1~3月決算発表シーズンがいよいよ本格化…ミクシィvsガンホーの逆転なるか!? 任天堂と提携のDeNAや上場後初決算のAimingにも注目

今年も2015年1~3月期の決算発表シーズンがまもなく本格化する。今回、本決算を迎えるのは3月期決算の企業で、大手ゲームメーカーが軒並み本決算発表となるほか、ミクシィ<2121>、ディー・エヌ・エー(DeNA)<2432>、マーベラス<7844>、ドリコム<3793>、クルーズ<2138>なども本決算を発表する。

名前を並べてみると、非常に注目度が高い印象だ。『モンスト』の現状に注目が集めるミクシィ、任天堂<7974>との資本・業務提携発表後の初決算となるDeNA、『剣と魔法のログレス いにしえの女神』が累計600万ダウンロードを達成するなど好調なマーベラス、子会社グリモアの『ブレイブソード×ブレイズソウル』が好スタートを切ったドリコム、『ファイナルファンタジーグランドマスターズ』の開発を担うクルーズとそれぞれ好材料を抱えている。

もちろん、大手ゲームメーカーや、そのほかの6月、9月、12月が本決算の企業にも注目されるべき企業は多い。例えば、大手ゲームでは前述の任天堂はもちろん、4月1日から新体制がスタートしたセガサミーHD<6460>やバンダイナムコHD<7832>の打ち出す今後の成長戦略にも注目したい。

さらに、上場後初の決算発表(第1四半期決算)となるAiming<3911>とモバイルファクトリー<3912>、第2四半期決算組ではサイバーエージェント<4751>やコロプラ<3668>、そして事前の日経新聞の業績観測記事で3割の減収減益見通しが報じられた(関連記事)ガンホー<3765>の第1四半期の状況などもしっかりと確認しておきたいところだ。

なお、Social Game Infoでは、この決算発表シーズンも決算記事を随時更新していくほか、決算説明会のレポートも引き続き、リソースの許す限り行っていく方針だが、まずはこの決算発表シーズンの発表予定スケジュールと主な注目企業をいくつか取り上げてみた。
 

【注目企業①】ミクシィ<2121>(発表日:5月12日)


第3四半期決算発表時に開示した2015年3月期通期の予想は、売上高1100億円(前期比9.0倍)、営業利益500億円(同104.1倍)、経常利益500億円(同190.1倍)、当期純利益320億円(前期実績2億2700万円の赤字)。これを基に第4四半期期間(1~3月)の業績予想を算出すると、売上高が417億円、営業利益は200億円となり、先日、日経新聞の観測記事(関連記事)で報じられたガンホー<3765>の1~3月期の連結業績である売上高360億円、営業利益190億円前後を上回ることになる。はたして、実際に両社の逆転劇が実現するのかどうか、非常に注目される。また、第3四半期決算発表時点ではやや伸び悩んでいた印象がある海外展開がその後どうなっているのかも注目のポイントだろう。
 

【注目企業②】DeNA<2432>(発表日:5月12日)


3月17日に任天堂との業務・資本提携を発表したことで、一躍注目を浴びることとなった同社だが、単純に業績面での評価となると、長らく続いた下落基調からの出口が見え始めたかどうか、といった段階だ。そのため、まずはQonQで上向く気配が見えるかどうかに関心を払いたい。特に国内ゲーム事業、中でもアプリタイトルがどのくらい寄与してくるかがポイントなのだが、『ファイナルファンタジーレコードキーパー』に続くタイトルがまだ見えてこない印象もある。一方、その『ファイナルファンタジーレコードキーパー』は海外展開(関連記事)が順調に進んでおり、その今後の展望が今回の決算で示されるのかどうかも注目したい。
 

【注目企業③】ドリコム<3793>(発表日:5月11日)


