新規上場企業の紹介…モバイルファクトリー(東証マザーズ・3912)

ソーシャルアプリサービスやコンテンツサービスなどモバイルサービス事業を展開するモバイルファクトリー<3912>が3月26日、東証マザーズに新規上場する。

同社は、2001年10月に有限会社モバイルファクトリーとして設立。着信メロディASPサービス「melop♪」や着信メロディカード「メロプレ」など着信メロディを展開した。その後、2009年12月にソーシャルアプリサービスを開始し、2011年3月には位置情報連動型ゲームに参入。GREE Platformで位置情報連動型ゲーム『駅奪取』の提供を開始した。

現在の事業は、ソーシャルアプリサービスとコンテンツサービスの多く2つに分類される。ソーシャルアプリサービスでは、SNSプラットフォ-ムやアプリマーケットなどを通して、主にゲームアプリを中心に配信するサービスを展開しており、「位置情報連動型ゲーム」と「スマートノベル」を主力としている。「位置情報連動型ゲーム」では、前述の『駅奪取』の流れを汲む『駅奪取PLUS』のほか、『ステーションメモリーズ!』を展開している。「スマートノベル」は、健全なラブコメ的シナリオのノベルゲームを手掛けており、『おかえりなさいご主人様!!』や『恋Q部!』『俺の彼女が2人とも可愛すぎる!』などを提供している。

一方、コンテンツサービスは、主に通信キャリアが運営するメニューに着メロや占い等のサイトを提供しており、自社で直運営する自社モデル形式と他社の名義で運営するOEMモデル形式で事業を展開している。2015年1月末日現在で、スマートフォンサイト5本、フィーチャーフォンサイト50本を運営しているが、市場全体の流れ通り、フィーチャーフォンの有料会員数は減少し、スマートフォンの有料会員数は増加傾向にあるという。

続いて業績面を見てみると、2011年12月期にやや業績が凹んでいるが、その後は比較的順調な成長トレンドが続いていると言えるだろう。なお、2014年12月期は売上高こそ微減となるものの、経常利益は前年同期比52.5%増と大幅増益を達成している。なお、ソーシャルアプリサービスとコンテンツサービスの全体売上高に占める比率は、分かっている最新の数字である2014年12月期の第3四半期までの実績で、ソーシャルアプリサービスが41.1%、コンテンツサービスが58.9%となっている。
 
【モバイルファクトリーの売上高の推移(単位:百万円)】


【モバイルファクトリーの経常利益の推移(単位:百万円)】

※14年12月期は実績見込み、15年12月期は予想(ともに会社発表)
※グラフは有価証券届出書および会社側発表資料より作成

上場に伴う手取り概算金は、2億9403万6000円となる見通し。これに第三者割当の手取概算額1億6519万5000円と合わせた調達資金の使途は以下の通り。

①位置情報連動型ゲーム及びスマートノベルの新規アプリの開発費用として3億4000万円(2015年12月期:1億4000万円、2016年12月期:1億円、2017年12月期:1億円)を充当予定。

②ソーシャルアプリサービス及びコンテンツサービスの運営中サービスの売上を拡大するための外注費として3000万円(2015年12月期:1000万円、2016年12月期:1000万円、2017年12月期:1000万円)を充当予定(スマートノベルにおけるイベントのシナリオ等の外注費、位置情報連動型ゲームの新規キャラクター追加のためのイラストの外注費、コンテンツサービスにおける着メロ楽曲増加に対応する外注費)。

③ソーシャルアプリサービスのうち新規にリリースする位置情報連動型ゲームの広告費として3400万円(2015年12月期:800万円、2016年12月期:1300万円、2017年12月期:1300万円)を充当予定。

④各サービスの安定した運営のためにサーバー機器購入費用として4800万円(2015年12月期:1600万円、2016年12月期:1600万円、2017年12月期:1600万円)を充当予定。

残額については、優秀な人材確保のための採用及び研修費用に充当される予定。

なお、上場時発行済み株式228万2250株と有価証券届出書提出時における想定発行価格1340円から計算した想定時価総額は、30億5821万5000円となる。


〈業績予想〉
注)単位は百万円。2014年11月19日付で1対50株の株式分割を実施しており、一株利益は分割修正を考慮した数字


〈会社概要〉
本社=東京都品川区東五反田一丁目24番2号
URL=http://www.mobilefactory.jp/
代表取締役社長=宮嶌 裕二
設立=2001年10月1日
発行済株式数=228万2250株(上場時)
資本金=2億2450円(2015年2月20日現在)
大株主=宮嶌裕二113万9300株(54.89%)、オプト82万2400株(39.62%)、角家弘志2万5000株(1.20%)、SBIホールディングス2万5000株(1.20%)、Jトラスト2万株(0.96%)、モバイルファクトリー従業員持株会1万2650株(0.61%)、深井未来生1万500株(0.51%)、宮井秀卓5400株(0.27%)、みずほ証券5000株(0.24%)、みずほキャピタル1000株(0.05%)、木村岳文1000株(0.05%)、四條裕樹1000株(0.05%)、阿部正浩1000株(0.05%)、小泉啓明1000株(0.05%)、石澤浩子1000株(0.05%)、石川陽泉1000株(0.05%)、馬場麻友1000株(0.05%)


〈上場要項〉
公開株式数=108万1000株(公募=24万5000株、売出し=70万2000株、オーバーアロットメントによる売出し=13万4000株)
仮条件=1310円~1410円
ブックビルディング期間=3月10日~3月16日
公開価格=3月17日決定予定
申込期間=3月19日~3月24日
払込期日=3月25日
売買単位=100株
主幹事証券=SBI
監査法人=有限責任あずさ監査法人
 
(編集部:柴田正之)
株式会社モバイルファクトリー
http://www.mobilefactory.jp/

会社情報

会社名
株式会社モバイルファクトリー
設立
2001年10月
代表者
代表取締役 宮嶌 裕二
決算期
12月
直近業績
売上高33億7000万円、営業利益9億4500万円、経常利益9億4000万円、最終利益ゼロ(2023年12月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
3912
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