​【決算分析】ケイブの決算補足資料より…『ゴシックは魔法乙女』の成長でネイティブゲームの売上比率が6割超に マーケティング費用を増やしつつ利益率も大幅改善

4月13日に発表されたケイブ<3760>の第3四半期決算は、売上高17億200万円(前年同期比46.6%増)、営業利益7800万円(前年同期3億2000万円の赤字)、経常利益7500万円(同3億4800万円の赤字)、四半期純損益7200万円(同3億9700万円の赤字)と第3四半期累計(6~2月)での黒字転換を達成した。

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今回はケイブが開示した決算補足資料から、その決算内容の詳細を分析してみたい。


■ネイティブゲームの占有率が6割超に、PCオンラインゲームは半減


まずは、売上構成比率の推移を見てみたい。特徴的なのは、やはりネイティブゲームの売上比率が急拡大していることだろう。これは主力タイトルである『ゴシックは魔法乙女~さっさと契約しなさい~』が年末年始も順調に売上を伸ばしたことが大きく貢献している。

一方で、PCオンラインゲームの売上比率は第2四半期期間の20%から11%にほぼ半減した。これは『真・女神転生IMAGINE』がサービス終了に向けて縮小の動きとなっていたことが影響している(実際にサービス終了が発表されたのは3月11日、関連記事)。

今後、実際にクローズされるのは5月だが、サービス終了に向かう過程で第4四半期はさらに売上を落とすことも想定される。
 


■広告宣伝費を増やしつつ、利益率が大幅に改善


続いて四半期ごとの業績推移を見てみると、売上高は前四半期比8.2%増の6億2000万円、営業利益は同93.3%増の8700万円、経常利益は同93.5%増の8900万円、四半期純利益は同93.3%増の8700万円と大幅に利益率が改善した。
 

ちなみに販管費の状況を見ると、この第3四半期は3億4100万円と前年同期の2億5000万円や前四半期の3億2600万円と比較して増加している。増加要因となっている項目は広告宣伝費で、マーケティングに費用をかけて、売上が伸び、利益率が向上していくという好サイクルに入っていることがあらためて確認できる。
 
 

■コラボや大型アップデート、1周年記念で直近も新規ダウンロードが増加


『ゴシックは魔法乙女』新規ダウンロード数の推移は、2月以降増加傾向にある。ロリータ服ブランド「BABY」と「ALICE」やアニメ「劇場版 ミルキィホームズ」、ニュースアプリ 『ハッカドール』とのコラボなどが奏功しているほか、大型アップデートや1周年に向けた施策も着実に実を結んだようだ。
 
 

■完全無料アプリ『怒首領蜂一面番長』の取り組みにも注目


今後の展開として注目しておきたいのが、2015年12月に広告収益モデルの完全無料アプリとしてリリースされた『怒首領蜂一面番長』だ。1月25日には、カヤック<3904>のスマートフォンゲームアプリ向け賞金付き大会サービス「RANKERS」(ランカーズ)とのコラボを実施し、大会開催タイトルとして参戦することを発表(関連記事)している。e-sports事業への進出が1つの収益モデルとして確立できるのか、今後の取り組みに注目しておきたい。
 
(編集部:柴田正之)

 
株式会社ケイブ
http://www.cave.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社ケイブ
設立
1994年6月
代表者
代表取締役社長 秋田 英好/代表取締役CFO 伊藤 裕章
決算期
5月
直近業績
売上高69億6300万円、営業利益2億4300万円、経常利益2億1300万円、最終利益25億7900万円(2023年5月期)
上場区分
東証スタンダード
証券コード
3760
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