【上期総括】Aiming椎葉社長インタビュー「厳しい市場だが、良いゲームを出せば手にとってもらえる幸せな状況」 eスポーツ支援や海外系ゲームの配信の狙いも聞く


スマートフォンアプリ業界に身を置く方々に話を伺い、2015年上期の市場動向と下期のトレンドを読み解く特別企画「ゲームアプリ市場のキーマンに訊く2015年上期振り返り」。今回は、Aiming<3911>の椎葉忠志社長にインタビューを行い、上半期のスマートフォンゲーム業界とともに、Aimingとしての取り組みを振り返ってもらった。

 

■スマホゲーム市場は引き続き成長 ユーザー人口はピークに近い

 
株式会社 Aiming
代表取締役社長
椎葉忠志 氏

 
 
――:本日はよろしくお願いします。まず2015年上半期を振り返ってスマホゲーム市場をどうみていますか。
 
全体としてはスマートフォンのゲームユーザー人口はピークに近いとみています。そして、目立つゲームはリリースからすごい早さでランキングを上げますが、あっという間に順位を落とすタイトルも目立ちます。上下の変動が激しいというよりは、ユーザー人口が多いので、注目を集めることに成功すれば、最初から多くのユーザーを集めて一気に順位を上げることができる印象です。広告費の高騰はあるとはいえ、お金をかければ人が集まってくる状況です。本当に良いゲームであれば、大きな成功はまだ可能だと思います。

したがって、マーケットとしては非常に幸せで、色々なゲームが注目されて、たくさんの人へ手にとってもらえる状況です。ただ、お客様に長く遊んでもらおうと思ったら、今までと同じ遊びを提供していてはダメで、MOやMMOのようなオンラインでの同時協力プレイが楽しめるゲームや、圧倒的なコンテンツボリュームが必要になります。

昨今の開発費の高騰で、最初から多くの要素を盛り込むのが難しい状況にあります。当社の開発・運用している『剣と魔法のログレス いにしえの女神(以下、ログレス)』は、PC版を提供していましたので、そのグラフィックアセットが使える部分もありましたから、リリース当初から多くのコンテンツが用意できました。これから開発規模が大きくなると、より長く遊んでいただくことを考えて作っていかないといけないと思います。

 
▲『剣と魔法のログレス いにしえの女神』

コンテンツの追加も、カードゲームが主流だった頃に比べ、工数が劇的に増えています。3Dモデルを使っていれば、追加のキャラクターや武器・防具を作る必要がありますし、追加マップなども新しく作って、お客様にマップが新しく追加されたことをわかるようにしないといけません。つまり、開発や運用の費用が大きくなっており、回収期間が長期化しています。お客様には長く遊んでもらうようにしないといけません。
 

――:逆に言えば、面白いゲームが作れて適切な運用とプロモーションができるようであればチャンスはまだあるということですか。
 
はい。その意味でフェアな市場だと思います。莫大な広告費をかける会社もありますし、逆に広告費をかけなくてもしっかりとゲームを作って運用して、気が付くと順位をあげているケースもあります。広告費をかけるばかりでなく、良いゲームで面白いものであればウケる市場です。ただ、開発費など初期費用が高くなっているという意味では、参加者が制限される状況です。市場に参加するという意味ではフェアではないかもしれませんが、作ったゲームの結果がきちんと反映されるという意味ではフェアな市場です。
 

――:マーケット自体は伸びているというご認識でしょうか。
 
拡大の動きはしばらく止まらないでしょう。これはブラウザゲームでみられたものですが、顧客単価の上昇によってなされるとみています。ここから1年、2年は伸びるでしょうが、その一方で、スマートフォンのゲームユーザー人口は減少に向かうかもしれない、と考えています。よって、今後、先行者有利がより強い市場になっていくのではないかと思います。先行者利益は先んじて頑張った結果です。強いIPや顧客基盤を持っていれば、それだけで新作リリース時に一定のユーザーを動員できますよね。この強さがより明確になっていくでしょう。

 

■コアゲームには普遍的な面白さがある


――:業界として気になった動きはありますか。
 
最近の色々な方のインタビューを読んでいると、海外勢が来ると言われていますよね。海外のゲーム会社は、海外でヒットした収益を広告費として、「これでもか」とつぎ込む手法があります。日本の企業でもやりきれないような規模でプロモーションをかけてきます。ああいう手法を含めて特徴的だと思いました。海外の会社やお金を持っている会社がメガ広告による力技で押し上げる手法はすごいです。

