ドリコム、3Qは6.8億円の最終赤字に…開発中の2タイトルと『崖っぷちバスターズ』の減損損失で3.5億円の特損を計上 QonQで営業赤字は縮小

ドリコム<3793>は、1月28日、2016年3月期の第3四半期累計(4~12月)の業績予想の修正を発表、売上高は従来予想の50億円から48億8000万円に下方修正されたものの営業損益は同3億5000万円の赤字から3億1900万円の赤字、経常損益は同3億5000万円の赤字から3億2200万円の赤字と赤字幅が縮小した。ただし、四半期純損益は特別損失を計上したこともあって、同3億円の赤字から6億8900万円の赤字に赤字幅が拡大した。
 

第2四半期より他社版権ゲームを中心とした新たな事業戦略へ移行し、人的・財務的リソースを新規他社版権ゲームに集約して開発力を強化すべく、既存・開発中のゲームの収益性および社内リソースの配分を見直した。

開発中のオリジナルゲーム2本については、将来の収益性について保守的な再評価を行い、第3四半期における減損処理を決定した。なお、第4四半期においても引き続き開発は継続し、新規版権ゲームへの流用を視野に入れ、今後の方針について決定する予定としている。既存オリジナルゲーム『崖っぷちバスターズ』については、今後も収益性の改善が難しいとの判断から、第3四半期での減損処理を決定し、合計で3億5900万円の減損損失を特別損失として計上した。

併せて、第3四半期連結累計期間の事業進捗に伴い、主に当事業年度の営業損失により計上した繰延税金資産を取崩し、法人税等調整額3200万円を計上した。


各セグメントごとの状況は以下の通り。

①コンテンツサービス…43億5871万円(前年同期比11.9%減)、セグメント利益9855万円(前年同期比84.4%減)
主力のソーシャルゲーム事業では、他社配信アニメ版権ゲームが引き続きユーザーの支持を獲得し、業績へ安定的に寄与した。オリジナルゲームでは、『フルボッコヒーローズ』が前四半期に引き続き、他社コンテンツをゲーム内のキャラクターやモチーフとして用いるコラボレーション・キャンペーンを中心としたプロモーションを展開したほか、中核ユーザーに焦点をあてた運用・サポートに注力した『ちょこっとファーム』と『陰陽師』が、売上水準を維持しました。

『崖っぷちバスターズ』は、規模を縮小しての運用に移行し、運用にともなう赤字が減少した。なお、前述の他社配信のアニメ版権ゲーム2本の売上は、配信会社から一定比率の売上分配を得るかたちとなっているため、売上への影響は相対的に小さいものの、支払手数料が無く、利益に与える影響が大きくなる。

ソーシャルラーニング事業では、既存サービスの英語学習アプリ「えいぽんたん」の運用のほか、第2四半期にリリースした新たな英語学習アプリ「きこえ~ご」では、市場での認知度の向上に注力するとともに、学習効果の高さを活かしたサービスの提供など、アプリの成長に向けた取り組みを進め、事業拡張および採算性向上に注力した。


②広告メディアサービス…セグメント売上高6億7859万円(前年同期比2.8%減)、セグメント損益3億8460万円の赤字(前年同期2億9673万円の赤字)
広告メディアサービスのうち、広告領域ではリワード広告HeatAppRewardのほか、第2四半期に旧来の動画リワード広告「poncan」を刷新した、「DreeVee」を主力サービスとして事業展開した。動画掲載方法の多様化により、より多くの業種へサービスの提供が可能といった「DreeVee」の特徴を活かし、新たな業種の顧客開拓に注力した。メディア領域では、無料ミュージックアプリ「DropMusic」の運用のほか、新たなサービス開発にも取り組み、複数のサービスで、サービスクオリティの向上、サービス設計の改善などリリースに向けた試行が進んだ。
みました。

■QonQでは営業・経常赤字幅が縮小、四半期純損失は特損計上で拡大
業績を四半期推移(QonQ)で見てみると、売上高は前四半期8.1%減の15億5800万円となったものの、営業損益は2900万円の赤字(前四半期8500万円の赤字)、経常損益は2300万円の赤字(同8900万円の赤字)と赤字幅が縮小した。これは前述の『崖っぷちバスターズ』の規模縮小による運用赤字減少などが奏功したものだろう。

一方で、開発中の2タイトルと『崖っぷちバスターズ』の減損処理による特損計上などが響き、四半期純損益は4億7200万円の赤字(同6400万円の赤字)と赤字幅大きく膨らんでいる。
 

なお、2016年3月期通期の予想については、売上高65億円(前期比10.9%減)、営業損益3億円の赤字、経常損益3億円の赤字、当期純損益6億5000万の赤字の見込み。
 
株式会社ドリコム
http://www.drecom.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社ドリコム
設立
2001年11月
代表者
代表取締役社長 内藤 裕紀
決算期
3月
直近業績
売上高108億円、営業利益22億8100万円、経常利益21億9200万円、最終利益11億5900万円(2023年3月期)
上場区分
東証グロース
証券コード
3793
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