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【上期総括】コロプラ馬場社長「面白いアプリは大前提。高度で適切な運用・マーケティングが必要。ヒットタイトルを出す難易度が格段に上がっている」

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スマートフォンアプリ業界に身を置く方々に話を伺い、2015年上期の市場動向と下期のトレンドを読み解く特別企画「ゲームアプリ市場のキーマンに訊く2015年上期振り返り」。今回は、コロプラ<3668>の馬場功淳社長にインタビューを行い、上半期のスマートフォンゲーム業界とともに、コロプラとしての取り組みを振り返ってもらった。


 

■寡占化の背景は求められる水準が上がったこと


株式会社 コロプラ
代表取締役社長
馬場功淳 氏


――:本日はよろしくお願いいたします。まず2015年上半期を振り返って率直にいかがでしょうか。
 
日本国内の状況を考えると、そんなに大きな動きはなかった気がします。スクウェア・エニックスさんがとても頑張っていて、すごく順調ですね。惜しげもなく、色々とやっておられるという印象を持ちました。あとは、ミクシィさんの『モンスターストライク』も予想どおり順調に伸びていて、直近だとNo.1になっているかもしれませんね。


――:1~3月期の決算発表から寡占化が進んでいるという意見も出てくるようになりましたが、いかがお考えですか。
 
まず、市場規模そのものは引き続き伸びていると見ています。『パズル&ドラゴンズ』の売上に匹敵する規模のアプリが出てきたわけですから、単純に考えて倍になった、ともいえるわけです。
 
その一方で、寡占化は進んでいる可能性が高いと思います。運用をきちんとできるところ、毎日エンターテイメントを提供できているところはお客様がなかなか離れず、長く繁栄していると感じています。新規で面白いものをつくり、運用も面白くできるところが勝てると思います。
 
ですが、それをできるところが少なくなっています。つまり、ヒットタイトルを出すための難易度があがっているということです。そのため、新規参入も減ってきていると感じます。お金を出したからといってどうにかなる問題でもなく、経験やノウハウのある人が少ないので、人を集めるのも難しいです。
 
お客様の目も厳しくなっており、まず手にとってもらうためには、グラフィックのクオリティを高めないといけません。そして、iPhoneとAndroidを同時にリリースしてアップデートしていく必要もあります。さらに、安定したサービス運営も求められます。お客様は遊びたいときに遊べないといけません。全ての要素で合格点を取る必要があります

「市場が寡占化している」と一言で言いますが、そういう事象の背景には今申し上げた様々なことがあるとみています。「こうすればいい」とわかっていても、なかなか実行できません。思うようにできるチームはあるんでしょうが、それは、場慣れしていて能力の高い人がいる場合です。そういう人は当社のなかでも少ないです。ノウハウを共有する試みはしていますが、難しいです。


 

■開発だけでなく、運用とマーケティングの重要性が向上


――:見ていると特に運用の重要性が高まっていますよね。

そうですね。運用は非常に重要で、そして日に日に難しくなっています。新規リリースまでは何とかなっても、運用になると格段に難しくなります。楽しい運用にお客様が慣れているので、レベルの高いサービスが求められています。

最近思うのですが、アプリは「劇場」に似ています。劇場を作り、大方のキャストをそろえておくことが「新規開発」にあたります。そして一生懸命集客して、毎日公演を行うのが「運用」です。翌日も来ていただけるかどうかは、ゲームの中で何をやったかによります。日々楽しいものを提供していくと、どんどんお客様が増えて盛り上がっていくというイメージです。

劇場を建てること自体は、設計してその通りに作ればいいのですが、建物がダメだったら、そもそもお客様が入ってくれません。立地が素晴らしくて、建物も素晴らしいなど、目立たないと集客できません。また、演目がつまらないとお客様がすぐに帰ってしまいます。運用が難しい理由はここにあると考えています。建物は、きちんとした設計をする、つくれる人を確保する、一等地に建設するなど、お金があればなんとかなるかもしれません。しかし、運用に関してはお金ではどうにもなりません。



――:最近、人気の出たタイトルではサーバートラブルが原因で顧客離れが…という話も聞きます。

そうですね。それも重要です。劇場に例えると、いきなりドアが壊れて開かない、入れないということですね。そういう状況が続くと、お客様の足は遠のいてしまいます。他の劇場がたくさんあるわけですから、無理に通い続けないですよね。

特にリリース直後、一気にトラフィックが増えるので、うまく乗りきれるかどうかが重要です。安定したサービスを提供しつつ、適切な運用とマーケティングを行う必要があります。