スマートフォンのコアゲーム市場は、世界と一体化する方向に向かっていると考えています。例えばPCゲーム市場での話ですが、MMOというジャンルをとりあげると、国によってそれほどヒット作に大きな差異はありません。いくつもの国でヒットするPCオンラインゲームはたくさんあります。コアなゲームには、PCだからというよりは、ゲームのモチベーションの高いユーザーにとっては普遍的な面白さがあると思います。欧米の家庭用ゲームのトップクラスは、日本人には世界観が好まれないので流行りづらいですが、家庭用ゲームのリッチでコアなものが好きだったら遊んでみると面白いと感じられるはずです。

スマホゲームはスキマ時間に使うため、今後もカジュアル寄りのゲームが主流だと思いますが、少しずつコアな方向のゲームが増えていくでしょう。そういう市場になればなるほど、日本とその他の国の差がなくなると感じます。世界で稼いだ収益をメガプロモーションに注ぎ込む海外のディベロッパーがこれからも出てきて、競争することになるんだろうと思います。『Game of War』や『Clash of Clans』、『サマナーズウォー』などは、見た目に好き嫌いはあるのでしょうけど、面白いゲームはどこに行っても面白いです。



――:『Game of War』はあのテイストで日本でヒットするとは思いませんでした。

私たちがかつて開発した『ブラウザ三国志』では、戦争の部分はドイツのブラウザゲーム『TRAVIAN』を参考にして開発しました。実は『Clash of Clans』も『トラビアン』の略奪部分を参考にしたという話でした。おそらく『Game of War』も『TRAVIAN』が何らかの参考になっているはずです

『TRAVIAN』を初めて遊んだ時、本当にやることがなくて、3週間ほど延々と街づくりをさせられたことが忘れられません。『シムシティ』のように自由度があるわけでもなくて、開いているマスに埋めていくだけでした。この手のゲームは、ポチポチして何かが進んでいると思うだけで楽しかったのですが、さすがに「ポチポチだけで3週間は飽きたわ~」と思った頃に新しい街が作れるようになり、ゲームが劇的に面白くなりました。街づくりゲームにはそういったシンプルな面白さがあります。

『Game of War』は、この手のゲームを遊んだことのない人に受け入れられているのではないかと思います。ポチポチと街づくりを楽しんでいた感覚を思い出すと、このゲームが売れるのはわかります。当時、この手のゲームをPCブラウザで遊んでいた人が少なかったんでしょうね。ブラウザゲームで楽しめたゲームがスマホで手軽に遊べるようになったことが成功要因といえるのかもしれません。PCの頃から遊んでいた我々からすると、この手のゲームを今遊ぶのはしんどいですね(笑)。

 
▲『Game of War』


――:そういえば、gumiさんが下方修正をして話題にもなりましたね。
 
そうですね。業界外の方では、スマートフォンゲームのビジネスの難しさを理解した方も多かったのではないでしょうか。当社の予想を作る場合、これは絶対に達成できるという保守的な売上予測を社内で作り、それに基づいて各種の予算を作ってきます。これは上場前からずっとやっていたことです。

というのは、売上の計画を高めに出すと、仮に売上が未達になった時に困るからです。売上は計画に達しないのに、広告宣伝費だけは予算どおりに使う状況になりがちです。したがって売上が上ぶれた場合は、追加で広告宣伝費を使う形になります。ゲームオンの時も同じように保守的な見通しだったのですが、業績予想が保守的すぎると株価が大きく下がったこともあります。しかしビジネスの性質を考えれば、仕方のないことです。


 

■注目タイトルは『メビウスファイナルファンタジー』


――:今年気になったタイトルはありますか。
 
『メビウスファイナルファンタジー』です。圧倒的なグラフィックを見て、多くの会社がこれからの市場の難しさ、ハードルの高さを感じたのではないでしょうか。高品質なグラフィックのポチポチゲームという印象ですが、ゲームとしても面白いです。しかし、ボリュームの少なさがやや気になります。とはいえ、スマートフォンのゲームは一度やめてしまっても復帰してくれる方がすごく多いと聞いていますし、アクティブユーザーも多いでしょうから、きちんとコンテンツを追加すれば一時的に落ちることがあってもすぐに戻るでしょうね。
 
