世界で最もひとり当たりのツイート数が多い日本ユーザー Twitterが提供するモバイルアプリ開発SDK「Fabric」の最新情報など


去る2016年4月19日、Twitter Japanにて、モバイルデベロッパー向けイベント「#HelloWorld」が開催された。同イベントでは、iOS/Android対応のモバイルアプリ開発SDK「Fabric(ファブリック)」に関するアップデート情報をはじめ、ゲストスピーカーを招いたTwitterの運用術など、多種多様な講演が行われた。

 

■世界で最もひとり当たりのツイート数が多い日本ユーザー



イベント冒頭では、Twitter Japan 執行役員 日本・東アジア地域事業開発担当本部長の味澤将宏氏が登壇し、本イベントの目的を語った。前述しているように、同イベントではiOS/Android対応のモバイルアプリ開発SDK「Fabric(ファブリック)」に関するアップデート情報をはじめ、パートナーがどのようにTwitterを活用しているのかなど、フィードバックを目的とした回となる。

Twitter Japanと言えば、今年(2016年)の初めに日本では初めてアクティブユーザー数を公開して話題を呼んだ。その数字は、2015年12月時点でMAU(1カ月間でTwitterにログインしたユーザー数)が3,500万人となり、過去3年間で大きな伸びを記録した。日本のTwitterの特徴としては、「世界で最もひとり当たりのツイート数が多い。非常にアクティブ」と味澤氏は語った。続けて、「多くの人々にアイデアの共有を“サポート”していくことがTwitter Japanの目標」と言葉を添えた。

味澤氏は福島県の出身。2011年に起きた東日本大震災の際、同氏はTwitterを通じてリアルタイムに地域の情報を発信したり、得たりすることが出来たと、当時のことを振り返った。「Twitterにとって日本は重要なマーケット。今日、開発者向けにイベントを開催できてありがたく思う」という言葉で締めくくった。
 


続いて、ヘッド インターナショナルデベロッパーリレーションズのAli Parr氏が登壇し、Twitterプラットフォームの最新情報や事例について紹介。はじめに「Fabric」のアップデート情報について。

「Fabric」とは、iOS/Android対応のモバイルアプリ開発SDK。クラッシュレポーティングからマネタイズまで、横断的に機能を提供しており、アプリ開発者ではお馴染みのSDKであろう。

「Fabric」は、2014年11月にTwitterの開発者向けセミナーにて米国で初めて公開された。当日はもちろん登録ユーザー数0人だったが、その一年後にはユーザー数が22万5000人以上に増加。今では「Fabric」搭載のアプリがインストールされているデバイスは、全世界で10億台以上にも及ぶが、「最近ではその倍の端末で使われている調査もある」とAli氏。また、2015年10月にGoogle社が“アクティブなデバイスは全世界で14億台ある”と発表している。
 


さて、「Fabric」では具体的にどのようなことが出来るのか。おもな機能としては、Crashlytics<Beta含む>(クラッシュ解析・ベータ配布)、Answers(リアルタイムアナリティクス)、Twitter Kit(Twitterサポート)、Digits(電話番号認証)、MoPub(マネタイズ・広告管理)の5つ。
 

▲Crashlyticsは、クラッシュの発生回数、ユニークデバイス数、クラッシュの発生したソースコード名、行数、メソッド名などが取得可能で、かつWEBのダッシュボードで見やすい形にイシュー管理してくれる。月間の処理クラッシュ数は180億件をカバー。


▲前述した全世界14億台のAndroid端末において、13億2,500万台が1ヵ月に解析されているという。


▲Crashlyticsのアップデート情報では、少ない記述でクラッシュ時の詳細なデバイス状況を送れるようになったこと。このほか、UnityやtvOSのサポートにも対応。
 

▲リアルタイム性の非常に高いモバイルアナリティクスツール・Answersでは、OS X&tvOS用となったことに加え、リリース当日の状況を細かくわかる様々な情報がアップデートされた。各バージョンを使用しているほか、クラッシュしないで使用しているユーザーの人数など。


