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【決算まとめ】主要モバイルゲーム企業の4-6月…19社中14社が営業減益、8社が赤字計上と厳しい結果に ミクシィの売上高はガンホーのピーク時と同水準に到達

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株式を上場している主要モバイルゲーム企業19社の2015年4~6月期(一部2~4月期と3~5月期)決算が出そろった。今回の四半期は増収増益を達成した企業がわずか5社(うち2社は赤字幅縮小)にとどまるなど、全般的に厳しい内容の決算が目立った。特に売上高よりも利益面でその傾向がより顕著に表れており、各社が開発費用の高騰や積極的なマーケティング展開を手掛けるための費用増加といった事情を抱えていることが読み取れる。

また、ミクシィ<2121>とガンホー<3765>の売上高と営業利益の差も大きく開く結果になった。両社の比較については、後ほどじっくりと取り上げたい。

表は19社の決算内容を一覧にまとめたものとなる。決算期の都合で、gumi<3903>とエイチーム<3662>の数字は2~4月期と、2ヶ月前の数字となってしまう点はご了承いただきたい。また、これまでと同様に参考として、LINEと、gloopsなどを含むネクソン<3659>のモバイル事業の売上高も掲載し、サイバーエージェント<4751>(表中はCA)のみ、ゲームに関連するAmeba事業とゲーム事業の業績合計値を採用している。

前回の1~3月期決算時には、赤字計上企業が10~12月期の5社から7社に増えたことをトピックとしたが、今回はさらに1社増えて8社となってしまっている。なおかつ前回赤字計上した企業はすべてこの四半期も赤字となっており、うち5社は赤字幅が拡大している。ある意味、市場の競争がさらに厳しくなっていることを象徴しているとも言えそうだ。
 

ちなみに、19社を売上高と営業利益の増減別に分けると、以下のようになる(並びはコード順)。

増収増益…ミクシィ<2121>、ボルテージ<3639>、エイチーム<3662>、イグニス<3689>、gumi<3903>
増収減益…ディー・エヌ・エー(DeNA)<2432>、クルーズ<2138>、モブキャスト<3664>、コロプラ<3668>、ケイブ<3760>、サイバーエージェント<4751>
減収増益…なし
減収減益…アクセルマーク<3624>、グリー<3632>、KLab<3656>、enish<3667>、オルトプラス<3672>、ガンホー<3765>、ドリコム<3793>、Aiming<3911>
 

■ガンホーとDeNAの売上高が急接近


グラフは、四半期売上高100億円以上を抽出して並べたものだ。ミクシィとガンホーの売上高の差が100億円以上開いたことにまずは目が行くが、ガンホーとDeNAの売上高規模もほぼ同じ水準になっている。ミクシィが売上高を伸ばしたと同時にガンホーが大きく売上高を落としたというのが正確な構図になる。なお、今回グラフの7社の売上高規模の順位は前回から変わっていない。
 

次のグラフは四半期売上高100億円未満の銘柄をまとめたものとなる。KLabとクルーズの売上高が前回と比べて逆転したが、これはKLabの4~6月期が業績の谷間となったことに加え、クルーズがインターネットコマース事業の売上高を大きく伸ばしたことによるもの。ほか、アクセルマークやオルトプラスが売上高を落とし、イグニスが売上高を伸ばしたのが目立つところか。
 

なお、今回、四半期として過去最高の売上高を記録したのは、ミクシィ、ボルテージ、エイチーム、コロプラ、サイバーエージェント(全体)の5社となる。前回と比べるとAimingが外れた形だが、これらの企業は順調な売り上げ成長を継続しているとみて良さそうだ。
 

■赤字計上企業が8社に拡大、赤字が恒常化した企業の立て直しは急務


続いて、利益面に目を移してみたい。まずは四半期の営業利益20億円以上の企業6社となるが、この6社のうち増益を達成したのはミクシィのみとなる。ミクシィとガンホーの利益が逆転し、大きく差が開いた形となっているが、ミクシィの利益の伸び率も1ケタ台であり、売上高と同様、ガンホーが利益を落としたというのが正確な表現と言える。ただ、ガンホーとそのほかの4社の差は依然として大きく、上位2強という構図は続いている状況だ。
 