同様に、『モンスターギア』も動くという意味では大手家庭用ゲームメーカーが作った、動きのあるゲームになっています。『オルタンシアサーガ』も同様です。大手家庭用ゲームメーカーが積極的に参加して、このクオリティで戦う時代が来たのだな、と感じています

こういった状況は、家庭用ゲームの歴史を知っていれば、ほぼ予定されていたものといえますよね。基本無料なので、そうでないタイトルも売れる可能性は十二分ありますが、手にとって遊んでもらうためにはグラフィックの質、見た目はとても重要です。イノベーションのジレンマに近い過当競争はどんどん起きてくるでしょう。



――:広告宣伝費はやはり上がっていますか。

はい。日本だとCPI広告が中心なのでしょうが、1ユーザーの獲得単価が1年前の倍とはいきませんが、かなり上がっています。新作はそれなりの効果は出ますが、既存タイトルだと厳しいです。もちろん、お金をかければ、お客様は増える状況にありますので、まだ幸せな状況にあります。そのうち、お金をかけてもユーザー数が取れない状況になるでしょう

 

■上半期の中心は『ログレス』 既存タイトルも堅調に推移


 
――:上半期の取り組みですが、やはり中心は『ログレス』ですか。

はい。昨年の12月、1月がピークかと思っていたのですが、第1四半期を見るとしっかりと伸ばせました。MMOというゲームの強さを感じましたが、これだけ多くのお客様に遊んでいただけたことに感謝しています。売上自体はどこかで停滞する時期はいずれ来るでしょうが、コミュニティを作って生活するように遊んでいただけていますので、これから何年も続けて遊んでいただけるようにしなくては、という気持ちがより強くなりました。これだけのお客様に遊んでいただき、より大きな責任を感じるようになりました。このゲームを作って本当に良かったです。
 

――:PCのMMOは全体的に寿命が長いですが、スマホはどうなるか見えない部分がありました。実際にやってみると、PCとそれほど変わらない状況にすることも可能であると。
 
スマホゲームは、ゲームの種類が多くて移りやすいという特性がありますが、『パズル&ドラゴンズ』や『モンスターストライク』のように、きちんと運営すれば長く遊んでもらえます。PCのMMOは、10年選手がゴロゴロしているように総じて寿命が長いですが、スマホもそうなる可能は十分あると考えています。


――:『ログレス』は、App Storeの売上ランキングで1位もとりましたね(関連記事)。

ある一面では、私たちのIR力の高さと思ってもらえれば幸いです(笑)。他社様では若年層のお客様が多いのか月初にピークを持っていこうとしますが、当社の場合は社会人が多いので、給料日前後にピークを持っていきます。「1位とれたらいいよね」と話していましたが、本当に取れるとは思っていませんでした。狙ってできるものではなかなかないですから感動しました。


――:既存のゲームも時々ランキングに入ってくるなど、頑張っているタイトルも目立ちますね。
 
去年の秋に比べると、今の方がいいですね。Aimingになってから開発した第1世代といえる『LordofKnights』『ヴァリアントレギオン』や『幻塔戦記グリフォン』『ログレス』はどれも良いタイトルだと思っていて、特に『ヴァリアントレギオン』などは、ゲームを改善したら相当伸びると見ています。当社のタイトルは、他にはなかなかないので、「見た目だけ変えて出してもいいんじゃね?」と冗談で話しています。もちろん、そんなことをするのなら、きちんと新しいゲームとして出しますけど。
 
▲『ヴァリアントレギオン』


――:今思うと、時代を先取りしすぎたゲームもありましたよね。
 
『幻塔戦記グリフォン』は、リリースした当時、「こんなゲーム、動かないよ」といわれたものでした。一時、月商も落ちたことがありましたが、今は数倍まで回復しています。ハマった人がコミュニティを形成して継続してくれているようです。このゲームの広告効果をみると、例えば30日継続率は鼻血がでるくらいひどいのですが、それでもしっかりと数字が積み上がっています。なんだかんだいってオンラインゲームは強いですね。2011年に会社を設立したときから、「スマホ向けのMMOは絶対に当たる!」と言い続けてきました。思ったよりも時間がかかり、一時、会社が潰れそうになったこともありました(笑)。