――:リリース後の運用やマーケティングに求められるレベルは相当高度なものになっているということですか。

それは間違いないです。お客様の求める水準が上がっていることと、競合が増えていることが大きな要因です。一言で言うと、様々なところで難易度が上がっている、といえます。あとは運ですね。インフルエンサーのお客様に気に入っていただけるといった要素も、時として重要になります。ゲームが面白い、絵がきれいだけでは勝てません。そうなると、資本や体力の少ない会社にとっては、スマートフォンゲームの開発に乗り出すこと自体がギャンブルになる可能性が高いです。

特に、難易度の上昇に気づいていない会社、見えていない会社は危険です。難易度の上昇は、外部からは見えづらく、実際にやってみてわかることなんです。その上昇に気づかず、いままでの常識ややり方を引きずっている場合、無自覚のまま挑んで、やられてしまうと思います。どれだけ危ないものか認識したうえでやることが第一歩です。

「面白いアプリを作れば大丈夫でしょう」という方もいらっしゃいます。いまや「面白い」ことは大前提で、サーバーが落ちない、マーケティングが適切にできる、さらに運用がきちんと回せる、といったことが重要なのです。面白いゲームというだけではダメなんです。そしてその先にもハードルがあります。その時々の流行に対応しないといけないし、プラットフォーマーさんの考え方も理解しないといけない。

今までの常識を信じてやると、後で痛い目をみるんじゃないかと心配しています。特に過去に成功体験があると危ないです。求められるレベルが上がっていることに気づかず、「前はこれくらいでできた、今回はこれくらいで行こう」などと過信しがちです。

資格試験に例えるならば、応用情報技術者試験だと思って臨んだら司法試験だった、というイメージです。しかも試験を受けるのに、3億円、5億円かかる。アプリ市場は、とんでもない世界に突入しているのです。



――:マーケティングコストは上がり続けていると。

上がっています。アプリが市場にあふれている現状を見ると、テレビCMを打てば、お客様が遊んでくれる時代ではありません。お客様は、すでに好きなアプリが何個かあります。そこで、「こっちもいいですよ」とおすすめするのは大変なことです。

「こんにちは」から始まって、「こっちが楽しいですよ」、「いいですよ」とプロセスを踏んでいく必要があります。いいクリエイティブを創るのも大変ですし、広告もこれまで以上にノウハウが必要になっています。今後は作るだけでなく、パブリッシャーとしての能力がますます問われていくと思います。



――:そんな中、気になったタイトルはありますか。

スクウェア・エニックスさんの『メビウスファイナルファンタジー』ですね。FFブランドの高品質なグラフィックの”ぽちぽちゲーム”といったらいいでしょうか。スクウェア・エニックスさんはこの領域を押さえに来ているように感じます。”ぽちぽちゲーム”というと、否定的にとらえる方もいるかもしれませんが、そうではありません。

”ぽちぽちゲーム”は、タップしているだけでもゲームが進行しますが、なぜか面白い。つまり、格闘ゲームやアクションゲーム、パズルゲームなどと並ぶひとつのジャンルといっていいかと思います。そして、運用の難しさや容量の問題、ゲームシステムなどを考えると、当社ではこういったゲームは企画が通らないでしょうし、まず作れないと思います。


 

■『白猫プロジェクト』が念願の1位に 新作も順調


――:御社の取り組みについて聞きます。主力の『白猫プロジェクト』はかねてから目標に掲げていた、売上ランキングで1位になりましたね(関連記事)。

そうですね。1日とか、1日半とかですが、お客様のおかげです。素直に嬉しいですが、最近は順位よりも、何人のお客様がどのくらいの頻度で遊び、どのくらい満足しておられるのか、といったことを中心にチェックしています。順位はあくまで結果にすぎないと考えています。
 


――:やはり指標としては、DAU(日次アクティブユーザー数)を重視しているのですか。

DAUは、指標として機能しなくなっていて、ユーザーの活性度を示す指標を独自で作成しています。ゲームの収益は、お客様が楽しんでくれてこそ、です。エンターテイメントとして負けてしまうと、結果として収益は生まれませんし、順位も上がりませんよね。逆に、楽しんでいただいていれば、チャンスはあると考えています。


――:今年リリースした3タイトルの状況は。

ほぼ期待していた状況にあります。『バトルガールハイスクール』も順調ですし、『東京カジノプロジェクト』は7月からテレビCMを打っています。また、『ランブル・シティ』はもともと海外を意識して企画したタイトルですから、いま海外向けに開発を進めているところです。
 
