トーセ、15年8月期は売上高5%増、営業益32%増と大幅増益を達成…据置型ゲーム機の複数の大型案件が寄与、スマホ向け大型案件の開発も順調

ゲームソフト受託開発大手のトーセ<4728>は、10月9日、2015年8月期の連結決算を発表、売上高55億8000万円(前々期比5.8%増)、営業利益5億1900万円(同32.5%増)、経常利益6億7500万円(同55.1%増)、当期純利益4億1600万円(同2.1倍)と大幅な増益で着地した。また、同社は7月8日に通期業績予想の修正を発表していたが、今回発表された数字はいずれもその数字を上回っており、特に営業利益はその際に下方修正される前の期初予想の数字も上回って着地している。
 

ゲームソフト開発事業において、顧客による開発スケジュールの変更に伴って、開発完了時期が来期以降にずれ込んだ案件が発生したものの、据置型ゲーム機のマルチプラットフォーム向けを中心に複数の大型案件を開発完了することができたほか、モバイル開発事業において当期に受注したスマートフォン向け大型案件の開発状況も順調に推移したことがその要因となっている。

各セグメントごとの状況は以下の通り。

①ゲームソフト開発事業…売上高39億1900万円(前々期比0.5%増)、営業利益6億4100万円(同55.1%増)
開発条件の良い案件や有力タイトルの引き合いなど受注環境が良好に推移する中、顧客による開発スケジュールの変更に伴って、開発完了時期が来期以降にずれ込んだ案件が発生したものの、据置型ゲーム機のマルチプラットフォーム向けを中心に複数の大型案件を開発完了することができたほか、顧客による仕様追加に伴って開発売上が増加した案件が複数発生したことなどから、開発売上は38億3700万円となった。運営売上は、スマートフォン向けゲームの運営業務が順調に推移した結果、3400万円となった。ロイヤリティ売上は、過年度に開発完了したタイトルを中心として、4600万円となった。

②モバイル開発事業…売上高12億1900万円(同17.5%増)、営業利益1億7400万円(同14.7%増)
スマートフォン向けコンテンツの旺盛な開発需要を背景に、開発業務はおおむね計画通りに進行し、当期に受注したスマートフォン向け大型案件の開発状況も順調に推移した結果、開発売上は7億100万円となった。運営売上は、顧客による開発スケジュールの変更に伴って運営業務の開始時期がずれ込んだ大型案件があったことや既存の非ゲーム系スマートフォン向け案件の運営売上が当初の想定を下回った結果、3億7900万円となった。ロイヤリティ売上は、スマートフォン向けコンテンツのロイヤリティ売上が好調に推移した結果、1億3800万円となった。

③その他事業…売上高4億4000万円(同31.2%増)、営業損益2億9600万円の赤字(前々期実績1億7300万円の赤字)
パソコン向けアバター制作業務が堅調に推移したものの、デジタルメディア分野など新規事業におけるコンテンツ開発の受注状況が低調に推移したことに加え、オンライン・コミュニティ分野に関する新規事業についても進展が当初の想定よりも遅れたことから、開発売上は2億9400万円となった。運営売上は、子会社フォネックス・コミュニケーションズが展開するスマートフォン向けコンテンツ配信サービスにおいて、音楽及びエンターテイメント業界の大型コンサートなどで実績を拡大したほか、様々な業種での採用が進んだことから、6500万円となった。ロイヤリティ売上は、「Wii U」向け家庭用カラオケ楽曲配信事業を中心として、8000万円となった。一方で、東南アジア向けコンテンツ配信事業など新規事業の推進にかかる費用が先行した。

なお、2016年8月期通期の予想については、売上高61億1200万円(前期比9.5%増)、営業利益6億7300万円(同29.7%増)、経常利益7億200万円(同4.0%増)、当期純利益4億100万円(同3.5%減)の見込み。
 

 
株式会社トーセ
http://www.tose.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社トーセ
設立
1979年11月
代表者
代表取締役会長 齋藤 茂/代表取締役社長 渡辺 康人
決算期
8月
直近業績
売上高56億6200万円、営業利益4億6900万円、経常利益5億500万円、最終利益3億1000万円(2022年8月期)
上場区分
東証スタンダード
証券コード
4728
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