【決算分析】アカツキの決算説明会資料より…4Qは四半期ベースで過去最高の売上高、営業利益を計上 新作はIPタイトルを含む「こだわり層」向け3本を開発中!

5月12日に発表されたアカツキ<3932>の2016年3月期の連結決算は、売上高59億5400万円(前年同期比37.0%増)、営業利益21億4600万円(同3.7倍)、経常利益19億7400万円(同3.3倍)、最終利益11億1200万円(同3.0倍)と大幅な増益を達成した。

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今回はアカツキが開示した決算説明会資料から、その決算内容の詳細を分析してみたい。


■4Qは四半期ベースで過去最高の売上高、営業利益を更新!


四半期ごとの業績推移を見てみると、2015年度は第1四半期から第4四半期まで綺麗な右肩上がりのトレンドとなっている。なお、第4四半期の売上高20億円、営業利益7億円は四半期ベースで過去最高を更新している。
 

海外展開も順調に成長している。『ドラゴンボールZ ドッカンバトル』はフランスでランキング3位、アメリカで14位を獲得するなど 全世界で大ヒットし、3月より韓国語版の配信も開始した。また『テイルズ オブ リンク』の英語版トライアルも3月よりカナダで開始しており、英語圏での運用に向けたテストマーケティングを行っている。

なお、海外事業は足元、第4四半期に四半期推移(QonQ)で売上高が63%増、営業利益が79%増と急拡大している。
 
 

■IPタイトルを含む「こだわり層」向け新作を年度内に3本リリース予定


新作の開発状況を見てみると、現在は「こだわり層」向け新規タイトルの開発が複数進行しており、IPタイトルを含む3本を年度内にリリースする計画だという。
 

そのうち、「プロジェクトA (コードネーム:TSUBASA)」として開発が進められている「こだわり層」向けのオリジナル新規タイトルは今夏 リリースの予定としている。
 

なお、新規事業への取り組みや新技術へのR&Dは、協業や出資・M&Aなども手法として取り入れつつ、進めていく方針で、VR(仮想現実)、AR(拡張現実)、AI(人工知能)、IoT(Internet of Things) など、ゲーム、リアルライフ事業で利用可能なリソースへの積極的なR&Dを行っていくj方針だ。
 

■レンジ予想下限は新作・新規事業の貢献をほぼ織り込まず、費用のみを想定


なお、2017年3月期の連結業績予想は、売上高70~100億円(前期比17.6~67.9%増)、営業利益20~40億円(同6.8%減~86.3%増)、経常利益20~40億円(同1.3~102.6%増)、最終利益14~28億円(同25.8~151.7%増)と幅を持たせたレンジ予想を打ち出している。

業績予想の下限値の前提は、新作タイトルの貢献は保守的に考え、計画には大きく算入せず、新規事業も収益貢献を見込んでいない。さらに費用面では、新規ゲームタイトル、新規事業への開発投資は昨年対比で数億規模で増加し、業容拡大を踏まえたオフィス移転による関連費用なども織り込んでいるとしている。
 
(編集部:柴田正之)
 
 
株式会社アカツキ
http://aktsk.jp/

会社情報

会社名
株式会社アカツキ
設立
2010年6月
代表者
代表取締役CEO 香田 哲朗
決算期
3月
直近業績
売上高243億3600万円、営業利益57億円、経常利益52億700万円、最終利益13億4200万円(2023年3月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
3932
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