【ミクシィ決算説明会】『モンスト』売り上げは3Q(10~12月)で300億円突破、4Qは400億円見込む…「中国の立ち上がりは北米と韓国上回る」


ミクシィ<2121>は、2月6日、東京都内で決算説明会を開催した。同日発表した2015年3月期の第3四半期(4~12月)連結決算は、売上高682億円(前期比10.7倍)、営業利益299億円(前年同期5億円の赤字)、経常利益299億円(同6億円の赤字)、四半期純利益191億円(同15億円の赤字)となり、驚異的な増収、そして大幅な黒字転換を達成している。『モンスターストライク』の売り上げは、第3四半期期間(10~12月)で300億円を突破、続く第4四半期には400億円を見込むなど、現時点でその成長速度に陰りは見られない。その『モンスターストライク』の伸びを背景に第2四半期決算の発表時に開示した2015年3月期通期の予想についても、早くも上方修正が発表された。

決算説明会では、まずは萩野泰弘取締役が財務状況を説明、続いて森田仁基代表取締役社長(写真)が事業状況の説明を行った。その後に行われた質疑応答の内容も踏まえつつ、会見の様子をまとめてみた。
 

■QonQでも売上高49.8%増、営業利益60.7%増と大幅増収増益に


荻野泰弘取締役が説明を行った財務状況は、前四半期比(QonQ)ベースの説明で進行。第3四半期期間(10~12月)の売上高は333億円(前四半期比49.8%増)、営業利益155億円(同60.7%増)、経常利益156億円(同61.1%増)、四半期純利益100億円(同62.6%増)とQonQでも大幅な増収増益を達成した。その最大のけん引役は、やはり前述の『モンスターストライク』の同期間の売上高300億円突破ということになる。
 


一方、売上原価は引き続き『モンスターストライク』に係る外注費が増加。販管費も同様に『モンスターストライク』の売り上げ増に伴い、AppleやGoogleに支払う決済手数料が増加した。なお、後の質疑応答で話題となったが、決済手数料は売り上げの30%という構造となっており、コンテンツ事業の売上高の伸びに比例する形で増加していく。また、広告宣伝費も増加したが、これは年末の大規模プロモーションの影響によるものだ。
 

 

■中国は北米、韓国より早い立ち上がり 累計利用者数は国内1800万人、海外500万人


続いて、森田仁基社長が各事業の状況の説明を行った。多くの時間が割かれたのは、やはり『モンスターストライク』の近況を含むコンテンツ事業となるが、まずはその『モンスターストライク』の世界累計利用者数が2300万人を突破した(2015年1月31日時点)。なお、この数字の国内外別の数字については、「国内が1800万人、海外500万」(森田社長)という内訳になるという。また、海外が11月から12月にかけて大きく伸びているが、これは中国展開において、「パブリッシングを行っているテンセント社がかなり力を入れたプロモーションを実施したことによるもの」(森田社長)で、「中国は、北米や韓国より早い立ち上がり」(森田社長)とのことだ。
 

国内のプロモーションについては、4人で遊ぶと楽しいという協力プレイに特化したプロモーションを展開。「ちょっと珍しいところではスキー場や雪まつり会場」(森田社長)といった季節を踏まえた場所でも実施した。なお、荻野取締役の説明でも話が出た通り、年末年始には駅広告などの大規模広告の展開も全国で行っている。
 

直近のタイアップ展開では映画公開を記念して「寄生獣」(関連記事)、「ミュータント・タートルズ」(関連記事)とのコラボを実施。特に「ミュータント・タートルズ」についてはコラボTVCMを放送するなど、プロモーションも絡めた取り組みも行っている。

また、マーチャンダイジング展開では、攻略本が累計100万部を突破。今春には初の公式マガジン「モンスターマガジン」の発行を予定しており、2月5日よりその準備号を発売している(関連記事)。
 

