【発表会】オリジナル版の雰囲気を大切にした新生『ロマンシング サ・ガ2』がスマホに コラボウィスキーやオーケストラCDなど新情報続々


スクウェア・エニックスは、2015年12月15日(火)、銀座B.E.HOUSEにおいて、「サガシリーズ×信濃屋 コラボレーションウィスキー」の発表会を開催した。

当日は、スマートフォン・PlayStation Vita版『ロマンシング サ・ガ2』に関する発表のほか、コラボレーションウイスキーについて信濃屋食品 スピリッツバイヤーの北梶 剛さんを招いて、発売に至った経緯などが語られた。本稿では、『ロマンシング サ・ガ2』のお披露目とコラボウィスキーの試飲が行われた発表会の模様を取材。

 

■開発状況は80%…オリジナル版の雰囲気を大切にした新生『ロマサガ2』



▲市川雅統氏

はじめに、スマートフォン・PlayStation Vita版『ロマンシング サ・ガ2』プロデューサーであるスクウェア・エニックスの市川雅統氏が登壇。同氏といえば、『エンペラーズ サガ』や『インペリアル サガ』など数々の『サガ』シリーズを手掛けてきたプロデューサー。

2015年は『サガ』シリーズが25周年という節目の年で、これまでも新しいことにチャレンジしてきた市川氏。なかでも六本木ヒルズで展開したタイトル名繋がりの佐賀県とのコラボでは、7000人もの来場者数を記録するなど大盛況となった。続く第2弾では、佐賀県内でラッピング列車が走ったり、シリーズのメインイラストレーターである小林智美さんのイラストを用いたコラボグッズを販売したりと、こちらも好評を得た。

「しかし、25周年。まだまだやりたいことがある」と市川氏が続けて発表したのが、速報(関連記事)でもお伝えしたスマートフォン・PlayStation Vita版『ロマンシング サ・ガ2』。
 

▲ロゴは、佐賀県を代表する書家・江島史織氏によるもので、コラボイベント『ロマンシング佐賀2』でも使用された。市川氏は「力強さもあり、かつ滑らかさもある」と新しいロゴを好評した。

『ロマンシング サ・ガ2』といえば、1993年にスーパーファミコン向けに発売された、 累計販売本数100万本を超える人気RPG。プレイヤーは、長きにわたる七英雄との戦いに決着をつけるべく、バレンヌ帝国の歴代皇帝となって世代を超えた戦いに赴く。後のシリーズにも引き継がれる“技の閃き”や“戦闘陣形”といったバトルシステムは本作から導入された。自由に冒険できる“フリーシナリオシステム” に、主人公を入れ替えながら冒険する“皇位継承システム” を融合させて、 一国の歴史を描くという壮大なストーリーは、シリーズの中でも特に人気の高い作品となっている。
 
▲当時のパッケージ

そして、スマートフォン・PlayStationVita版『ロマンシング サ・ガ2』では、キャラクターのドット絵をはじめ、1993年に発売されたオリジナル版のイメージを保ちながらも、背景やバトルのグラフィックを一新。各対応ハード向けに操作 性の最適化を図り、いつでもどこでもお手軽に冒険することが可能。また、2010年に発売されたモバイル版『ロマンシング サ・ガ2』で追加された「クラス(職業)」、「オリジナルダンジ ョン」などの要素も、本作ではセレクトが可能で、すべてワンパックで楽しめるのが嬉しい点だ。

「本作はリマスター版という位置づけ」と市川氏は言葉を添えた。
 




「ゲームクリエイターでもリスペクトしている方が多い。今の30~40代の方が衝撃を受けた一作。私が最初に遊んだときは、あまりにも難しすぎて挫折したが、開発側の立場にまわって、改めて当時の思想や『ロマサガ』がやろうとしていたことを知り、本当に素晴らしいゲームだと思った」と『ロマサガ2』に対する思い出を語った市川氏。
 

▲2010年に発売されたモバイル版『ロマンシング サ・ガ2』で追加された「クラス(職業)」の忍者と陰陽師も導入予定。また、元々のオリジナル版に近いバージョンでも遊べるように調整中という。
 

▲市川氏自らの試遊では、グラフィックのこだわりについて触れた。原版の雰囲気を損なわないように、一新したグラフィックもすべてドット絵で表現しており、細かい戦闘の背景はもちろん、キャラクターのアニメーションにもこだわったようだ。UI(ユーザーインターフェイス)では、他のスマホに移植されたRPGと比較しても遊びやすい形となっており、コントローラーでも遊べるようになっている。
 
開発状況は、現在80%とのこと。最終調整を行っている段階で、2016年の早いうちにはリリースできるという。

ここで、同シリーズの生みの親でもあるスクウェア・エニックスの『サガ』シリーズ・エグゼクティブプロデューサーの河津秋敏氏が登壇し、リマスター版『ロマサガ2』に対して「随分前から話に挙がっていた案件だったが、グラフィックの解像度など結構ハードルが高かった。今回、良い開発メンバーと巡り合い、クオリティの高い形で実現できた」とコメント。
 

