VOYAGE GROUP、第3四半期は売上高17.2%増、営業益13.7%増と2ケタ増収増益に…アドテクノロジー事業がけん引役に 期末に初配当(10円)を実施へ 

VOYAGE GROUP<3688>は、7月22日、2015年9月期の第3四半期(10~6月)決算を発表、売上高131億8500万円(前年同期比17.2%増)、営業利益16億5500万円(同13.7%増)、経常利益16億8000万円(同16.5%増)、四半期純利益10億2400万円(同15.3%増)となった。

また、同日、2015年9月期期末に初の配当を実施することも発表。これまで無配としていた期末配当を1株あたり10円で実施する。
 


なお、各セグメントごとの状況は以下の通り。

①アドテクノロジー事業…売上高72億5500万円(前年同期比32.4%増)、セグメント利益9億8500万円(同29.8%増)
インターネット広告市場におけるプログラマティック取引(インターネット広告在庫をオンライン上で自動取引する手法)の急速な拡大を背景に、SSPである「Fluct」を中心とした広告配信プラットフォーム事業が堅調に推移した。グループとして、これまでのメディア事業運営で培ったノウハウを最大限に活用し、特にスマートフォン向け媒体社に対する「Fluct」の導入提案及び広告収益の最大化支援に取り組んだ。これらの取り組みなどにより、「Fluct」を通じた広告配信数は順調に増加しており、現在では国内SSP市場における売上シェアでナンバーワン(同社推定)となった。さらに、2015年4月には同じくSSPの提供を行うKauliを連結子会社化した。
 

②メディア事業…売上高57億7100万円(同0.8%増)、セグメント利益7億1200万円(同3.8%減)
「ECナビ」「PeX」「リサーチパネル」を中心としたポイントを活用した自社メディアに加え、企業向けのマーケティングソリューション分野の成長により、全体として底堅く推移した。自社メディアでは、独自のマーケティングプラットフォームによる、会員の獲得・維持・活性化施策の実施及び効果検証を継続的に行い、特にスマートフォン経由での会員獲得や利用促進に注力した。これらの取り組みなどにより、スマートフォン経由での会員登録者数は順調に増加しているが、利用の定着化や会員あたりの収益性向上が課題となっている。また、2015年4月にはマーケティングサービスの提供を行う社ドゥ・ハウスを資本業務提携により持分法適用関連会社化し、自社メディアの会員基盤を活用した協業関係を強化した。さらに、新たな領域として、コンテンツメディアへの取り組みを強化している。
 

③その他インターネット関連事業…売上高は7億3900万円(同18.8%減)、セグメント損益4300万円の赤字(前年同期4500万円の赤字)
新卒採用支援事業がインターンシップを実施する企業の増加や認知度の向上により顧客企業数が増加し堅調に推移した。一方で、グローバルリサーチ事業は、グループ内の事業再編により、持分法適用関連会社である株式会社マーケティングアプリケーションズへ集約することを決定した。

■四半期推移では前年同期比増収増益もQonQでは減収減益に
業績を四半期推移で見ると、売上高は前年同期比12.1%増、営業利益は同12.8%増と2ケタの増収増益を達成した。ただし、これを四半期推移(QonQ)で見てみると、売上高は前四半期比0.4%減、営業利益は同8.4%減と減収減益となった。なお、営業利益の減益はのれん償却の影響が大きく影響している。
 

なお、2015年9月期通期の予想については、従来予想から変更なく、売上高180億円(前期比19.6%増)、営業利益23億円(同22.3%増)、経常利益23億円(同21.7%増)、当期純利益13億5000万円(同21.2%増)の見込み。