ゲームソフト受託開発大手のトーセ<4728>は、1月8日、2016年8月期の第1四半期(9~11月)連結決算を発表、売上高5億4700万円(前々期比28.2%減)、営業損益1億3000万円の赤字(前年同期3000万円の赤字)、経常損益1億700万円の赤字(同7000万円の黒字)、四半期純損益9100万円の赤字(同2600万円の黒字)と減収・赤字計上で着地した。
今期は顧客と取り決めた開発スケジュールの関係上、売上の計上時期が第2四半期以降に集中する予定で、第1四半期期間の業績は前年同期比で減収となる見込みの中、ゲームソフト開発事業の開発業務がおおむね計画通りに完了。さらにスマートフォン向けコンテンツのロイヤリティ売上が引き続き好調に推移した結果、売上高は当初の想定を上回ったとしている。
なお、期中の開発完了タイトル数は、家庭用ゲーム機向け3タイトル、携帯端末向け2タイトルの合計5タイトルとなった。
各セグメントごとの状況は以下の通り。
①ゲームソフト開発事業…売上高1億9800万円(前年同期比51.6%減)、営業損益1億400万円の赤字(前年同期1700万円の赤字)
開発条件の良い案件や有力タイトルの引き合いなど受注環境が良好に推移する中、開発業務がおおむね計画通りに完了した。さらに「ニンテンドー3DS」向け開発案件の完了時期が顧客による開発スケジュールの変更に伴って、第2四半期から第1四半期に前倒しとなった。
②モバイル開発事業…売上高2億7900万円(前年同期比1.5%増)、営業利益4400万円(同3.7%増)
スマートフォン向けコンテンツの旺盛な開発需要を背景に、前期に受注したスマートフォン向け大型案件を計画通り完了できたものの、一部の新規案件で受注に至らなかった案件が発生した。運営売上は、既存の案件がおおむね順調に推移するとともに、第1四半期から複数の大型案件の運営業務を開始した。ロイヤリティ売上については、スマートフォン向けコンテンツのロイヤリティ売上が引き続き好調に推移した。
③その他事業…売上高6800万円(前年同期比9.6%減)、営業損益7000万円の赤字(前年同期5500万円の赤字)
パソコン向けアバター制作業務がおおむね計画通りに推移したものの、その他のコンテンツ開発の一部案件において開発完了時期が第2四半期以降にずれ込んだ。運営売上は、子会社フォネックス・コミュニケーションズが展開するスマートフォン向けコンテンツ配信サービスにおいて、音楽及びエンターテイメント業界で採用実績を拡大したほか、コンビニエンスストアでの販路拡大など新たな取り組みにも注力したが、受注金額は計画を若干下回った。また、東南アジア向けコンテンツ配信事業は、クライアントの有力IPを用いたスマートフォン向けコンテンツの配信を開始するなど進展が見られたものの、こうした新規事業の推進にかかる費用が継続して先行した。
なお、2016年8月期通期の予想については、期初予想から変更なく、売上高61億1200万円(前期比9.5%増)、営業利益6億7300万円(同29.7%増)、経常利益7億200万円(同4.0%増)、当期純利益4億100万円(同3.5%減)の見込み。
会社情報
- 会社名
- 株式会社トーセ
- 設立
- 1979年11月
- 代表者
- 代表取締役会長 齋藤 茂/代表取締役社長 渡辺 康人
- 決算期
- 8月
- 直近業績
- 売上高56億6200万円、営業利益4億6900万円、経常利益5億500万円、最終利益3億1000万円(2022年8月期)
- 上場区分
- 東証スタンダード
- 証券コード
- 4728