コーエーテクモHD、16年3月期は6期連続の最高益更新 ゲームソフト事業とオンライン・モバイル事業がけん引 「100万人」シリーズが伸長

コーエーテクモホールディングス<3635>は、4月28日、2016年3月期の連結決算を発表、売上高383億3200万円(前期比1.4%増)、営業利益110億6900万円(同14.7%増)、経常利益157億5500万円(同16.1%増)、当期純利益108億5500万円(同15.1%増)となった。第3四半期までの進捗と比べ、売上高と営業利益が前年同期比プラスに転じ、6期連続の最高益更新となった。
 

主なセグメントの状況は以下の通り。

①ゲームソフト事業…売上高252億3700万円(前期比1.5%増)、セグメント利益86億5500万円(同11.0%増)
累計5,000万部を超えるメガヒットコミックのアニメを原作としたタクティカルハンティングアクションゲーム『進撃の巨人』(PS4、PS3、PS Vita用)を発売し、好調な立ち上がりとなった。また、任天堂<7974>の「ゼルダの伝説」シリーズと「無双」シリーズが融合したコラボ作品『ゼルダ無双 ハイラルオールスターズ』(ニンテンドー3DS用)がワールドワイドで発売された。

同社が開発を担当したタイトルでは、大人気シリーズ「妖怪ウォッチ」とのコラボ作品『妖怪三国志:(ニンテンドー3DS用)がレベルファイブからリリースされているほか、スクウェア・エニックスの『DISSIDIA FINAL FANTASY』(アーケード用)が稼働を開始した。

同社IPでは、「三國志」30周年記念作品『三國志13』(PS4、PS3、Xbox One、Win用)や『信長の野望・創造 戦国立志伝』(PS4、PS3、PS Vita、Win用)を発売し、話題を集めた。また、『DEAD OR ALIVE 5 Last Round』基本無料版がグローバルで600万ダウンロードを突破したほか、『DEAD OR ALIVE Xtreme 3 Fortune/Venus』(PS4、PS Vita用)をリリースし、日本国内のみならずアジアでも販売を伸ばした。

ガストブランドでは、完全新作『よるのないくに』(PS4、PS3、PS Vita用)が新たなファン層を開拓したほか、『ソフィーのアトリエ ~不思議な本の錬金術士~』(PS4、PS3、PS Vita用)や『シャリーのアトリエ Plus ~黄昏の海の錬金術士~』(PS Vita用)など、既存IPの拡充を進めた。

コラボレーション展開と新旧タイトルが好調に推移したことに加え、デジタルコンテンツ販売の伸長や独自開発ツールの活用が寄与して収益性が大きく向上したことで増収増益を達成し、経営統合以来、最高のセグメント利益を達成した。

②オンライン・モバイル事業…売上高71億2400万円(同5.8%増)、セグメント利益14億9100万円(同32.2%増)
ソーシャルゲーム事業は、マルチプラットフォーム展開や継続的なイベント施策、他社タイトルとのコラボを積極的に推し進めた結果『100万人の信長の野望』『100万人の三國志』『100万人のWinning Post』などの「100万人」シリーズが前年を上回る収益を上げた。また、『大航海時代Ⅴ』がサービスを提供しているアジア地域において堅調に推移した。同社が開発・運営するゲームSNS「my GAMECITY」では、スマートフォン向けのサービス拡充が寄与し、会員数が87万人に到達した。

オンラインゲーム事業では、『真・三國無双 Online Z』をPS Vitaに展開するなどの施策が奏功し、各タイトルとも底堅く推移した。

以上の結果、4期連続で増収増益を達成し、経営統合以来、最高の売上高とセグメント利益となった。

③メディア・ライツ事業…売上高28億9500万円(同5.5%増)、セグメント利益2億7100万円(同7.8%減)
ネオロマンス20周年記念作品「アンジェリーク ルトゥール」(PS Vita、PSP用)や「金色のコルダ4」(PS Vita用)をリリースした。また、「ネオロマンス・フェスタ 金色のコルダ Featuring 神南高校 Op.2」「ネオロマンス・フェスタ 遙か祭2016」など各種イベントを開催したほか、立体映像技術を用いたバーチャルライブなど新たな取り組みを進めた。

④SP事業…売上高17億8800万円(同11.5%減)、セグメント利益7億5500万円(同5.2%増)
パチンコ機「ぱちんこCR真・北斗無双」など合計7タイトル9機種がリリースされた。開発ラインの効率化が収益に寄与した。今後も受託開発における強みを高め、より一層の収益力向上を図る。

⑤アミューズメント施設運営事業…売上高12億8600万円(同18.8%減)、セグメント利益6300万円(同1160.0%増)
不採算店の整理により減収となったが、主力店に導入した大型室内アスレチックやシューティングライドなどのキッズ施設が好調に推移したほか、プライズゲーム向けの施策や運営コストの見直しが奏功し、増益となった。

■2017年3月期は増収増益の予想
なお、2017年3月期通期の予想は、売上高420億円(前期比9.6%増)、営業利益115億円(同3.9%増)、経常利益160億円(同1.6%増)、当期純利益110億円(同1.3%増)を見込む。
 
コーエーテクモホールディングス株式会社
http://www.koeitecmo.co.jp/

会社情報

会社名
コーエーテクモホールディングス株式会社
設立
2009年4月
代表者
代表取締役会長 襟川 恵子/代表取締役社長 襟川 陽一
決算期
3月
直近業績
売上高784億1700万円、・営業利益391億3300万円、経常利益398億9900万円、最終利益309億3500万円(2023年3月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
3635
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