『ONE PIECE トレジャークルーズ』と『ジョジョの奇妙な冒険 スターダストシューターズ』という2つの大型IPタイトル(いずれも配信はバンダイナムコエンターテインメント)の業績寄与が第3四半期までの話題の中心だったが、ここにきて子会社グリモアの『ブレイブソード×ブレイズソウル』というオリジナルタイトルが好スタートを切ったことは、明るいニュースだ。ただ、リリース日は4月8日であり、業績面という点では、寄与してくるのは2016年3月期ということになる。2015年3月期については、おおむね規定路線通りの着地となる公算が高そうだ。なお、『ONE PIECE トレジャークルーズ』の海外配信(関連記事)も同社が関わっており、この好調な推移(関連記事)が同社の業績面に今後影響してくるのかどうかも気になるところだ。
 

【注目企業④】バンダイナムコHD<7832>(発表日:5月8日)


上記のドリコムと手掛ける2タイトルなど有力IPタイトルの活躍もあり、2015年1月にはパブリッシャー別売上ランキングでTOP10に入る(関連記事)など、アプリ市場でその存在感は着実に増している。さらに、有名ゲーム17タイトルのIPオープン化プロジェクトを発表(関連記事)するなど、新たな動きも注目される。なお、業績面でも第3四半期までの実績で、売上高が前年同期比11.2%増の4091億円、営業利益が同11.4%増の476億円と2ケタ増収増益ペースと好調な推移となっており、新たに発表される2016年3月期の業績予想にも大いに期待が集まることになりそうだ。
 

【注目企業⑤】スクウェア・エニックスHD<9684>(発表日:5月12日)


第3四半期までの累計業績は、売上高1188億7400万円(前年同期比16.0%増)、営業利益は148億1400万円(同89.6%増)と大手ゲーム会社の中で一番の好調ぶりを示している。スマホアプリについても、『ドラゴンクエストモンスターズ スーパーライト』『スクールガールストライカーズ』『ファイナルファンタジー レコードキーパー』『乖離性ミリオンアーサー』など上位定着タイトルを複数抱え、『FF』シリーズのスマホ版展開が発表(関連記事関連記事)されるなど、今後の動きへの注目度も高い。なお、直近発表分だけでも、『ランページ ランド ランカーズ』(関連記事)、『ヘブンストライク ライバルズ』(関連記事)などがあり、2016年3月期もアプリ展開のさらなる加速が予想されるところだ。
 

【注目企業⑥】Aiming<3911>(発表日:4月30日)


今年3月25日に上場したばかりのニューフェイスであり、今回が上場後初の決算(第1四半期決算)発表となる。なお、上場時に開示した2015年12月期業績予想は連結売上高95億4100万円、営業利益19億7900万円、経常利益19億4900万円、当期純利益11億5400万円で、2014年12月期に続いて高い成長性維持する見通しとなっている。主力タイトルである『剣と魔法のログレス いにしえの女神』は、4月13日に累計600万ダウンロードを達成(関連記事)したことが発表されたほか、3月25日にはApp Store売上ランキングで1位を獲得(関連記事)するなど好調な推移を続けており、その決算内容への期待は高い。gumi<3903>が印象付けてしまった市場へのネガティブなイメージを払拭することができるかどうかという観点からも注目しておきたい。
 

【注目企業⑦】サイバーエージェント<4751>(発表日:4月23日)


2015年9月期の第1四半期(10~12月)連結決算は、売上高が前年同期比45.1%増の634億5100万円、営業益は同2.9倍の125億3500万円に拡大するなど、売上高・営業利益ともに過去最高という好スタートとなっており、第2四半期累計(10~3月)決算も良好な内容が期待される。なお、直近では、4月9日にAndroid版を配信開始した『ロイヤルフラッシュヒーローズ』がGoogle Playランキングで最高62位(4月17日)まで上昇してくるなど順調な推移を見せているが、グループという視点で見れば、孫会社となるBlazeGamesの『リトル ノア』や、子会社ジークレストの『夢王国と眠れる100人の王子様』も収益貢献が期待できそう。ただ、これらはリリース時期から判断すると第3四半期以降に本格的に貢献してくるものと思われる。また、今後の新しい柱に育てていくとしていた動画系サービスも子会社が次々と立ち上げられ、テレビ朝日との共同展開も発表(関連記事)されるなど、着々と手が打たれている。こうした点も踏まえて、2015年9月期通期の展望・予想に変化が生じているのかどうかも、しっかりとチェックしたい。
 
