MCF新代表理事に就任した千葉功太郎氏&泉博史氏インタビュー


一般社団法人モバイル・コンテンツ・フォーラム(MCF)代表理事に就任したコロプラ<3668>副社長の千葉功太郎氏(事務局担当理事)と、エムティーアイ<9438>副社長の泉博史氏(知財・著作権委員会担当理事)が11月27日、当サイトの取材に応じた。

変化の激しいモバイル業界に対応していくため、新しい技術やビジネスモデルを有するサービスを展開するスタートアップ企業を会員として積極的に迎え入れる方針だという。インターネットベンチャーとMCF会員企業との事業提携の機会をつくるミートアップ イベント(MCF Meetup Night)を1月以降、毎月開催するとともに、創業10年以内の企業は初年度入会金を無料にすることを明らかにした。また、モバイル業界においては、エンジニア不足が恒常化しているが、エンジニアを業界に呼びこむため、開発者向けのカンファレンスやイベント、勉強会などを強化していく考えを示した。

―――:よろしくおねがいいたします。まず、就任してのお気持ちはいかがでしょうか。

泉氏:MCFは発足して15年になります。iモードの時代から着うた、ソーシャルゲーム、スマホの時代を経て、業界内で起こる様々な問題に対して、業界の企業や関係省庁と協力しながら取り組んできた団体です。これからはモバイルやスマホに限らず、IoTやビッグデータ、AI、ロボットなどのテクノロジーが成長していくなかで、新しいサービスが多く出てくると見ています。また、「UBER」などに代表されるように、新しいビジネスモデルを持ったサービスが出てくるでしょう。そのなかで業界としてやることは山ほどあると認識しています。取り組む課題は取捨選択しながらとなりますが、古い企業と新しい企業が一緒に取り組むことで、良い化学反応が起きるのではないかと期待しています。

千葉氏:MCFは、iモードから現在までの15年間で、大きく変化しました。せっかく代表理事を担当させていただけるわけですが、時代の変化に合わせた形の、新しいMCFとしての価値を作れないかと考えています。さきほど泉さんがおっしゃった、新しい技術やビジネスモデルをひっさげる企業が団体に入ってきて、そこで化学反応が起きるためのベースを作っていかなくてはなりません。モバイルコンテンツ業界では、各社が新しいサービスの提供に取り組んでいますが、この先、必ず何かの問題が起きるでしょう。各社はいま元気ですから1社ごとにバラバラに動いていますが、その問題を解決するために、しかるべき会社が集まって問題解決を話し合って意見をまとめ、問題解決に取り組んでいくことが必要だと思っています。

―――:MCFは本当にいろいろな企業が入っています。意見をまとめるのも簡単ではないかと思いますが。

泉氏:そうおっしゃるのもわかります。しかし、激動のモバイル業界にあって、MCFは常に変化に柔軟に対応してきたからこそ存在し続けていると思います。そして、その時代時代に発生した問題に対して、問題を共有するプレイヤーが一緒に活動し、解決してきました。こんなに色々な活動をやって大丈夫かと思うこともありますが、「時代について行くぞ」というエネルギーがMCFにあるからこそやれていると思います。

―――:MCFの活動を拝見しましたが、端末からコンテンツ、グローバル展開、法規制、税金まで本当に活動内容が多岐にわたっていますね。

千葉氏:代表理事に就任するにあたって、ここ5、6年分の活動を見ましたが、本当に活動の幅が広いんですよね。こんなにやっている社団法人はなかなかありません。しかも各部会の活動もきちんとしていて、いずれも質が高いです。これまで、こんなに素晴らしい活動をしているのに気付きませんでした。私自身、本当にもったいないことをしたなと思っています。

―――:これからこうしたいきたいということはありますか。

千葉氏:すでに発表したものですが、具体的にはまず2つあります。「MCF Meet Up Night」というイベントを来年1月以降、定期的にやります。全2時間の構成で、1時間のなかで新しいサービスを作ったベンチャー6社がMCF会員企業に対してピッチを行います。VCとスタートアップが出会うイベントはたくさんありますが、MCFの幅広い会員企業がスタートアップのピッチを聞いて、事業提携をマッチングする機会はなかなかないと思います。MCFの力は幅広い事業会社が会員になっていることです。新しい会社と事業提携、あるいは事業提携と出資がセットとしてできると、両社によって新しい価値になると思います。

もうひとつは、ディベロッパー向けのカンファレンスやイベント、テクノロジー勉強会などを積極的にやっていきたいと考えています。これまで実施してきた「SPA JAM」はそのひとつですね。MCFの会員企業はエンジニア採用したい、優秀なエンジニアと出会いたいと思っているところが多いと思います。優秀なエンジニアがIT産業、モバイルインターネット産業に興味を持ってもらえるようにしなくてはなりません。


泉 氏:2人の共通認識として、時代はまだまだ変わっているということがあります。MCFは、iモードの時代から入っている企業もかなり多いですが、今後も時代に即した活動をもっとやっていく必要があります。そして、それにふさわしいメンバーを集めていく必要があります。新しい取り組みはすでに発表しましたが、それ以外にも何か新しい風を起こしたいと考えています。具体的なところはこれからです。MCFという団体の体力の範囲内でやれることはどんどんやりたいですね。

―――:MCFとしてグローバルを重視されていますが、この点に関しては。

千葉氏:フィンランドのInvestment in Finland(IIF)やバルセロナ市政府のBarcelona ActivaなどとMOUを昨年締結するなど、インターネットベンチャーが盛んな国とMCFが提携をして、それぞれの企業同士が交流するといったことをはじめました。それを引き継いでいくことになるでしょう。日本国内でそこそこビジネスができてしまうので、日本企業は日本にフォーカスしがちですが、世界中には英語を使ってグローバルなサービスを提供していくところが多いです。その点の意識を変えるために、MCFが引っ張っていかないといけないと思います。

泉 氏:海外からやってくる新しいサービスについて、これまではどちらかというと、「黒船」という言い方をしていました。日本の規制やルールを強引に変えていく印象がありますよね。そういった意識も変えていく必要があるのかなと思っています。

千葉氏:経済産業省の方々とディスカッションしたとき、外国から外貨を稼ぐには、どうしたらいいのか、それをプラットフォーム化、仕組み化するにはどうしたらいいのか、といったことに興味を持っているとのことでした。日本のモバイル企業が日本国内でビジネスするのも大切だが、海外市場への取り組みをMCFと一緒にやりたいとおっしゃっていただきました。一企業としては取り組みに限界がありますし、団体としてやるメリットがそこにあります。

泉 氏:今回就任にあたって、MCFのこれまでの活動を確認しましたが、活動内容やその知見などについて、私自身も多くの気づきが多くありました。多岐にわたる活動をやっていますので、MCFに入るメリットとして、こういう付加価値の高い情報や気づきが得られる点にあります。若い企業が入っておいても損はないと思います。MCFは、社団法人として堅実な運営を行っていますが、その活動基盤は会員あってこそです。入会してしっかりと定着してもらえるように活動する必要があります。

千葉氏:Social Game Infoをご覧の企業の皆様もMCFにぜひ興味を持っていただければと思います。創業10年以内のベンチャー企業ですと、理事会の承認があれば、初年の入会金・会費が無料になることが決定しましたので、創業10年以内の会社の方はぜひ入会をご検討ください!

―――:ありがとうございました。
 
(編集部 木村英彦)

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