四半期の営業利益20億円未満の企業をまとめたのが次のグラフだが、13社中8社が赤字計上となるなどかなり厳しい環境下にある。ただ、赤字計上企業は前述の通り、7社が前回と同じ顔触れで、enishとイグニスは3四半期連続、ケイブは4四半期連続、オルトプラスは5四半期連続の赤字と赤字計上が恒常化しつつある。これらの企業は抜本的な立て直し策が進んでいくのかどうかが、今後の焦点となってきそうだ。
 

なお、前回断トツの赤字計上となっていたgumiは、ほぼ収益トントンの状況まで損益が改善した。ここから次の四半期にさらに改善を進められるのか引き続き注目されるところだろう。
 

■ミクシィの売上高はガンホーのピーク時とほぼ同水準に


続いて、先ほどから何回か話題として取り上げているミクシィとガンホーの売上高、営業利益の比較を過去3年分のデータで見てみたい。グラフを見ると分かるのだが、ガンホーの売上高、営業利益のピークは2014年の1~3月期となっている。今回、ミクシィの売上高はそのガンホーのピーク時の売上高とほぼ同水準まで伸びた形になり、ここからさらに売上高を伸ばしていく余地があるのかどうかを含めて、真価を問われる場面となりそうだ。
 

一方、営業利益の比較を見ると、こちらはミクシィの営業利益はガンホーのピーク時にまだ及んでいない状況だ。ただ、この4~6月期のミクシィはマーケティング費用の増加などで、ここにきて利益の成長鈍化、利益率の低下傾向が見受けられる。これが一時的なものなのか、それとも恒常的に利益率は下がっていくことになるのか、次の7~9月期決算の結果でじっくりと見極めたい。
 
 

■大手、そのほかの上場SAPとも前四半期比で売上高が減少


モバイルゲーム大手の売上高推移と営業利益推移をまとめたのが次の2つのグラフだ。売上高は前四半期と比べて減少した。なお、売上高が減収となっているのはガンホー、LINE、グリーの3社。一方、ミクシィ、コロプラ、DeNAが売上高を伸ばしたが、ガンホーとLINEの減収分が大きく、カバーするには至らなかった。

また、営業利益も同様に前四半期と比べて大きく減少した。こちらは前述の通り、6社のうちミクシィのみが増益という数字がそのままストレートに反映された結果とも言えるが、特に利益の絶対額の大きいガンホーの減益が影響したと言えるだろう。

ただ、売上高、営業利益とも前四半期は下回ったが2四半期前の数字は上回っており、ここでマイナストレンドに転じたのか、それとも中長期では成長トレンドを維持しているのかは、次の四半期以降に問われることになるだろう。
 


今度は四半期売り上げ規模100億円未満の上場SAP13社分の売上高推移を見てみたい。今回から2ヶ月前の業績値ではあるが、gumiとエイチームのエンタメ事業の売上高もグラフに追加してみた。こちらは、2014年7~9月期をピークに伸び悩んでいることは否めないだろう。特に今回追加した2社の分を除くと伸び悩みというよりも減少傾向と言っても差し支えのない推移となっている。なお、前回も言及したシリコンスタジオ<3907>のコンテンツ事業は連続データがまだ不足しているため、今回も反映していない。おそらく、2015年11月期の本決算発表後に反映できるのではないかという見通しだ。
 

四半期売り上げ規模100億円未満の上場SAP11社分の四半期費用の推移を見ると、この4~6月期は前四半期比と比較して増加したことが分かる。各社とも費用の抑制には努めているものの、市場から求められるゲームのクオリティが高まっており、開発費用が膨らむ傾向にあるようだ。また、前四半期と比べると、ややプロモーション費用が増えた企業が多かったように見受けられる。これは次の四半期でその投資による効果が発揮されるのかどうかが問われるところだと言えるだろう。
 

ここまで全体の状況を見てきたが、前四半期と比べ、利益面で伸び悩みや、利益率の悪化を示す企業が増えているのが実情だ。それだけ1つのタイトルをリリースするためにかかる、開発費や広告宣伝費が必要になっているということなのかもしれない。そうなると今後はますます、企業の体力勝負となってくる部分は大きく、市場の淘汰・再編といったことも現実的に起こりうるのではないか。