▲河津秋敏氏

 

■キャラクターをイメージしたコラボウィスキーも登場

 
続いて、25周年企画のひとつ「サガシリーズ×信濃屋 コラボレーションウィスキー」が発表された。お酒好きの市川氏と河津氏が、25周年企画を考える際に「25年もののウィスキーがあればいいよね」と、率直な思いつきから始まった本企画は、じつは企画段階から数えて1年以上も要したビッグプロジェクト。スコッチ・ウィスキーを手掛けるには、発酵・蒸留・熟成までを英国はスコットランドで行わなければならない規則が定義されているため、結果として時間がかかったという。しかし、時間がかかったぶん「いい形で出来上がった」と市川氏と河津氏は語った。

ここで、今回のコラボウィスキーを手掛けた信濃屋食品 スピリッツバイヤーである北梶剛さんが登壇。
 

▲北梶剛さん(写真中央)

自身も昔『ロマサガ2』をプレイしていた北梶さんは、「まさかこうして仕事に繋がるとは…」と感慨深けにコメント。今回コラボウィスキーを手掛けるにあたり、事前に市川氏からイメージするキャラクターなどを聞いて、スコットランドやドイツなどに赴いては、キャラクターに結びつくウィスキーを探し歩いたという。そうして完成したのが、下記の3本。
 

▲『ロマサガ2』の皇帝のひとり、ジェラールをイメージしたこちらは、1990年に仕込まれたブナハーブン。


▲『アンリミテッド:サガ』に登場するイスカンダールをイメージした、クライヌリッシュ1996。豪華絢爛なキャラクターデザインとマッチした、華やかでフルーティーな味わいになっているという。
 

▲新作『サガ スカーレット グレイス』に登場するファイヤーブリンガーをイメージしたカリラ2006。3本のなかでは一番年代の若いものではあるが、力強くてはっきりした味わいが特徴という。



▲ラベルの裏には、河津氏によるキャラクターへのコメントが記載。
 

■ジェラール (ブナハーブン1990)
価格:22,500円(税抜)

■イスカンダール (クライスリッシュ1996)
価格:17,500円(税抜)

■ファイヤーブリンガー (カリラ2006)
価格:15,500円(税抜)

■発売日 2016年1月15日
信濃屋ショップ店舗予約開始:2015年12月23日~販売予約数終了まで ※一部店舗を除く
信濃屋WEBショップ予約開始;2016年1月8日正午~販売予約数終了まで
 

▲ここで、スクウェア・エニックスの執行役員である橋本真司氏を混じえての試飲が行われた。ジェラールをイメージした25年もののブナハーブン1990を試飲した橋本氏は、「芳醇な香りは飲んでいて感動しますね。勿体ないのでちびちび飲みたいです」とコメント。一般の方から見ると、少しお値段高めにも見えるが、ウィスキー好きの方から見ると安いほうだという。また、一部のバーでも卸されるとのことで、気軽に飲めるようなコラボイベントも考えていると市川氏。



 

■本格的なフルオーケストラCDにも注目



また、25周年記念として、歴代『サガ』シリーズの人気楽曲がフルオーケストラの生演奏で収録された「サガオケ! The Orchestral SaGa - Legend of Music -」が2016年春に発売予定であることも発表された。『サガ』シリーズでは、今回が初となる本格的なオーケストラCD。伊藤賢治氏の監修のもと、パイプオルガンなど多種多様な楽器が使われており、壮大な内容に仕上がっているという。
 



最後にそれぞれのコメントで発表会は締めくくられた。「『エンペラーズサガ』や『インペリアルサガ』も好評です。両タイトルとも大型アップデートを行う予定です。ぜひお楽しみください」(市川氏)、「もう25周年は終わってしまし、ひとつの区切りになりました。ですが、新情報などは2016年から本格的になりますので、ご期待ください」(河津氏)、「弊社は複数のタイトルを保有していますが、なかでも『サガ』シリーズは永遠に語り継がれる作品のひとつだと思います。これからも応援をお願いします」(橋本氏)。

また、新作『サガ スカーレット グレイス』について河津氏は、「今年に間に合うように頑張っていましたが、より良いものに仕上げるため遅れています。新作は来年の発売を目指して鋭意制作中です」とし、続けて橋本氏が「熟成中です」と粋なコメントを添えた。
 





■『ロマンシング サ・ガ2』
 


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株式会社スクウェア・エニックス
https://www.jp.square-enix.com/

会社情報

会社名
株式会社スクウェア・エニックス
設立
2008年10月
代表者
代表取締役社長 桐生 隆司
決算期
3月
直近業績
売上高2428億2400万円、営業利益275億4800万円、経常利益389億4300万円、最終利益280億9600万円(2023年3月期)
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