 

■海外のゲームは最小限の修正で国内配信


――:海外の会社とも積極的に取り組まれていますね。

2012年ころから韓国のスマートフォンゲーム市場が大きく伸びるタイミングで、国内各社は海外からゲームを輸入して運営したことがあります。しかし、大きな成果が出ていません。このため、海外のゲームを国内向けに出しても難しいという見方が通説となっていますが、私たちは面白いゲームであれば、日本でも受け入れられていると考えています。

すでに3本発表したうちの2つはMMORPG(注)で、私たちが得意とするジャンルです。日本ではMMOは非常に少ないですし、良いゲームを持ってきたつもりです。コアにいけばいくほど国を超えて当たるものは当たるということを証明できるのではないかと思います。ただ、良いゲームアプリを探すのが大変なんです。中国や韓国のアプリは、玉石混交で玉を探すのが至難の業です。すでに当社が発表したゲーム はいずれも可能性があって、とても楽しみにしています。


(注)神魔大陸3DプロジェクトAGO

私たちは、ゲームをこだわって作ってしまうので、お客様に見せて恥ずかしくないものになるまではゲームを出さないんです。その代わり長く遊べるゲームを出しています。『ロードオブナイツ』もサービス3年で過去最高の売上規模が出ています。たまに出したゲームがしっかり稼ぐとはいえ、経営上、ゲームが全く出ないのはよくありません。海外のゲームを取り扱うのは、それを補う意味もあります。これで結果が出ないと、お金を失うだけですが、私たちの目利き力を示せるのではないかと思います。
 

――:カルチャライズやローカライズはされるのですか。

ほとんどやりません(笑)。ここは他社と違いますね。そのまま日本に持ってきても大丈夫なゲームしか出しません。中国のゲームだとガチャがないので、ガチャを追加して欲しいといった要望や、序盤のバランス調整を依頼する程度ですね。『ひめがみ絵巻』は、サービスを開始しましたが、これもお願いしたのは序盤のバランス調整とガチャくらいです。ろくに日本で結果も出てないうちから、あれこれ変えてくれというくらいなら、そういったタイトルは獲得すべきではないと考えています。これはゲームオンにいた頃から続けているポリシーです。
 
▲『ひめがみ絵巻』
 

――:序盤のバランス調整ですか。
 
はい。海外のユーザーは、ゲームへのモチベーションが高いので、多少、マゾくても遊んでくれるのに対し、日本の場合、少しでもつまらないと辞めてしまいます。あくまでデータワークの範囲です。だから、中国や韓国のゲームを遊ぶと、私たちでも最初はつまらないと感じるのです。それを乗り越えた先から面白さが感じられるようになります。この見極めが重要です。


――:逆に御社のタイトルの海外展開もされていますね。
 
いまは『ログレス』だけに絞っています。『ぐるぐるイーグル』も機会があればやりたいと思っています。世界的にMMORPGが少ないなか、世界的に通信環境や端末の性能が上がってきていますので、チャンスは大きいと考えています。中国でも4Gが入るようになりましたので、積極的に打って出るタイミングです。アジア圏を中心に展開しています。『ログレス』は特に中国市場に向いているので楽しみです。韓国でエンカウントMMOがヒットした例が少ないのに対し、中国市場はエンカウントでかつ2DのMMORPGも人気になっています。

 

■eスポーツ支援はゲーム業界を盛り上げるため


――:eスポーツへの取り組みをはじめましたね。

事業としてどうこうということは考えていません(笑)。スマートフォンによって、ゲームユーザーが久々に急増しました。プレイステーションが一番流行した時と同じくらいの伸びではないでしょうか。ゲーム業界をいろいろな面でもっと良くすることができないかと思っていて、その一環として、eスポーツに注目しました。
 
eスポーツは、バズワードっぽいところがあり、「eスポーツを流行させるにはどうしたらいいのか」という議論が非常に少ないのに対し、「eスポーツが流行りそうだから乗っかるか」みたいな話が多いのが残念です。とはいえ、eスポーツに興味を持ってくれて支援する人が増えているのは良いことです。

eスポーツは、ゲーム業界を盛り上げる一つの要素と思っていますので、支援できる人がいればしっかり支援したいと考えています。オンラインゲームで生きてきた私たちのCSRのひとつとお考えください。そして、eスポーツが日本で流行すれば、業界にとってもすごくプラスです。ゲームとしては世界的に対戦で大ヒットするスマートフォンゲームが出てくる可能性がありますね。

