カプコン<9697>は、1月28日、2016年3月期の第3四半期累計(4~12月)の連結業績を発表、売上高570億6000万円(前年同期比19.3%増)、営業利益106億400万円(同9.0%増)、経常利益106億4000万円(同5.2%増)、四半期純利益106億4000万円(同7.1%増)と増収増益での着地となった。
主力のデジタルコンテンツ事業において、シリーズ最新作『モンスターハンタークロス』が好調なスタートを切り、当初の計画を上回る320万本と販売本数を伸ばすとともに、海外ではリピートタイトルのダウンロード販売も貢献した。
また、オンラインゲームでは、オープンワールドゲーム『ドラゴンズドグマ オンライン』が堅調に推移したほか、スマートフォン向けアプリ『モンスターハンターエクスプロア』のダウンロード数が300万件を超えるなど、好転の兆しが見えた。さらに、成長余力のある中国において、テンセントが同社との提携によるPCオンラインゲーム『モンスターハンターオンライン』の配信を開始し、順調な滑り出しを示した。
各セグメントごとの状況は以下の通り。
①デジタルコンテンツ事業…売上高360億8000万円(前年同期比11.3%増)、営業利益97億600万円(同14.6%増)
看板タイトルのシリーズ最新作『モンスターハンタークロス』(ニンテンドー3DSシリーズ用)が発売を待ち望んだユーザーの圧倒的な人気により大ヒットを放ち、当初計画250万本を上回る300万本を突破するなど、売上増加に大きく寄与した。また、『戦国BASARA4 皇』(PS4、PS3用)が定着したブランド力により底堅い売行きを示したが、『大逆転裁判 -成歩堂龍ノ介の冒險-』(ニンテンドー3DSシリーズ用)は、軟調に推移した。一方で、リピート販売やダウンロード版が海外を中心に健闘した。
また、オンラインゲームは、さまざまな遊びが自由に体験できるオープンワールドタイプの『ドラゴンズドグマ オンライン』(PS4、PS3、PC用)が堅調に推移したほか、モバイルコンテンツでは『モンスターハンター エクスプロア』(Android、iOS用)のダウンロード数が300万件を超えたことにより好転の兆しが見えた。
前第3四半期 | 当第3四半期 | 増減率 | |
売上高 | 32,408 | 36,080 | 11.3% |
営業利益 | 8,469 | 9,706 | 14.6% |
営業利益率 | 26.1% | 26.9% |
②アミューズメント施設事業…売上高65億7800万円(同5.4%減)、営業利益4億5900万円(同39.8%減)
中高年者を対象にゲームの無料体験ができるゲームセンターツアーやサービスデーの実施に加え、低年齢者向けに「あそび王国ぴぃかぁぶぅ」や「キッズコーナー」を増設するなど、女性や家族連れなど新規ファン層の獲得を図ることにより客層の拡大に努めた。しかし、目玉機種の不足やスマートフォン等、ユーザー層が重なる娯楽の分散化の影響による需要減退などにより弱含みで推移した。
「アミューズファクトリー常滑店」(愛知県)をオープンしたほか、趣向を凝らした飲食店「カプコンカフェ」(埼玉県)を開店するとともに、1店舗を閉鎖し、施設数は34店舗となった。
前第3四半期 | 当第3四半期 | 増減率 | |
売上高 | 6,952 | 6,578 | △5.4% |
営業利益 | 763 | 459 | △39.8% |
営業利益率 | 11.0% | 7.0% |
③アミューズメント機器事業…売上高130億9100万円(同87.0%増)、営業利益28億9500万円(同3.8%増)
パチスロ機部門は、『バイオハザード6』が安定したファン層に支えられ、順調に販売台数を伸ばしたことにより売上高を押し上げるなど、収益を下支えしたが、『アスラズ ラース』は軟調に推移した。一方、業務用機器部門は、停滞気味の市場を反映して『ルイージマンション アーケード』が弱含みに展開したほか、『crossbeats REV.』も苦戦を余儀なくされた。
前第3四半期 | 当第3四半期 | 増減率 | |
売上高 | 7,002 | 13,091 | 87.0% |
営業利益 | 2,789 | 2,895 | 3.8% |
営業利益率 | 39.8% | 22.1% |
④その他事業…売上高13億1000万円(同10.7%減)、営業利益3億5400万円(同22.7%減)
主にゲームガイドブック等の出版やキャラクターグッズなどの物品販売を行った。
前第3四半期 | 当第3四半期 | 増減率 | |
売上高 | 1,466 | 1,310 | △10.7% |
営業利益 | 458 | 354 | △22.7% |
営業利益率 | 31.2% | 27.0% |
なお、2016年3月期通期の予想については、従来予想から変更なく、売上高760億円(前期比18.2%増)、営業利益120億円(同13.4%増)、経常利益117億円(同7.8%増)、当期純利益77億円(同16.4%増)の見込み。
会社情報
- 会社名
- 株式会社カプコン
- 設立
- 1983年6月
- 代表者
- 代表取締役会長 最高経営責任者(CEO) 辻本 憲三/代表取締役社長 最高執行責任者(COO) 辻本 春弘/代表取締役 副社長執行役員 兼 最高人事責任者(CHO) 宮崎 智史
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高1259億3000万円、営業利益508億1200万円、経常利益513億6900万円、最終利益367億3700万円(2023年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 9697