DeNA、16年3月期は20%営業減益に…利益率の高い国内ゲーム事業が減収 中国ゲーム事業や新規事業が増収を達成 QonQでは増収増益を達成【表追加・追記】

ディー・エヌ・エー(DeNA)<2432>は、5月11日、2016年3月期の連結決算(IFRS)を発表、売上収益1437億円(前々期比0.9%増)、営業利益198億円(同20.0%減)、最終利益113億円(同24.2%減)となった。
 

売上収益は、前連結会計年度比で増加した。利益率の高い国内ゲーム事業は前連結会計年度比で減収となった一方、中国のゲーム事業や新規事業、横浜DeNAベイスターズが主体のスポーツ事業等が増収となった。また、売上原価と販売費及び一般管理費は、前連結会計年度比で増加した。アプリ市場向けタイトルの開発・提供の進捗に従い、ゲーム内課金の決済関連費用などの支払手数料や人件費などが増加した。

その他の収益には、第2半期連結会計期間において、BtoB向けマーケットプレイス事業を譲渡したことに伴う売却益を計上している。また、第4四半期連結会計期間において、横浜スタジアムを公開買付により連結子会社化したことに伴う負ののれん発生益を計上した。その他の費用には、第1四半期連結会計期間に実施した欧米における体制およびゲームポートフォリオの見直しに伴う一時的な費用を含め、無形資産の除却費用などを計上している

なお、セグメントごとの状況は以下の通り。

①ゲーム事業…売上収益1096億円(前々期比3.0%減)、セグメント利益259億円(同13.3%減)
主力の国内市場でのゲーム内仮想通貨(コイン)消費高は1,469億円(同1.4%減)となった。ブラウザ市場向けのコイン消費は緩やかに減少したが、国内及び海外アプリ市場向けでは、主力タイトルのコイン消費が引き続き堅調に推移したほか、新規タイトルの開発・提供も進んだ。当連結会計年度のアプリ市場向けタイトルにおけるコイン消費高は、国内では475億円(同113.7%増)、海外では187億円(同1.1%減)となった。なお、任天堂<7974>との業務・資本提携における協業タイトルの第1弾「Miitomo」については、2016年3月に配信を開始した。

②EC事業…売上収益198億円(同1.7%減)、セグメント利益26億円(同12.6%増)
注力分野の一つである旅行に関しては、DeNAトラベルにおける取扱高が順調に成長した。ショッピング、決済代行の各サービスもおおむね安定して推移したが、有料会員数の減少によりオークションサービスは減収となった。 なお、第2四半期連結会計期間よりBtoB向けマーケットプレイス事業はEC事業の売上収益及びセグメント利益に含まれていない。

③スポーツ事業…売上収益98億円(同27.4%増)、セグメント損益10億円の赤字(前々期13億円の赤字)
横浜DeNAベイスターズは、2015年シーズンの主催試合の入場者数が増加し、好調に推移した。なお、第4四半期連結会計期間中に横浜スタジアムが連結子会社となった。

④新規事業・その他…売上収益57億円(同84.0%増)、セグメント損益47億円の赤字(前々期40億円の赤字)
当区分には、IP(知的財産)やコンテンツを構造的に生み出すことを目指すIP創出プラットフォーム事業、キュレーションプラットフォーム事業、ヘルスケア事業、オートモーティブ事業などを含んでいる。中でも、キュレーションプラットフォーム事業では各サービスの利用者数が増加基調で、広告収入等が徐々に立ち上がり始めるなどの成果が見られた。コスト管理の徹底や投資の見極めを適切に行いつつ、中長期で成長する構造的な強みを持つ事業を創出するべく、複数の領域で取り組みを進めている。

■QonQでは売上高3%増、営業益54%増に
業績を四半期推移(QonQ)で見てみると、売上高は前四半期比3.4%増の350億円、営業利益は同54.9%増の51億円となった。国内コイン消費は、Cygamesの『グランブルーファンタジー』が想定より弱含んだことで減少したが、売上収益・営業利益ともに計画線での着地になったとしている。
 

なお、2017年3月期の業績予想は非開示。第1四半期の業績予想のみが開示されており、売上収益382億円(前期比1.3%増)、営業利益66億円(同64.7%増)、最終利益49億円(同2.3倍)を見込むとしている。
 
 
 
株式会社ディー・エヌ・エー(DeNA)
https://dena.com/jp/

会社情報

会社名
株式会社ディー・エヌ・エー(DeNA)
設立
1999年3月
代表者
代表取締役会長 南場 智子/代表取締役社長兼CEO 岡村 信悟
決算期
3月
直近業績
売上収益1349億1400万円、営業利益42億0200万円、税引前利益135億9500万円、最終利益88億5700万円(2023年3月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
2432
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