続いて、各社の個別の状況を見てみたい。今回は増収減益が6社、減収減益が8社と減益企業が多数派となり、減収増益という企業は1社もない。
 

■増収増益組


・ミクシィ<2121>
『モンスターストライク』を含むエンターテイメント事業が四半期売上高で470億円を突破するなど順調に伸び、第1四半期(4~6月)は、売上高500億円(前年同期比3.9倍)、営業利益243億円(同5.2倍)、経常利益が243億円(同5.2倍)、四半期純利益159億円(同5.4倍)となるなど高成長を持続した。ただし、業績を四半期推移で見ると、売上高は前四半期で12.2%増、営業利益は同6.9%増となり、これまでの急成長ぶりから比較するとやや伸びが鈍化している。特に利益面については1ケタ台の伸び率となっているが、これはフンザやミューズコーの株式取得に伴うのれん償却額が増加したことも影響している。やや懸念されるのは海外展開で、中国版がTencentとの意向の違いが原因で10月19日に配信停止となるのは気掛かりな材料だ。なお、同社の四半期売上高500億円という規模は、ガンホーの売上高のピークだった2014年1~3月期と並ぶ規模となる。ここよりさらに上の売上高を目指せるのかどうかが、次の7~9月期は注目のポイントとなってきそうだ。
 

・ボルテージ<3639>
2015年6月期は、第1四半期(7~9月)で赤字計上、第2四半期(10~12月)も四半期推移(QonQ)で減収となるなど、苦しいスタートとなったものの、第3四半期(1~3月)、第4四半期(4~6月)と大きくばん回する展開となった。前年同期比で増収減益という結果以上に足元の内容は良好と言うことができるだろう。業績のけん引役は、恋愛ドラマアプリで、新規タイトルの『天下統一恋の乱 Love Ballad』や『鏡の中のプリンセス Love Palace』が順調に主力タイトルとして育ってきている。前期前半の苦戦の要因となったサスペンスアプリは、期初計画に対して売上高が25%程度にとどまったが、ストーリーを軸に収集・育成要素を注入した『六本木サディスティック騎士』を今秋にリリースし、立て直しを図るとしている。2016年6月期は、V字型の利益回復を見込んでいるが、まずは第1四半期(7~9月)でどういったスタート切ることができるのか、注目したい。
 

・エイチーム<3662>
6月に発表した第3四半期累計(8~4月)の決算は、売上高112億6400万円(前年同期比23.8%増)、営業利益16億4200万円(同61.9%増)と大幅な増収増益を達成した。また、四半期推移(QonQ)を見ても、売上高は前四半期比20.6%増、営業利益は同15.7%増と2ケタ成長となっており、極めて順調な決算内容となっている。そのけん引役は、やはり『ユニゾンリーグ』ということになる。『ユニゾンリーグ』はTVCM放映など積極的なプロモーション費用投下が功を奏し、DAU(デイリーアクティブユーザー)はCM前後で倍増したという。一方、気になるのは、韓国NHNエンターテインメントとの提携解消で、今後の事業戦略にある程度影響が出てくることは否めないだろう。ただ、懸念材料というほど深刻な影響を与えることはなさそうだ。なお、現在の通期予想から第4四半期(5~7月)の予想を計算すると大幅な減益予想となってしまう。足元の進捗状況を踏まえると、予想を上ブレての着地となることも予想されよう。
 

・イグニス<3689>
第3四半期の累計(10~6月)決算は、連結売上高で前年同期比14.5%減、3億円の営業赤字計上となっているため、ここに置くのは若干の違和感を覚えるが、四半期推移(QonQ)で見ると売上高は倍増、赤字幅が半減という結果になる。売上高の伸びに貢献しているのは、ネイティブソーシャルゲームにおける『ぼくとドラゴン』の成長だ。App Store、Google Playの各売上ランキングでも上位の常連となりつつあるが、それが業績面でもはっきりと結果に表れてきている。一方で、利益面については、まだまだ広告宣伝費など先行投資の部分が大きく、業績面への本格寄与は来期以降になる可能性もあるだろう。無料ネイティブアプリと全巻無料型ハイブリッドアプリは、ビジネスモデルとして大きな立て直しが必要な状況で、第4四半期(7~9月)、そして来期と立ち直りの兆しが見えるのか、しっかりと見定めたい。

・gumi<3903>
6月に発表した2015年4月期の連結決算は、売上高で前期比2.4倍、営業利益が4億円の営業黒字に転換という結果となったが、期中に営業赤字予想に大幅下方修正→一転黒字予想に修正というプロセスを経ており、単純には評価しがたいところはある。市場の信頼性という点でも課題を残す内容だったのではないか。とはいえ、業績を四半期推移で見ても、売上高は4.4%の増収、営業損益は約7億円の赤字幅縮小という結果になっており、収益制の改善は短期間でうまく進めることができたと言えるだろう。前四半期に落ち込んだ海外『ブレイブフロンティア』の立て直しや、『ファントムオブキル』の貢献、広告宣伝費の見直しなどがその要因で、『ファントムオブキル』は続く2016年4月期も貢献が期待されるところだ。なお、今期の第1四半期(5~7月)は前四半期比で20%の減収、11億円の営業赤字の見通しとしているが、これは前期の反省も踏まえた予想で、いささか保守的な数字かもしれない。
 

