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【KLab決算説明会】真田社長「強い危機感を持ってドラスティックに改革」 共同開発型パブリッシングと非ゲームの強化で成長と安定の両立を目指す

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KLab<3656>は、2月8日、2015年12月期の決算を発表するとともに、東京都内で証券アナリスト・機関投資家向けの決算説明会を開始した。発表した15年12月期の連結は、売上高209億1300万円(前の期比で2.2%減)、営業利益21億9800万円(同1.6%増)、経常利益19億1900万円(同25.1%減)、当期純利益7億円(同60.9%減)となった。利益に関しては振幅のあった同社だが、ゲーム事業に参入して以来、初めて売上高が前の期の実績を下回った。
 

また、第4四半期(15年10~12月期)の数字を見ていくと、売上高は前四半期比(QonQ)29.2%減の43億4300万円、営業損益は7300万円の赤字(前四半期7億2000万円の黒字)、経常損益2億1200万円の赤字(同5億1900万円の黒字)、四半期純損益2億3400万円の赤字(同2億6900万円の黒字)と減収・赤字転落となった。同社の営業赤字計上は、8四半期ぶりとなる。売上高50億円、営業利益0百万円という当初の見通しも下回った。
 

決算説明会に臨んだ真田哲弥社長(写真)は、「足元(第4四半期と第1四半期)は、悪い数字であり、強い危機感を持っている。これまでの延長線上で事業を展開するつもりはない」とコメントし、ドラスティックに改革を行うことを明かした(「」内の発言は真田社長)。具体的な施策としては、米国スタジオの閉鎖のほか、海外戦略の転換、タイトル開発戦略の変更、フィリピン子会社の位置付けの変更、ブロッコリー<2706>との提携など、矢継ぎ早に施策を打ち出し、早期の収益回復と成長路線への回帰を図るようだ。


 
第4四半期は『スクフェス』の落ち込む 『Glee Forever!』は減損

第4四半期の状況を中心に見ていこう。売上高はQonQで29.2%減の43億4300万円、営業損益は7300万円の赤字(前四半期7億2000万円の黒字)だった。
 

営業赤字となったのは、主力タイトルである『ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル(以下、スクフェス)』の売上が落ち込んだことによる。『スクフェス』では、コンテンツ供給が少なく、課金ユーザー数が減少したという。いわば「買うものがない」という状態だ。また、『BLEACH Brave Souls(以下、ブレソル)』は、リリース直後は想定を上回るペースで売上が急増したが、その後は課金継続率が低下し売上は減少した。2015年12月にリリースした『Age of Empires:World Domination(以下、AOE)』と『パズルワンダーランド』は売上への寄与は限定的だった。
 


 
▲費用は減少したが、これは売上連動型のものだった。例えば、アプリストアに支払う手数料や、権利元への使用料などは売上に連動するものとなる。また広告宣伝費も削減したが、主要タイトルのKPIが想定を下回ったため、広告出稿を控えたことによる。


 

▲海外売上高の比率は、前四半期の10.9%から13.5%に上昇した。売上高は前四半期との比較では横ばいだった。国内売上高が減少したため、結果として比率が上昇したそうだ。



なお、『Glee Forever!』の減損処理を行い、2億6200万円の特別損失を計上したことも明らかにした。全世界向けにリリースし、11月に大型アップデートを行った結果、売上は3カ月連続で前月比プラスとなった。しかし、継続率とARPU双方が想定を下回っており、広告効果も限られていることから、運用開始当初想定していた収益額の回収可能性は低いと判断したという。

『Glee Forever!』は、アプリのベースとなる部分については、日本で開発し、UIや表現、演出はアメリカが担当するという意味での共同開発だったそうだ。「欧米IPを使った欧米向けの新規ゲームアプリ開発からはいったん撤退する」。欧米で人気IPを活用したゲームアプリの開発の難しさを痛感したという。
 