■『モンストスタジアム』、アーケードゲーム、卓上ゲームはいずれもPvPがメイン


イベントについては「闘会議2015 GAME PARTY JAPAN 2015 ~ゲーム実況とゲーム大会の祭典~」に、「モンスト”超絶”闘技場」ブースを出展。「試遊コーナー」では、前回の決算発表時に電撃的に発表された『モンストスタジアム』のテスト版や、今春稼動予定のアーケード版『モンスターストライク MULTI BURST』、2月28日発売予定の卓上ゲーム『モンスターストライク リアルディスクバトル』が出展されていたが、「試遊コーナーは、最長3時間程度の行列ができた」(森田社長)という好評ぶりだったようだ。

なお、『モンストスタジアム』、『モンスターストライク MULTI BURST』、『モンスターストライク リアルディスクバトル』のいずれも従来の共闘・協力プレイではなく、「PvPをメインにしたゲーム」(森田社長)とのことだ。
 

 

■台湾は「本格的なプロモーション実施」となるPhese3に移行へ


海外展開の状況については、同社は日本国内と同様に「機能改善・運用体制強化」を行うPhese1、「協力プレイの訴求」を行うPhese2、「本格的なプロモーション実施」となるPhese3という段階を踏んでいく方針という。先行してスタートした台湾は、第3四半期期間は屋外広告や交通広告など大規模広告を多数掲載し、「協力プレイの訴求」というPhese2を展開。2月よりTVCMの放映を予定するなど、Phese3に移行していく段階にあると説明した。

また、北米と韓国は、サービスの提供開始に伴い、北米ではローンチパーティ、韓国では記者会見を開催。現在は友人同士の協力プレイを訴求するプロモーションをオンライン広告で展開するなど、Phese2に入ってきた段階と言えそうだ。

なお、中国については、前述の通り、テンセント社がかなり力を入れたプロモーション展開を行っているとのことで、ゲーム内でも初のオリジナルイベントとなる「三国志」イベントが実施されたという。
 


 

■インフィード型ネイティブ広告「SmartNews Ads」は昨年12月よりサービス開始


SNS「mixi」を中心としたメディア事業では、引き続き「mixi」の10周年企画(コンテンツ)を提供しているほか、アカウントの追加登録機能の試験提供を開始した。また、8月にスマートニュース社と資本業務提携し、インフィード型ネイティブ広告「SmartNews Ads」を開発。2014年12月より正式にサービスを開始している。

また、ライフイベント事業は、フォトブック事業「nohana」で提供した「ノハナ年賀状2015」の売り上げが100万枚を突破した。
 
 

■修正予想にはリリース済みの海外すべてを含む


なお、同社は第2四半期決算の発表時に開示した2015年3月期通期の予想の上方修正を発表。これは「足元の第4四半期の『モンスターストライク』の売り上げが400億円突破する見通し」(森田社長)となったことを受けてのもの。2015年3月期の予想は売上高1100億円(前回予想1000億円、前期比9.0倍)、営業利益500億円(同450億円、同104.1倍)、経常利益500億円(同450億円、同190.1倍)、当期純利益320億円(同290億円、前期実績2億2700万円の赤字)となる見通し。
 

また、期末配当予想についても修正を発表しており、従来予想の49円から56円へと引き上げられている。なお、同社は第2四半期末に23円の配当を実施しており、年間では72円から79円に上方修正されたことになる。

業績予想については、前回発表の予想では、海外について台湾版のみを含んだ予想となっていたが、今回発表された修正予想は「現在リリース済みの海外すべて含む」(荻野取締役)ものとなっているとのこと。

ちなみに、発表された修正予想と第3四半期実績から計算した第4四半期期間(1~3月)の業績予想は、概算で売上高が417億円(前四半期比25.3%増)、営業利益は200億円(同28.9%増)、経常利益は200億円(同28.0%増)、四半期純利益は128億円(同28.7%増)となる。
 
(編集部:柴田正之)

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株式会社MIXI
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会社情報

会社名
株式会社MIXI
設立
1997年11月
代表者
代表取締役社長 木村 弘毅
決算期
3月
直近業績
売上高1468億6700万円、営業利益248億2000万円、経常利益182億5000万円、最終利益51億6100万円(2023年3月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
2121
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