■増収減益組


・DeNA<2432>
2015年3月期の第4四半期(1~3月)に続き、今期の第1四半期(4~6月)も四半期推移で増収減益という結果になった。ただ、この四半期は前年同期比でも増収となっており、売上面ではようやく底打ちという局面に入ってきたとも言えそうだ。『ファイナルファンタジーレコードキーパー』に続くネイティブアプリのヒットタイトルが待望されるところだが、オリジナルタイトルの『戦魂-SENTAMA-』は順調な推移を見せているという。また、今秋リリース予定のバンダイナムコエンターテインメントとの協業タイトル『スーパーガンダムロワイヤル』が期待されるところだろう。任天堂<7974>との共同タイトル第1弾は年内の提供を予定しているが、こちらは今後の進捗状況をじっくり見守りたい。
 

・クルーズ<2138>
第1四半期(4~6月)の売上高は、四半期推移(QonQ)で12%の増収となったが、これはコマース事業の売上高が前四半期から7億円の増加となったことが大きく、コンテンツ事業はブラウザゲームの減収により、減収トレンドが続いている。一方、営業利益はQonQで67%の減益となったが、これはもともとコマース事業の利益率がコンテンツ事業と比べて低いことに加え、同事業が大規模プロモーションも実施したことで、第1四半期が赤字となったことも影響している。なお、順調なスタート切った『エレメンタルストーリー』は、iOS版が6月1日のリリースであり、収益とも本格寄与は第2四半期(7~9月)以降となる。第2四半期はコンテンツ事業の減収トレンドに歯止めがかかるのかどうかがまずは注目のポイントだろう。
 

・モブキャスト<3664>
第2四半期期間(4~6月)は、ネイティブゲーム『【18】』の順調な立ち上がりなどで売上高は四半期推移(QonQ)で8%の増収を達成した。同社のQonQでの増収は7四半期ぶりとなる。一方で、営業損益は前四半期比で赤字幅が2倍に拡大した。これはサッカーゲーム『Football Master』の開発に伴い発生した一時的なライセンス料の発生や、今後リリース予定のタイトルに関連した研究開発費用の増加が影響した。なお、続く第3四半期期間(7~9月)は、会社側の予想は非開示だが、『【18】』と新作『爆走!モンスターダッシュ』の大規模プロモーションが予定されており、その費用が発生することを踏まえると、増収減益というトレンドが継続する可能性がありそうだ。
 

・コロプラ<3668>
第3四半期期間(4~6月)の売上高は、『白猫プロジェクト』の好調、『バトルガールハイスクール』など新作の寄与で四半期推移(QonQ)で9.8%の増収を達成した。一方、利益については、第2四半期に抑えた広告宣伝費を増やし、積極的なマーケティング戦略を進めたこともあり、営業利益で同1.1%減と減益にとどまった。なお、その広告宣伝費は『白猫プロジェクト』と『魔法使いと黒猫のウィズ』に加え、『バトルガールハイスクール』のTVCMにも投下されており、『バトルガールハイスクール』は同社の成長を担う軸の1つとして期待されるタイトルになりつつある。なお、次の新作については来期以降の投入となる見通しで、第4四半期期間(7~9月)はリリース済みの新作3タイトルを含む現在配信中のタイトルでの成長を目指すことになる。そのため、会社側の計画線通りの推移が続く可能性は高そうだ。
 

・ケイブ<3760>
7月に発表した2015年5月期決算は、売上高が前々期比14.3%減、営業損益4億5500万円の赤字計上となった。ただ、業績を四半期推移(QonQ)で見ると、売上高は前四半期比40.9%増と大幅な増収を達成した。これは4月にリリースした『ゴシックは魔法乙女~さっさと契約しなさい~』の好調が大きく寄与したもの。一方、営業赤字は前四半期の9900万円から1億2500万円へと赤字幅が拡大し、利益貢献は時間がかかりそう。さらに四半期純損益の赤字幅は前四半期の9900万円から3億5000万円に拡大したが、これは3月にリリースした『PSYCHO-PASS サイコパス』の減損処理などで特別損失を計上したことなどが影響してる。2016年5月期の第1四半期は、売上高は引き続き『ゴシックは魔法乙女』の貢献が期待されるが、4四半期続いている営業赤字を改善できるきっかけをつかめるのかどうかが関心事となろう。
 