幸い国内IPを活用した『BLEACH Brave Souls』は、アメリカはもちろん、フランス、ドイツ、イギリスなどのアプリストアの売上ランキングで上位に入るなど好調なスタートとなった。さらに英語版『スクフェス』も10~12月期は過去最高の売上だった。今後は原点回帰し、日本のIPを活用したゲームアプリを使って、アジアを中心として世界展開を図っていく考えだ。


 
第1四半期の見通し

第1四半期(1~3月期)の業績については、売上高43億4200万円(前四半期比変わらず)、営業損益3億5000万円の赤字、経常損益4億5000万円の赤字、最終損益4億8200万円の赤字と、減収・赤字幅拡大となる見通しだ。
 

業績予想の前提だが、売上については、『スクフェス』と『ブレソル』日本語版、『テイルズ オブ アスタリア』、『Glee Forever!』の売上が減少する一方、『ブレソル』英語版と『AoE』の売上が伸び、全体としては前四半期並みの数字になるとのことだった。

売上が横ばいとなるが、費用が増えるため、赤字幅が拡大する。昨年末にリリースした『AOE』と『パズルワンダーランド』の減価償却が始まることに加え、年始にテレビCMを放映したこと、そして、この四半期だけの突発的な業務委託費などが発生するため、と説明した。
 

なお、開発中のタイトルは、プロトタイプも含めて、6タイトルとなる。あくまで開発中のパイプラインであり、全てをリリースすることをコミットするものではない。この点は、これまでと変わらない。ゲームが満足できる仕上がりにならなければ、開発を中止することもありうるということだ。

前四半期の数字と比較すると、パイプラインは2タイトル減った。他社IP(知的財産権)タイトルは『AoE』をリリースしたことで1タイトル減った。また開発していた1タイトルを中止し、ブロッコリーのIPタイトルの開発に着手したという。オリジナルタイトルは、『パズルワンダーランド』をリリースしたことで、5タイトルから4タイトルに減った。
 


 
今後の展開

続いて個別タイトル・事業の今後の展開についての説明があった。

ブロッコリーとKLabは、1月8日にスマートフォン向けゲームアプリを共同で開発・運営することで提携する旨の発表を行ったが、今回、すこしだが、その進ちょくが明らかになった。真田社長は「ブロッコリーさんは、一般的な知名度のあるIPというよりも、強烈・熱烈なファンを持つIPを保有しておられる。当社は、これまでもそういった作品のゲーム開発に力を入れてきた。ブロッコリーさんとは、ゲーム開発にとどまらず、様々な協力関係を作っていきたい」と提携への意欲と期待を示した。
 

『スクフェス』については、足元は下降局面になるとの見方を示した。従来より、コンテンツ供給と連動してサイクルができると説明していたが、この点は変わらないという。ただ、待望の『ラブライブ!サンシャイン!!』の2016年のテレビアニメ化が決定し、同作に登場する「Aqours」がゲームに参加することが決定している。コンテンツが出揃うことで、昨年、一昨年のような形で数字が上がってくることを期待しているという。ブシロード社より、年始に国内版ログインユーザー数が4日連続で100万人突破とのアナウンスがあったように、高水準のアクティブユーザーをキープしている。「売り物」が揃った段階で再度の飛躍となりそうだ。またブシロードと共同でオフラインイベント「スクフェス感謝祭 2016」も実施する。
 

『ブレソル』は、昨年夏に華々しいスタートを見せたものの、その後は低迷した。ただ、1月に「共闘クエスト」を正式リリースして以来、「足元のDAU(日次アクティブユーザー数)がかなり上昇している」という。キャラ強化のアクセサリも新規で追加した結果、「買うものがない状態の改善が進んでいる」。また、英語版は、1月14日にリリースし、アメリカはもちろん、フランス、ドイツ、イギリスなどのアプリストアの売上ランキングで上位に入るなど好調なスタートとなった。今後、言語を追加し、アジア地域での配信にも注力する考えだ。
 