 


――:なるほど。
 
支援するDeToNatorさんたちがものすごく有名になれば、プロモーションなどで活躍してもらうことになるでしょうが、それだけを考えてできるものではありません。今は彼ら自身に活躍してもらうことを考えています。他にもゲームの大会があれば、eスポーツを盛り上げるためにどんどん協賛していきたいと思います。
 
本当は、私が個人的に支援しようと考えていたのですが、社外取締役に怒られました。「こういう人たちこそAimingが支援しなくてどうするのか」と。ゲーム系の上場会社の社長が勝手に他の会社の支援をするのは利益相反だし、善管注意義務違反になるので、取締役会の承認を得てやればOKだと思って話をしたら、です。個人でやればもっと適当なことができたのですが(笑)。


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――:支援はどういった形でやっておられるのでしょうか。
 
合理的な範囲でスポンサー料を支払っています。そこから始め、徐々に支援を広げていこうと考えています。成果が着実にでてくれば、Aimingとして支援する価値もでてきます。いくらが相場というものがないので、手探りの状況です。彼らが活躍すればeスポーツの価値が上がりますし、当社ももっと支援ができます。そしてそれを受けてもっと活躍すれば、さらに価値が上がる。良い循環を作っていきたいですね。
 
また、当社に巡り巡って何かあればいいかな、という程度でしたが、メリットは出ています。ゲーヲタ採用を掲げているAimingがものすごく強いeスポーツのチームを支援している、いろいろな大会に協賛している、というのは私たちにとってプラスです。会社のブランディング、イメージづくりにも貢献しています。ただ、eスポーツそのものから利益を得ようという考えはありません。


 

■今後の取り組み

 
――:最後に今後の取り組みを教えて下さい。国内市場への取り組みですが、『ログレス』を中心にしていくお考えですか。
 

はい。『ログレス』を長く遊んでいただけるようにしっかりと運営を行っていきつつ、自社では年間1~2本のオリジナルタイトルを出したいと考えています。もうちょっと人が採用できれば、新作も増やせるかもしれません。新作はMMO寄りで、カジュアルゲームは作りません。『ひめがみ絵巻』は、『ブレイブフロンティア』のようなゲームなのですが、自分たちで作らないタイトルでも面白いゲームであれば、海外から獲得していきたいと考えています。


――:今後は3DのMMOなども出されるのですか。
 
そうですね。3Dのゲームも出していきます。通信環境の整備もされていますし、端末のスペックも相当上がっています。そしてなにより、3Dのゲームが普及してきて、お客様も慣れているところだと思いますので、3DのMMOを出しても受け入れていただけると考えています。


――:事業環境としても御社に追い風が吹いているのですね。

ただ、気になっているのは、投資額が大きくなるので回収するために長く遊んでいただく必要があることです。そうなるとゲームは理屈っぽくなりがちです。MMOって、どのゲームも仕組みは似たり寄ったりですよね。「稼がなくては」という意識が強くなると、ゲームの形が決まってしまいます。ソーシャルゲームもそうでした。

ゲームは多様性がないとお客様に飽きられてしまいます。ですから、別の方法もなにか考えないと、ゲームへの関心が失われてしまいます。そこは危惧しているところです。ですので、十分稼いだら「稼がなくてもいいから『スゲー!』と言われるようなゲームを作ってくれ」とオーダーを出そうと思っています。ただ「スゲー!」の基準が曖昧なので、売上を出すよりも難しいかもしれません(笑)。



――:ありがとうございました。
 
(編集部 木村英彦)

 
■Aiming
 

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株式会社Aiming
http://aiming-inc.com/
自分たちの面白いをカタチに変える
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会社情報

会社名
株式会社Aiming
設立
2011年5月
代表者
代表取締役社長 椎葉 忠志
決算期
12月
直近業績
売上高181億9900万円、営業損益13億900万円の赤字、経常損益11億円の赤字、最終損益22億2700万円の赤字(2023年12月期)
上場区分
東証グロース
証券コード
3911
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