・サイバーエージェント<4751>
Ameba事業とゲーム事業の業績合計値で第3四半期(4~6月)期間は増収減益となった同社だが、これは同社の業績全体を見ても同様の傾向となっている。ゲーム事業はCygamesの『グランブルーファンタジー』に加え、ジークレストの『夢王国と眠れる100人の王子様』も伸びており、全体業績の伸びをけん引する一翼を担った。ただし、『グランブルーファンタジー』のTVCMに力を入れたことなどから広告宣伝費が前四半期比で7億円増加し、営業利益は減益にとどまった。一方、Ameba事業は、ブラウザゲームが減収に転じたこともあり、2ケタ超の減収減益となった。ネイティブアプリをリリースするなど対策は進めているが、売上減少に歯止めがかけられるかどうか、今後をじっくりと見極める必要があるだろう。
 
 

■減収減益組


・アクセルマーク<3624>
第2四半期期間(1~3月)は増収、黒字転換と収益改善となった同社だが、第3四半期期間(4~6月)は売上高が前四半期比23%減、各利益項目は赤字計上となった。モバイルゲーム事業において、変動リスクをヘッジする目的で他社との協業によるゲームタイトルのリリースを推進しているが、その結果として他社協業タイトルのネット(純額)売上の比率が自社で運用配信しているタイトルのグロス(総額)売上に比べて増加したことで収益規模が縮小している。なお、会社側が開示している2015年9月期予想から計算すると、第4四半期期間(7~9月)は売上高が前四半期比1.4%減、各利益項目は前四半期比で赤字幅拡大の予想となっており、引き続き苦戦が続く見通しだ。
 

・グリー<3632>
2015年6月期の連結決算は、売上高が前々期比26.4%減、営業利益は同42.2%減、経常利益は同30.6%減となり、当期純損益は従来予想の10億円の黒字予想から一転、103億円の赤字計上となった。子会社を通じて買収したFunzio,Inc.に係る無形固定資産(のれん等)の減損損失がその主な要因であり、海外、特に北米での低迷は同社の大きな課題となっている。一方で、国内は『消滅都市』の成長などネイティブゲームに明るい材料も出てきている。続く2016年6月期は第2四半期累計(7~12月)の連結業績予想を開示しているが、売上高が前年同期比26.3%減、営業利益が同46.0%減としており、当面は減収減益トレンドが続くことになりそうだ。
 

・KLab<3656>
第2四半期期間(1~3月)は、売上高が前四半期比14.9%減、営業利益が同47.8%減となるなど減収減益での着地となった。これは第1四半期決算の発表時に『ラブライブ! スクールアイドルフェスティバル』(『スクフェス』)の落ち込みや『BLEACH Brave Souls』のリリース時期変更(2015年春から夏へ)の影響などで大幅に落ち込むとしていた予想通りの内容となる。なお、『スクフェス』は第2四半期が運営上の端境期であったことが落ち込みの要因。続く第3四半期期間(4~6月)は、リリース後に好調な推移を見せている『BLEACH Brave Souls』の貢献や、『スクフェス』の大型アップデートによる効果もあって、売上高が前四半期比35.5%増、営業利益が同87.9%増とV字型の業績回復となる見通し。なお、『BLEACH Brave Souls』はこの計画上でも保守的な予想となっているもようだ。
 

・enish<3667>
第2四半期累計(1~6月)の決算は、売上高が前年同期比11.5%減、営業損益は6億2700万円の赤字計上となった。さらにこれを四半期推移(QonQ)で見てみると、第2四半期期間(4~6月)は、売上高が前四半期比10.5%減、営業損益は4億7700万円の赤字と前四半期比で赤字幅が3倍に拡大した。5月にリニューアルを実施した『千年の巨神』の売上高の不振の影響が大きく、新規タイトルの品質向上のためのリリース時期の延期も影響した。なお、同社は収益性の観点からプロダクトポートフォリオの見直しを実施し、従来予定の6タイトルから4タイトルに今後のリリースタイトルを絞り込むなど対策を進めているが、その立て直しにはしばらく時間がかかりそうだ。
 