(編集部:柴田正之)
 
発表予定日
コード 会社名 決算期末 種別
4月22日 3688 VOYAGE GROUP 9月 2Q
4月23日 3639 ボルテージ 6月 3Q
4月23日 4751 サイバーエージェント 9月 2Q
4月24日 2656 ベクター 3月 本決算
4月28日 3632 グリー 6月 3Q
4月28日 3765 ガンホー 12月 1Q
4月28日 4348 インフォコム 3月 本決算
4月28日 9437 NTTドコモ 3月 本決算
4月30日 2767 フィールズ 3月 本決算
4月30日 3624 アクセルマーク 9月 2Q
4月30日 3635 コーエーテクモHD 3月 本決算
4月30日 3667 enish 12月 1Q
4月30日 3668 コロプラ 9月 2Q
4月30日 3828 ニフティ 3月 本決算
4月30日 3911 Aiming 12月 1Q
4月30日 3912 モバイルファクトリー 12月 1Q
4月30日 6758 ソニー 3月 本決算
4月30日 9449 GMOインターネット 12月 1Q
5月1日 4347 ブロードメディア 3月 本決算
5月1日 4689 ヤフー 3月 本決算
5月1日 9438 エムティーアイ 9月 2Q
5月7日 3672 オルトプラス 9月 2Q
5月7日 7974 任天堂 3月 本決算
5月7日 8154 加賀電子 3月 本決算
5月7日 9697 カプコン 3月 本決算
5月8日 2461 ファンコミュニケーションズ 12月 1Q
5月8日 3698 CRI・ミドルウェア 9月 2Q
5月8日 3785 エイティング 9月 2Q
5月8日 6050 イー・ガーディアン 9月 2Q
5月8日 7832 バンダイナムコHD 3月 本決算
5月8日 9404 日本テレビHD 3月 本決算
5月8日 9409 テレビ朝日HD 3月 本決算
5月8日 9478 SEHD&インキュベーションズ 3月 本決算
5月8日 9766 コナミ 3月 本決算
5月11日 2497 ユナイテッド 3月 本決算
5月11日 3676 ハーツユナイテッドグループ 3月 本決算
5月11日 3793 ドリコム 3月 本決算
5月11日 4344 ソースネクスト 3月 本決算
5月11日 6460 セガサミーHD 3月 本決算
5月11日 9984 ソフトバンク 3月 本決算
5月12日 2121 ミクシィ 3月 本決算
5月12日 2122 インタースペース 9月 2Q
5月12日 2432 ディー・エヌ・エー 3月 本決算
5月12日 2433 博報堂DYHD 3月 本決算
5月12日 7844 マーベラス 3月 本決算
5月12日 7867 タカラトミー 3月 本決算
5月12日 9401 東京放送(TBS)HD 3月 本決算
5月12日 9433 KDDI 3月 本決算
5月12日 9684 スクウェア・エニックスHD 3月 本決算
5月13日 3656 KLab 12月 1Q
5月13日 3689 イグニス 9月 2Q
5月13日 3723 日本ファルコム 9月 2Q
5月13日 3758 アエリア 12月 1Q
5月13日 3904 カヤック 12月 1Q
5月14日 2489 アドウェイズ 3月 本決算
5月14日 3659 ネクソン 12月 1Q
5月14日 3664 モブキャスト 12月 1Q
5月14日 4324 電通 3月 本決算
5月14日 4676 フジ・メディアHD 3月 本決算
5月14日 4816 東映アニメーション 3月 本決算
5月14日 6033 エクストリーム 3月 本決算
5月14日 9468 KADOKAWA・DWANGO 3月 本決算
5月15日 2138 クルーズ 3月 本決算
5月15日 3686 ディー・エル・イー 6月 3Q
5月15日 3851 日本一ソフトウェア 3月 本決算
5月15日 4295 フェイス 3月 本決算
5月15日 4644 イマジニア 3月 本決算
5月15日 4777 ガーラ 3月 本決算
未定 6736 サン電子 3月 本決算
※決算発表日は東証の4月17日発表資料ベース。