岩野Pの「なれる!プロデューサー」、スクウェア・エニックスに関するスマホアプリ&ソーシャルゲーム連載記事

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【新連載】岩野Pの「なれる!プロデューサー」 - 第1回「2006年4月、スクエニ入社」

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『乖離性ミリオンアーサー』や『アリスオーダー』など、数々のスマホゲームを手掛けてきた、スクウェア・エニックスのプロデューサー・岩野弘明氏。同社に勤務してから10年以上もの歳月が経っているが、そんな彼にも新人時代があった。上司や先輩に教わったこと、成功や失敗から得たこと、様々な経験を経て今がある。この連載は、岩野氏がプロデューサーになるまでの道のり、その後に直面する幾多もの気付きを形にしてくれた、自叙伝。


 

■はじめに


「Social Game Info」「Social Creator Info」では、「ゲームを企画する立場の若者」に多く読まれているということをうかがいました。

そこで、同じくゲームを企画しプロジェクトの責任者たるプロデューサーという立場でゲームを作っている身として、スクエニに入社して上司先輩に教わったこと、成功や失敗から得たこと、その中でプロデューサーとして企画者としてこうあるべきじゃないかと思ったことを記事として連載しようと思い立ちました。

既にプロデューサーとして働かれている方からすると当たり前のことが多くなると思いますが、プロデューサー入門編みたいなものを見たい方にはある程度興味を持っていただける内容になるかと思います。というわけで、これまでスクエニで過ごした10年あまりを振り返りながら書いていきたいと思います!

※なお、連載タイトルは電撃文庫からでている個人的にも好きなラノベ「なれる!SE」から着想を得ています(笑)


 

■「なれる!プロデューサー」


この連載ですが、今のところの目標としては月一更新で1年続けたいと思っています。1年は12ヶ月ですが、僕の社歴が今年で11年目なので、その歴史を1年ごとに区切りその時にあったこと、学んだことを記事として書いていこうかと。

たぶん中には長くなる年もあるので2回に分けて掲載などするとちょうど良い感じに収まるんじゃないかと思います。というわけで第一回目の記事です!


スクエニに入社したのは2006年の4月。

その年の僕はこんな感じでした。

<2006年>
某IT企業で1年営業として働いた後、スクエニに入社。プロデューサーとそのアシスタントが大半を占める「プロデューサー統括部(という部署名だったかと思います。違っていたらすみません…)」に所属。

『ドラゴンクエストⅩ』や『ニーア』の齋藤プロデューサーのもと、今はコーエーで『のぶニャがの野望』をプロデュースされている廣重演久さんと、現在「ドロッセルマイヤーズ」というボードゲーム屋を経営されている渡辺範明さんのアシスタントとして仕事を始める。

PCのMMORPG『コンチェルトゲート』のプロデュースアシスタントと、その前作にあたる『クロスゲート』の運営企画監修(主に海外)を担当。


 

■重要なのは「個性」

 
そもそも僕は、子供のころからゲーム好きではありましたが、オタクというほどのゲーマーでもありませんでしたし、アニメや漫画などの他のエンタメにも人並み程度しか触れていない「その辺にいる普通のゲーム好き」くらいの男でした。

当時の上司の齋藤プロデューサーからは「さわやか青年を採用したからよろしくね」と、部のメンバーの方々に紹介していただきましたが、自分ではいうほどさわやかでもないしそこそこまじめな程度の普通の青年くらいに思っていたので、「あまり紹介することがないからかな」くらいに思っていました。

が、しばらく経つと「さわやか青年」と言われた意味が分かってきました。

というのも、まわりのプロデューサーがとにかく“濃い”んです。



特に主力として活躍されているプロデューサーは皆それぞれ強烈な個性を持っていて、一癖も二癖もある。直属の上司であった渡辺さんなんかはゲームはもちろんアニメや漫画などをベースにサブカル方面に精通されている一際濃い方で、周りの先輩方からも一目置かれていました。(怪しげなビルの地下で催された最強昆虫決定戦イベントに連れていかれたりもしました)

ちなみになぜ個性が大事かというと「その人(その個性)からしか生まれない企画がある」からです。スクエニの先輩プロデューサーは本当に十人十色で、できあがったゲームをみると「あの人っぽいなぁ」というのがすごく伝わってきます。それはゲームの味でもあり、話題性にも直結します。