・オルトプラス<3672>
2015年9月期の連結業績予想を5月に続いて再度下方修正し、今期は前期比で減収、大幅赤字拡大の見通しとなった。なお、業績を四半期推移(QonQ)で見てみると、第3四半期期間(4~6月)は売上高が前四半期比19.1%減、営業損益は3億2300万円の赤字(前四半期比8000万円の赤字幅拡大)と期を追うごとに業績の内容が悪化する形になっている。現状として、底が見えない状況になっているが、修正された今期予想を基に第4四半期期間(7~9月)の業績予想を計算してみると、売上高は前四半期比9.6%の増収、各利益項目は前四半期比で赤字幅縮小という内容になっている。果たして本当に歯止めが掛けられるのかどうか、じっくりと見極める必要があるだろう。
 

・ガンホー<3765>
第2四半期累計(1~6月)の連結業績は、売上高が前年同期比12.7%減、営業利益が同22.9%減と2ケタ超の減収減益となった。主力タイトルである『パズル&ドラゴンズ』(『パズドラ』)の課金率が低下したことが大きく、四半期推移(QonQ)でも売上高は前四半期比15.5%減、営業利益は同24.9%減と大幅に落ち込んだ。ただ、『ディバインゲート』『ケリ姫スイーツ』『サモンズボード』といった、『パズドラ』に続くタイトルが着実にユーザーのすそ野を広げており、今後はこららのタイトル群がどれだけ『パズドラ』の減少分をカバーしていけるのかどうかが注目ポイントとなってくる。なお、同社は業績予想を非開示としているが、7月の月次売上高の見込みを前年同月比24.1%減と発表しており、第3四半期期間(7~9月)も苦戦が続くことになりそうだ。
 

・ドリコム<3793>
第1四半期(4~6月)決算は、売上高が前年同期比17.5%減、営業損益は前年同期の1億1100万円の黒字から2億500万円の赤字に赤字転落した。他社配信アニメ版権ゲーム2本(『ONE PIECE トレジャークルーズ』と『ジョジョの奇妙な冒険 スターダストシューターズ』)は引き続き安定的に寄与し、サイバーコネクトツーとの協業タイトル『フルボッコヒーローズ』も順調に推移したものの、既存ブラウザゲームの縮小や『崖っぷちバスターズ』の収益化の遅れなどが影響した。なお、業績を四半期推移(QonQ)で見てみると、売上高は前四半期比1.9%減、営業赤字幅拡大という結果になっている。続く第2四半期期間(7~9月)は売上高が前四半期比5.0%増、営業赤字幅が小幅縮小という予想になっているが、大幅な収益改善には少し時間がかかりそうだ。
 

・Aiming<3911>
第2四半期累計(1~6月)の連結業績は、前年同期比較が開示されていないため、通期計画対比の進捗率で見ると、売上高は57.6%、営業利益は79.9%、経常利益は79.4%、純利益は76.3%と特に利益面での好進捗ぶりが目立った。ただ、この業績を四半期推移で見てみると、第2四半期期間(4~6月)は売上高が前四半期比2.8%減、営業利益が同22.5%減という結果になっている。特に利益の減少率が大きいが、これは共同開発による新規タイトルの開発費の計上や海外ライセンスの一部の計上などにより売上原価が前四半期比で28.9%の増加となったことが主な要因のようだ。なお、同社は2015年12月期通期の予想を据え置いている。前年同期比では高成長となるが、この計画で想定すると開発費用の計上などは今後も続いていく可能性が高そうだ。
 

■まとめ


今回の集計期間は、大手とそのほかの上場SAPで二極化が進んでいたこれまでと比べ、19社中14社が減益となるなど、全体的な傾向として、特に損益面で負担が大きくなっている様子が見受けられた。これまでも取り上げてきた、タイトル1本当たりの開発費など費用負担が増加傾向にあることや、ユーザーからの要求水準の高まりによる開発期間の長期化が進んでいることが、やはりその要因として大きいのではないか。

特に問題なのが、赤字計上企業が半数近くの8社となり、継続的に赤字を計上している企業、赤字幅が徐々に拡大している企業もあることだろう。このまま市場から淘汰されてしまうことも懸念されるだけに、各企業の合従連衡、さらにはその先の展開など、いろいろな動きが出てくることも十分に予想される。

そういう意味では、3月に発表された任天堂<7974>とDeNAの提携は、今後の成否という課題はあるが、1つの指針となるのではないだろうか。
 
(編集部:柴田正之)

 
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