【バトルガールハイスクール】
 

【東京カジノプロジェクト】


【ランブル・シティ】

 
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――:海外市場への取り組みはますます重要性が高まっていくように思いますが。
 
当社は3年ほど前から、手を変え品を変え取り組んできましたが、蓄積したノウハウに基づいて、これから本格的に海外市場に挑みます。アメリカ・サンフランシスコにオフィスもできましたし、海外展開を行っていくなかで、何度か大きなチャンスがあるでしょう。

ただ、知見やノウハウの少ない国に関しては、他社と組みます。例えば、中国市場に関してはgumiさんと協業しています。当社の海外事業は黒字で伸びていますし、事業としてきちんと育てていきます。海外市場は急激に伸びることがありますから、チャンスをつかむためにきちんと運用できる体制が必要です。



――:カルチャライズに関してですが、海外向けにゲーム内容は手直ししているのですか。

いまは相当変えていますね。中国版『白猫プロジェクト』はシステムから変わっています。今後展開予定の英語版アプリは、キャラクターやUIも相当変わっています。それくらい変えないといけないというのが、これまでの取り組みで得た知見です。

 

■世界が変わったからこそクリエイターは一層の成長が必要

 
――:ところで、好調なスタートを切ったのに、不具合によるサービス停止・メンテナンスをきっかけにアクティブユーザー数が落ち込み、なかなか戻らないものがあるという話もよく聞きします。不具合の防止に関して気をつけていることはありますか。
 
当社からも不具合が出ているので、えらそうなことは言えませんが、ナレッジの共有はやっているつもりです。それでも不具合が発生する。このプロジェクトは、この仕組みを入れてうまくやっているのに、あのプロジェクトでは取り入れていない、といったことが起こっています。新機能を入れるときにデバッグをもう少しきちんとすべき、とも思います。

当社の話ですが、デザイナーもエンジニアも、もっとレベルを上げないといけません。デザイナーは、フォトショップとイラストレーターが扱えれば大丈夫だと思っている人や、きれいな絵にしか興味がない人がいる。本当にすばらしい絵ならいいのですが、必ずしもそうでもない。機能性を考えず、自分の世界観を表現することしか頭にないからです。ゲームのグラフィックを作っているという意識を持ち、ゲーム全体を把握したうえでデザインすることが必要です。

また、エンジニアは、自分の不得意分野や知らないことにあたったとき、きちんと対応できるように考えて欲しいです。できないのであれば、1人で解決しようとせず、人に聞いて教えてもらえば良いと思います

勉強する意識がない、成長する意識がない人はダメです。国内だけでなく、海外の会社が急成長するなど、世界はこんなに変わっているのですから、自分たちも変わらなくてはなりません。積極的に自分の殻を破ってほしいし、いままでの常識の中で生きないでほしいです。成長しないと、クリエイターとして終わってしまいます。



――:どの仕事もそうですが、人に聞くって重要ですよね。
 

ええ。「この人に聞けば、これがわかる」という人脈を持っていることも重要ですよね。これはそんなに難しいことではありません。あとは、わからないことは自分で調べて、「たぶんこういうことかな」という仮の答えができたら、人に聞くことでたいていは解決します。これをいかに繰り返せるか、ですね。

実際、仕事をする上で、この方法が一番有効です。自分ひとりでやったら4時間かかることも、ちょっとした調査と人に聞くことにより、1時間で済みます。しかも、自分だけでやると、その方法が適切かどうかもわかりませんし、そもそも調査方法が間違っているかもしれない。当人にとって学びにはなりますが、とても効率が悪いです。そして、実装したら不具合が出ました、では意味がありません。

「こうしたらこうなるんだろうな」というものは、経験すれば身につくものですが、その人の学習のために不具合を出すわけにはいきません。本当はそういったことを教えていく必要があると思いますが、難易度が非常に上がっていて、適切に、そして自信を持って教えられる人が少ないのです。ですから、お互いの得意分野を補完しあっていく必要があると考えています。

少し厳しい話をしましたが、それだけ環境が変化しているということなんです。そういう時だからこそ、変化に対応しながら、会社として成長していきたいと考えています。市場は引き続き伸びていますし、本当に面白いものが評価されるようになってきています。われわれとしてはここで頑張って、ユーザーの皆さんに喜んでいただけるコンテンツをつくり続けて行きたいと思います。

これからもコロプラを、よろしくお願いします。



――:ありがとうございました。
 
(編集部 木村英彦)
 

■コロプラ
 
 
© 2015 COLOPL, Inc.
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