昨年末にリリースした『AoE』は、「改良を繰り返しており、徐々に改善しつつある」という。具体的には、Android端末の対応機種を増やすとともに、100MB以上あったアプリの容量削減にも取り組み、App StoreではWi-Fi経由でなくてもダウンロードできるようになったそうだ。ゲーム内のコンテンツについては、韓国ユーザーの要望に対応し、もともとAoEにはなかった朝鮮文明を追加するとのこと。このほか、PvP機能の開発を進めていると明かした。オンラインのユーザーとリアルタイムで対戦する機能となる。
 

このほか、イベント事業については、韓国の人気グループ「BIGBANG」のオフィシャルツアーを企画した。普段では取れないチケットに加えて、交通費やホテルもセットにして販売するものだ。「BIGBANG」の所属事務所と、近畿日本ツーリストとの共同企画となる。こういったツアーは、今後も不定期に開催する予定。イベント単体よりも売上・利益が大きくなるため、イベント事業の大きな収益源になりそうだ。
 


 
中長期目標と今期の方針

今後は、冒頭の発言にあったように、ドラスティックな経営改革を行っていくという。それでは、改革によって、KLabは、どういった姿を目指すのか。中期的には、ゲーム事業がほぼすべての収益を稼ぐ状態から、ゲーム事業(純内製)、パブリッシング事業(外製ゲーム)、非ゲーム事業がそれぞれ適切なバランスを占めるような状態を目指していく。KLabはもともとゲーム専業の会社ではなく、SIなどのビジネスも手がけていたが、ゲーム事業に集中するため、その他事業を売却してきた経緯がある。これが大きな成長を生む要因となったが、現在の市場環境を鑑み、内製ゲームだけでなく、パブリッシング事業とゲーム以外の事業も育成していく方針だ。
 

パブリッシング事業のモデルとして、共同開発型パブリッシング事業をあげた。パブリッシング事業というと、開発会社の作ったゲームアプリをパブリッシングするだけのものが多いが、KLabは、開発パートナーに費用負担を求めつつ、KLabの開発したSDK(ソフトウェア開発キット)を提供し、一緒に開発する点で異なっている。「共同開発者として初期から参画し、一定水準のゲームを出したい」という。異なる会社の開発者が一緒に開発に取り組むことで、"化学反応"も期待しているようだ。費用を共同で負担することで、開発費を抑え、外れた時の減損リスクの低減も期待できる。
 

非ゲーム事業については、積極投資を始める考え。前期中、KLab Entertainmentと、KVP(KLab Venture Partners)を設立したが、今期は黒字化を目指すとともに、複数の新規事業を開始する予定だ。中長期的にはゲーム事業に匹敵する規模に育成させる考え。新規事業は、短期的に黒字の見込める事業と、中長期的に大規模な事業に育つものとでバランスを取りながら進めていく。これ以外にも中期戦略に合致した企業のM&Aなども行う。このほか、オフショア開発拠点であったフィリピンだったが、利益を稼ぐための拠点に変えていく。

このほか、グローバル戦略上のフィリピン子会社KLab Cyscorpionsの位置付けも変わるとのこと。これまでKLabの展開するゲームアプリのオフショア開発拠点として機能していたが、近年、フィリピン経済の成長が著しいことを鑑み、フィリピン国内向けの新規事業にも着手する考えだ。フィリピンの経済成長を取り込み、KLabの新しい成長エンジンとなることを目指していく。
 

収益改善のために、コスト削減も行う。新規採用を抑制し、コスト削減を図り、早期の黒字化を目指す。その他コストも同様に見直す方針。また、前述のように、1人当たり人件費の高い米国子会社KLab Americaのスタジオを閉鎖し、マーケティングやビジネス開発部分も縮小するなどコスト削減を行う計画だ。
 
 
(編集部 木村英彦)
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