IGポート、15年5月期は営業益58%減…映像事業の広告宣伝費や制作長期化などで 「魔法使いの嫁」と「曇天に笑う」好調と電子書籍拡大で出版事業の収益は大幅改善

IGポート<3791>は、この日(7月10日)、2015年5月期の連結業績決算を発表し、売上高87億6500万円(前の期比25.5%増)、営業利益2億6700万円(同58.8%減)、経常利益3億0800万円(同51.3%減)、最終損益1億0500万円の赤字(前の期4億5900万円の黒字)だった。

 


出版事業が大きく伸びたものの、主力の映像制作事業で、制作期間の長期化や広告宣伝費の増加、デジタル向けの人材育成などの費用がかさんだことが主な要因。セグメント別の状況は以下のとおり。

① 映像制作事業は、売上高59億1700万円(前の期比47.9%増)、営業損益2億9300万円の赤字(前期は1億0400万円の黒字)だった。「GARM WARS The Last Druid」「劇場版 PSYCHO-PASSサイコパス」「宇宙戦艦ヤマト2199 星巡る方舟」「進撃の巨人 総集編前編」「百日紅~Miss HOKUSAI~」、「黒子のバスケ 第3期」「ハイキュー!!」「アオハライド」「フューチャーカード バディファイト」「蒼穹のファフナー EXODUS」「ローリング☆ガールズ」、「攻殻機動隊ARISE border:4 Ghost Stands Alone」「新テニスの王子様 OVA vs Genius10」「翠星のガルガンティア」などの制作を行い、大幅な増収となった。ただ、企画費用が増えたことや一部の作品に制作期間が長期化したこと、デジタル化に向け人材育成を行ったこと、そして広告宣伝費が増えたことが響いた。


② 出版事業は、売上高16億4400万円(同26.9%増)、営業利益2億5400万円(同204.3%増)だった。「月刊コミックブレイド」、「月刊コミックアヴァルス」、2誌を統合した「月刊コミックガーデン」を9月より毎月刊行した。「魔法使いの嫁」「あまんちゅ!」「PEACEMAKER 鐵」など150点を刊行した。特に「魔法使いの嫁」は、現在3巻まで刊行され、累計150万部を突破したほか、2014年秋にテレビアニメが放送された既刊の「曇天に笑う」シリーズの販売が好調だった。また、利益率の高い電子書籍での収入が前期比40%増となり、収益の改善に貢献したという。


③ 版権事業は、売上高8億6700万円(同38.5%減)、営業利益3億6200万円(同36.7%減)だった。「進撃の巨人」「宇宙戦艦ヤマト2199」「ハイキュー!!」「攻殻機動隊ARISE 及びSAC シリーズ」「黒子のバスケ シリーズ」「サイコパス シリーズ」などの二次利用による収益分配を計上した。前期で爆発的にヒットした「進撃の巨人」「宇宙戦艦ヤマト2199」の版権収入も落ち着き、それを上回るヒット作品の版権収入がなかったことにより減収減益となった。


④ その他事業は、売上高3億3600万円(同20.8%増)、営業利益2500万円(同2,662.3%増)となった。雑誌のイラスト書きやキャラクターの商品化、ゲームや iPhone/iPod Touch 向けアプリの配信などを行った。


 
■2016年5月期の見通し

2016年5月期は、売上高68億4200万円(前期比21.9%減)、営業利益2億5700万円(同4.0%減)、経常利益3億1700万円(同2.7%増)、最終利益1億8000万円を見込む。事業別売上高の内訳は、映像制作事業が43億6700万円、出版事業が13億2600万円、版権事業が7億9000万円、その他3億5900万円となる。

 
IGポート

会社情報

会社名
IGポート
企業データを見る