ヤマハ、Unity上で歌声合成技術「VOCALOID」を利用したインタラクティブコンテンツを開発できる「VOCALOID SDK for Unity」を提供開始

ヤマハ<7951>は、ユニティ・テクノロジーズ・ジャパンが提供するゲームエンジン「Unity」上で、歌声合成技術「VOCALOID」を利用したインタラクティブコンテンツを開発することができるソフトウェア開発キット「VOCALOID SDK for Unity」の提供を開始した。ヤマハの「Unity with VOCALOID」特設サイトよりダウンロードすることができる。

ヤマハとユニティ・テクノロジーズ・ジャパンは、誰もが自由に「Unity」上で「VOCALOID」の歌声を利用した音楽ゲームやインタラクティブなコンテンツを開発できるようにするための合同プロジェクト「Unitywith VOCALOID」に取り組んできた。「VOCALOID SDK for Unity」は、このプロジェクトの成果の一つで、「Unity」の開発環境からシームレスに「VOCALOID」の歌声合成エンジンにアクセスして、その機能を利用することを可能にする「Unity」向
けのソフトウェア開発キットとなっている。「VOCALOID SDK for Unity」を使えば、ゲームのシチュエーションやユーザーの操作に連動してリアルタイムに歌声を合成し、キャラクターに歌を唄わせたり、その歌い方を変化させたりするようなインタラクティブなコンテンツを容易に開発することが可能となる。

また、「VOCALOID SDK for Unity」にインポートすることで、コンテンツ上の歌声音源として利用できる歌声ライブラリ「Unity ランタイム版 VOCALOID Library unity-chan!」をあわせて提供する。この歌声ライブラリは、ユニティ・テクノロジーズ・ジャパン公式キャラクターである「ユニティちゃん」のオリジナルボイスで、ユニティ・テクノロジーズ・ジャパンとヤマハの共同開発によって生まれたものとなる。

なお、「VOCALOID SDK for Unity」および「Unity ランタイム版 VOCALOID Library unity-chan!」は、制作されるコンテンツが「ユニティちゃんライセンス条項」(http://unity-chan.com/contents/license_jp/) に準拠する場合は無償で利用できる。
 

(以下、プレスリリースより)

<ソフトウェア開発キット「VOCALOID SDK for Unity」の特長>
1.使い慣れた開発環境からシームレスに「VOCALOID」の機能を利用可能
「VOCALOID SDK for Unity」を利用することで、コンテンツ開発者が使い慣れた「Unity」の開発環境からシームレスに「VOCALOID」の歌声合成エンジンの機能にアクセスできます。これにより、ゲーム操作やコンテンツのシーンの変化に合わせて歌声を合成し、その歌い方を変化させるといったインタラクティブなコンテンツが容易に開発できます。また、作成したコンテンツ自体に歌声合成エンジンが自動的に組み込まれるため、コンテンツの配布時に特別な対応を行う必要もありません。

2.マルチプラットフォーム対応の専用歌声合成エンジンを搭載
「VOCALOID SDK for Unity」には、Windows(7/8/10)、OS X(10.10/10.11)、iOS(8.4/9.1)上で動作するマルチプラットフォーム対応の歌声合成エンジンが組み込まれています※。また、歌声合成エンジンは、様々なコンテンツで軽快に動作するよう最適化されており、コンテンツ内での機敏なレスポンスとコンテンツの軽量化の両立を実現しています。
※将来バージョンでAndroidへの対応を予定しています。
 

3.シチュエーションやゲーム操作の変化にあわせた、様々な歌声表現が可能
「VOCALOID SDK for Unity」に搭載された歌声合成エンジンは、歌詞、メロディー、調声パラメータ、シンガー(歌声音源)などから構成されるシーケンス情報をもとに歌声を合成します。シーケンス情報は、アプリケーション内で直接生成するほか、別途パソコンや iOS デバイス用の「VOCALOID」で制作されたデータ(VSQ、VSQX)を読み込んで利用することが可能です。すべてのシーケンス情報はプログラム上で自由に操作・編集できるため、これによって、歌声を使った様々な演出や表現が可能となります。
 

4.「Playback モード」と「Realtime モード」の2つの合成モードを搭載
「VOCALOID SDK for Unity」では、ゲームやコンテンツ内の様々なシチュエーションや操作に対応するために「Playback モード」と「Realtime モード」の2つの合成モードを搭載しています。「Playbackモード」は、一定の先行時間(500ミリ秒+α)を設けた上で歌声の明瞭度や音質を優先して合成を行うモードで、ボーカルフレーズに豊かな表情や変化を与えて歌わせたい場合に適しています。「Realtimeモード」は、リアルタイム性を再優先に合成を行うモードで、歌声を利用したリズムゲームや楽器アプリケーションなどの用途に適しています。

<歌声ライブラリの提供について>
・ランタイム版(提供開始)
「VOCALOID SDK for Unity」の公開にあわせて、SDKにインポートすることで、コンテンツ上の歌声音源として使用できる歌声ライブラリ「Unity ランタイム版 VOCALOID Library unity-chan!」を提供します。この歌声ライブラリは、単なるサンプルボイスとしてではなく、「ユニティちゃん」のキャラクターが持つ世界観を表現するために開発されたもので、ユニティ・テクノロジーズ・ジャパンと当社との共同開発によって生まれました。

・パソコン版(1月中旬発売予定)、「Mobile VOCALOID Editor」版(1月下旬発売予定)
「ユニティちゃん」の歌声を使った音楽制作を様々な環境で楽しめるように、パソコン版「VOCALOID」で利用できる「ユニティちゃん」の歌声ライブラリのダウンロード販売を「VOCALOID SHOP」(https://net.vocaloid.com/)にて1月中旬より開始する予定です。また、iPadやiPhoneで「VOCALOID」による歌声制作が楽しめる「Mobile VOCALOID Editor」用の「ユニティちゃん」歌声ライブラリを「Mobile VOCALOID Editor アプリ内ストア」にて1月下旬に発売する予定です。

なお、2015年12月29日(火)から12月31日(木)にかけて東京国際展示場にて開催される「コミックマーケット 89」の西4階企業ブース No.131「unity-chan!」において、パソコン版歌声ライブラリのスペシャルパッケージ版の先行販売を行います。

<利用条件について>
「VOCALOID SDK for Unity」および「Unity ランタイム版 VOCALOID Library unity-chan!」は、これらを用いて制作されるコンテンツが「ユニティちゃんライセンス条項」(http://unity-chan.com/contents/license_jp/)に準拠することを前提に無償で利用できます。その他、パソコン用として発売されているものなど、既存の歌声ライブラリを歌声音源として利用したい場合については、その用途にあわせて個別の許諾・契約が必要となります。また、アプリケーションで使用する歌声ライブラリの新規開発についてもご相談に応じます。詳細は、当社の「Unity with VOCALOID」特設サイト(http://business.vocaloid.com/unitysdk/)をご覧ください。


 

「Unity with VOCALOID」
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