ここからは講演レポートから外れて、直近発表された情報についてまとめていく。まずiOS/Androidアプリに埋め込んだツイートタイムラインに、MoPubの広告を直接表示する機能のベータテストが開始された。FabricからTwitter KitとMoPubのSDKを導入すると、世界中のツイートによる会話や世界最大級のモバイルアドエクスチェンジを利用できるという。

数行のコードを追加するだけで、ツイートのタイムラインとその中に表示されるネイティブ広告をアプリに埋め込むことができるようになるという。また、ベータテストを開始するのもとても簡単で、まずMoPubの管理画面内でネイティブ広告ユニットを作成し、IDをTwitter Kitのコードに貼り付ければ完了となる。




さらに、Twitterオーディエンスプラットフォームの提供も開始。ウェブサイトへの誘導やコンバージョン、またはアプリのインストールを目的とされる方々に、Twitterでの広告配信とTwitter外のアプリやウェブサイトを合わせ、8億を超える方々にリーチできる機会を提供できるようになった。

1) ウェブサイトの誘導、コンバージョンおよびモバイルアプリのインストールをさらに増加
Twitterオーディエンスプラットフォームにより、Twitterの強みである興味関心データを基にしたターゲティングを活用して、Twitterに限らず、Twitter外の方々にもデバイスを問わずにリーチすることが可能になる。複雑になりがちなキャンペーン管理と分析も、キャンペーン管理画面上で簡単に行えるようになった。

2) 新しく、より柔軟なクリエイティブフォーマット
Twitterオーディエンスプラットフォームでは、プロモツイートをネイティブアド、バナー広告、そしてインタースティシャル広告などのフォーマットに自動的に変換するほか、オプションでインタラクティブ・アドバタイジング・ビューロー (IAB) が提唱するガイドラインに準拠したクリエイティブフォーマットを活用可能。Twitter内外の様々な場所で多くのクリエイティブフォーマットを検証できるので、便利に利用できる。



現在、米国の一部の広告主の方々に、Twitterの子会社のマーケティング会社であるTellApartのテクノロジーを活用して、ウェブサイトクリックもしくはコンバージョンを目的としたキャンペーンを、アプリ面に追加してウェブサイト面にも配信するテストを実施している。Twitterオーディエンスプラットフォームを選択することで、アプリとデスクトップウェブサイト、そしてモバイルウェブサイトに瞬時に広告が配信。また、クリエイティブが配信面に最適化される。

上記テストの結果では、モバイルとデスクトップの両方で広告を見た方は、いずれかのみで広告を見た方に比べ、商品購入率が52%も高くなったという。現在米国でウェブ広告の在庫を検証中で、世界のその他の地域では米国の検証後に順次展開をしていくという。



続いて、過去数ヵ月の間でTwitterオーディエンスプラットフォームを活用した中から、パフォーマンスを重視した事例を一部紹介。

Samsung UK (@SamsungUK) はTwitterオーディエンスプラットフォームを使い、Galaxy S7の認知と売上向上の両立を図っていた。

■Graeme Winston氏のコメント
Starcom MediaVest Group Paid Social Associate Director, Precision Marketing
「Galaxy S7のキャンペーンを開始した時、今まで以上に効果的かつより多くのターゲットにリーチできる手法を探していました。Twitterオーディエンスプラットフォームを使い始めてすぐに、Twitterの内外にリーチできると同時にとてもシンプルで効果的なキャンペーンの管理方法に魅了されました。既存のダイレクトレスポンスキャンペーンをモバイルアプリに拡大しながら、ウェブサイトクリックまたはコンバージョンを目的としたコスト効率の高い CPLCを獲得することができました。」

商品の売買ができるマーケットプレイスアプリの5miles (@5milesapp) はTwitterオーディエンスプラットフォームを使い、87%のリーチを増やし、CPIを約半分にすることに成功した。

■Lora Duan氏のコメント
5miles Digital marketing director
「当社はTwitterを活用したキャンペーンに価値を見出しています。Twitterオーディエンスププラットフォームを使えば、広告主は新しいアプリの潜在顧客をいつでもどこでも、効果的に見つけることが容易になります。」


 
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