に接近してきたら自動的に攻撃してくれます。プレイヤーの操作する要素は、さまざまな特性をもったヒーローたちの各々の特性を活かした配置を考えたり、ヒーローの持つ必殺技を発動させることです。必殺技は、あるヒーローを他のヒーローの上に「ポイっと」重ね合わせることで発動します。
 
【ソロプレイの模様】
※画像はすべて開発中のものです 



■マルチプレイならではの奥深さを体感してほしい

―――:ゲームの概要はわかりました。ゲームの面白さはどういった点にあるでしょうか。

お客様には、マルチプレイならではのタワーディフェンスの奥深さを楽しんでもらえれば、と考えています。巨大ボスも含めて、敵やステージのバラエティが豊富で、戦略性が問われます。そして、友だちとともに、誰がどういう役割で戦いに挑むのか、役割分担も重要になります。仲間で集まって一緒にワイワイ楽しめると思います。

―――:ゲーム画面を拝見して思ったのですが、録画した動画を共有しても楽しそうですね。

リリース時点から入れる予定です。クリエイティブも動画共有を前提にしています。例えば、バトル中に表示するアイコンやボタンをできるだけ少なくしました。また、巨大ボスも画面いっぱいに表示して、動画として映えるようにしました。マルチプレイを振り返ったり、煮詰まった時の攻略法を探したりするだけでなく、他のプレイヤーのプレイスタイルなどを発見することができます。動画を活用することでお客様の遊び方はさらに広がるはずです。

―――:技術的に大変だったところ、こだわったところはどういった点にあるでしょうか?

技術的にこだわったのは、やはりマルチプレイですね。このゲームでは、同時にプレイヤー4人でアクションを行いますので、インフラへの負荷が非常に大きく、サービスを安定して提供するのは、当社としてもチャレンジングな仕事でした。この点に関しては親会社であるグリーからの技術的な支援を受けています。現在、デバッグに入っており、負荷テストを多彩な形で行っている状況です。万全な形でサービスを開始したいと考えています。



■『クロスサマナー』で得たノウハウを活かす
 

―――:そういえば、御社単独での開発・リリースとなるのでしょうか?

いえ、今回、セガネットワークさんとの合弁会社SPG laboで開発し、パブリッシャーは当社となります。ゲームの深い作り込みを得意とするセガさんと、スマートフォンアプリでのソーシャル性やマルチプレイに強いポケラボの双方の強みを活かした意欲作です。

―――:『クロスサマナー』は、御社としてフルネイティブアプリ第1弾とのことでしたが、ここで培った経験は第2弾でどう活かそう、活かせていると考えていますか?

大きく3つあります。『クロスサマナー』は、当社としてフルネイティブアプリの第1弾タイトルでした。リリース時のお客様の反響も大きく、自分たちのクリエイティブに対して自信を持っていいと感じました。第2弾でもゲームの企画だけでなく、キャラクターやアニメーション、サウンドまで自信を持って臨めます。

2つ目はマーケティングの面でも得たノウハウを活かしていくことです。事前登録の際に行った「ファミコン世代集まれ!懐かしの裏ワザ入力キャンペーン」や、年末にニコ生で行った「クロサマ感謝祭24時間生放送」など、お客様とコミュニケーションを取りながらゲームを認知・進化させていくノウハウを獲得できました。

そして、3つ目は、運用の基盤です。『クロスサマナー』で課題だと思ったのは、十分なコンテンツを用意して運用すること、そして運用を意識して開発することでした。アップデートしやすいアプリとして開発するだけでなく、リリース時点で運用開始後のアップデートを準備することも重要です。




■アプリストアTOP5が目標

―――:違うとわかっていても、実際にやってみないとわからないですからね。得たものは大きかったと。今後のマーケットにおいて、本作をどう位置づけますか?

今後の日本のアプリマーケットは、バラエティが増えるとともに、一定のリッチ化が進んでいくとみています。さらにスマートフォンで遊ぶゲームとして、「みんなでやると面白い」というリアルタイム性やソーシャル要素の重要性も増していくでしょう。

そういう意味で、ソーシャル要素の強いミクシィさんの『モンスターストライク』が大ヒットしたことは、マーケットの変化を象徴的に示しているように思います。そのなかで『ポイッとヒーロー』は、マルチプレイ型のタワーディフェンスの代名詞的な存在になりたいと考えています。多くのお客様から長く愛されるゲームになってほしいです。


―――:アプリストアでのランキングの目標はありますか?

アプリストアの売上ランキングではトップ5を狙いたいです。

―――:海外での展開も考えていらっしゃるのでしょうか?

もちろんです。中華圏、韓国、欧州英語圏でのリリースも視野に入れております。すでに海外のパブリッシャー様にも見せており、ゲーム内容には非常に驚かれています。当社では既に3年前から海外版リリースを様々なタイトルでしており、例えば『栄光のガーディアンバトル』は、海外でも提供していますが、海外の売上のほうが圧倒的に大きいんです。138の国・地域で配信しており、フランスやドイツではアプリストアの売上ランキングで上位に入っています。主要地域におけるリリースの仕方もわかってきました。この海外展開のノウハウも活かしたいですね。

―――:ところで、フルネイティブの開発を始めたのはいつ頃だったのでしょうか。

ポケラボとして、フルネイティブにシフトし始めたのは2013年の夏からとなります。グリーがネイティブアプリの開発体制を1,000人にすると発表しましたが、当社は先んじてフルネイティブにシフトしました。昨年後半から大きく開発へ振り切り、現在ではポケラボの全クリエイターの8割超がフルネイティブアプリの開発に携わっています。特にこの半年間、様々な教育も強化し、主力だったガワネイティブから思い切り新規開発に振り切った勝負の体制にしました。第1弾が『クロスサマナー』、第2弾が『ポイッとヒーロー』となります。具体的なリリース本数は申し上げられませんが、プリプロダクションや企画もどんどん上がっており、今後も順次挑戦的なタイトルを出していく予定です。弊社メンバーは皆、自分が楽しいと思える作品を魂込めて創っていますので、どうぞご期待ください。

―――:ありがとうございました。
 
(編集部 木村英彦)


■関連サイト

コーポレートサイト




©Pokelabo / ©SEGA / ©SEGA Networks All Rights Reserved. 
株式会社ポケラボ
http://pokelabo.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社ポケラボ
設立
2007年11月
代表者
代表取締役社長 前田 悠太
企業データを見る