【アクセルマーク決算説明会】3タイトル終了の影響で1Qに続き、2Qも減収に 新作『ワールドクロスサーガ』は売上予想に含まず費用のみ計上


アクセルマーク<3624>は、2月9日、東京都内で2016年9月期の第1四半期(10~12月)の決算説明会を開催した。

説明会に先立って発表された第1四半期決算は、売上高6億2500万円(前年同期比17.8%減)、営業損益1700万円の赤字(前年同期3000万円の赤字)、経常損益1700万円の赤字(同3300万円の赤字)、四半期純損益3300万円の赤字(同5100万円の赤字)と減収、赤字計上での着地となっている。

説明会では、同社の尾下順治社長がまずは第1四半期の業績概要を説明し、第2四半期の業績予想、そして2016年9月期の事業戦略の説明を行った。今回はその内容をまとめてみた。
 

■サービス終了の影響でモバイルゲーム事業の売上高、利益が大きく減少


あらためて第1四半期決算を四半期推移で見てみると、売上高は前四半期比12.5%減、各利益項目は赤字転落という結果になっている。これをセグメント別の実績で見ると、広告事業、コンテンツ事業は微減、横ばいとなっているものの、モバイルゲーム事業が売上高、利益とも大きく減少する結果となっている。

この要因となったのは、Mobageで提供していたブラウザゲームの『王様ゲーム -共闘-』と『王国の系譜 ~クリスタルサーガ~』の2タイトルのサービスを終了したことと、期中に『大乱闘!!ドラゴンパレード』(提供:セガゲームズ)のサービス終了の発表を行ったことが大きく影響している。『大乱闘!!ドラゴンパレード』はサービス終了自体は1月6日だったものの、課金の停止は11月20日に行われている。
 


モバイルゲーム事業の2015年12月末の運用中タイトルは5タイトル(『大乱闘!!ドラゴンパレード』含む)となった。さらに同社のパブリッシングタイトルは『天空のレギオン』1タイトルのみとなっており、ほかは他社パブリッシングであるため、売り上げはネット計上になる。そのため収益構造的に売上高の数字は小さくなりやすくなっている。
 

続いて財務状況に目を移すと、固定資産が大きく膨らんでいる。これは「アジアのスタートアップ企業向け投資ファンドに出資したことと、オフィス移転により増加した」(尾下社長)とのことだ。
 
 

■2Q見通しに『ワールドクロスサーガ』の売り上げは含まず、費用のみ計上


続いて第2四半期期間(1~3月)の業績予想を見てみると、売上高は第1四半期実績対比で5.3%減、各利益項目は赤字幅拡大という見通しになっている。これはモバイルゲーム事業で3タイトルのサービス終了の影響が出ることや、『キングダム -英雄の系譜-』が1周年に向けた準備期間に入ること、広告事業で大口顧客依存からの脱却を進めていることが売り上げの減少の要因になるという。

一方、利益面については、今春リリース予定の新作『ワールドクロスサーガ -時と少女と鏡の扉-』のプロモーション費用などが発生することや、広告事業で「BRAND SCREEN」拡販に向けた人員増強を行うため、費用が増加するとしている。

なお、『ワールドクロスサーガ -時と少女と鏡の扉-』については、「保守的に第2四半期期間の予想には売り上げを計上せず、費用のみを計上する形となっている」(尾下社長)とのこと。
 

同社の今期の事業戦略を一言で表すと次の収益源となるサービスを生み出すということになる。これはモバイルゲーム事業、広告事業どちらにも言えることで、モバイルゲーム事業は新作タイトルの開発、広告事業は「BRAND SCREEN」の拡販ということになる。

また、新たな取り組みとしてVR技術を用いたプロトタイプ制作にも着手した。「今年はOculus RiftやPlayStationVRなども発売され、注目の分野になるVR分野に取り組んでいく」(尾下社長)とのことだ。
 

モバイルゲーム事業については、速報記事でも紹介したが、現在3タイトルが開発中ということになる。今春リリース予定で、同社初の自社パブリッシングのネイティブアプリ『ワールドクロスサーガ -時と少女と鏡の扉-』は既に明らかとなっているが、今回の説明会では、Game Creator Incubation有限責任事業組合を通して開発が進められているプロジェクト「NOROSHI」で開発しているタイトルの情報が初公開された。

タイトルは『バリアントヒーローズ 百の英雄の物語』で、「本作は2Dのタイトルとなるが、アニメーションで動き回る」(尾下治社長)としていたが、まだゲーム画面などは公開されていない。こちらは今後の続報が待たれるところだ。
 

 

■まとめ


第1四半期、第2四半期と赤字決算が続くことになるが、ちょうど収益構造の転換が進められている段階で、方向性は見えているだけに数字ほどの厳しさは感じられなかった印象だ。

ただし、特にモバイルゲーム事業については、新作タイトルの成否が大きく業績を左右するだけに現時点ではまだまだ楽観視はできないだろう。今後の推移をまずはじっくりと見守りたい
 
(編集部:柴田正之)

 
アクセルマーク株式会社
http://www.axelmark.co.jp/

会社情報

会社名
アクセルマーク株式会社
設立
1994年3月
代表者
代表取締役社長 松川 裕史
決算期
9月
直近業績
売上高21億4400万円、営業損益9800万円の赤字、経常損益1億円の赤字、最終損益1億200万円の赤字(2023年9月期)
上場区分
東証グロース
証券コード
3624
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