当時(2006年)のゲーム市場はまだまだコンシューマ主体であり熟成された市場であっただけに、そういった個性のあるゲームでないと話題にならなかった。今のスマホ市場もすさまじいスピードで似たような状況になりつつある。だからこそ、時代にとらわれず「個性」というのはものすごく大事なんです。

そんな当時の先輩方の中にあっては、僕のような人間はかなりさわやかに見えたことでしょう。逆を言えば「個性のないつまらないやつ」とも言えるわけで、当時はよく「このままではまずい…!」と考えていたことを思い出します。(だから、そんなパッとしなかった僕がどのようにして今プロデューサーをやれているのか、ということを書いてみようと思った次第です)

当時の先輩たちを見ていると、とにかく自分に合った個性を育むことを大事にされていたように思います。なので自分も何か個性を出していかねばと色々なコンテンツに触れていこうと考えていたのですが、その時渡辺さんと接していた時間が一番多かったことで、運よく(運悪く?笑)その影響をもろに受けました。

今後の回で詳しく書こうと思いますが、いろいろあって漫画・ラノベ・アニメといったコンテンツやその魅力にとても詳しくなり、それがそのまま僕のプロデューサーとしての強みであり個性になったと思います。逆に言うと渡辺さんがいなければ今のようなプロデューサーになっていなかったかもしれないので、渡辺さんにはとても感謝しています。


 

■オンラインゲームの楽しさ


実は僕、スクエニに入社するまでちゃんとオンラインゲームをプレイしたことがありませんでした。

MMOでいうと『レッドストーン』『アラド戦記』あたりをちょっとだけ、MMO意外だと『スカッとゴルフ パンヤ』とかハンゲームの麻雀をちょっと遊んでいた程度。なので、いきなりMMORPGである『クロスゲート』『コンチェルトゲート』を担当せよって言われた時は大丈夫かなって不安になりました。

でも『クロスゲート』で初めて本格的にMMORPGをプレイしたことで、オンラインゲームの楽しさに気づきました。ゲームを遊ぶというより「異世界で友達と遊ぶ」という感覚が当時の僕にとってすごく新鮮で、ゲームってこんな楽しさもあるんだと驚かされました。最近はラノベで異世界生活ものが流行っていますが、オンラインゲームで感じる楽しさをラノベにしたようなものなのかもしれませんね。

ここで学んだことは他にもあります。それは、作り手は「遊び場を作ることを意識するべき」ということです。これは僕の個人的な意見ですがオフラインの売り切りタイプのゲームは映画や漫画のように作り手が用意した物語を受けて楽しむもので、オンラインゲームは公園のように用意された遊び場の中でプレイヤーが自由に遊びを作り上げていく、といったものだと思います。

だから当時のMMORPGなんかは、特にコンテンツが充実していて自由度の高いものをよく目にしました。当時のMMO初心者の僕からすると、生産したアイテムを売る場所や値段を決めたり、他のプレイヤーと値段交渉するだけでもドキドキしました。まさにバーチャルで生活している感じです。

一方で、そういったコミュニケーションや時間に縛られるといった点がオンラインゲームが敬遠される点でもあったと思います。僕もそう思う人間の一人で、人見知りなこともあって知らない人と話をしたり、輪に入っていくということはかなりハードルが高く、いちプレイヤーとしてガチハマりするといった事はありませんでした。

ただ、人間同士がかかわるからこそのおもしろさというのは他のゲームにない点。その楽しさは今まで経験したことのないものだったので、「もっと簡単に、ゆるく、自分のペースで楽しめるオンラインゲームがあるといいのに」と当時から思っていました。そんなゲームが時代を経て、スマホゲームという形で色々登場し始めたのがここ4,5年の出来事です。

そんな新時代のオンラインゲームを作っていく上で、今のスマホゲームの流行を押さえていることはもちろん、「もっとこうしてほしい!」という感覚もわかっているというのは、実は結構重要なんじゃないかと思います。その感覚から着想を得ることもあるからです。

特にアナログゲームを嗜んでいると、その感覚は身に付きやすいんじゃないかなと思います。あらゆる行動や計算、ゲーム進行をアナログで行わなければいけないわけですから、僕自身もそうですが「デジタルでこうなればもっと楽なのに!」といったような感覚は生まれやすいと思うのです。(もちろんアナログゲームはアナログゲームの魅力があるのでどちらが優れているという話ではありません)


 

■要するに


個性の話にせよオンラインゲームの楽しさの話にせよ、要はあらゆるものに触れてインプットの量を増やしていくことが、ゲーム制作につながるという事ですね。(以前連載していた「これからこうなる!」でも散々書いてますし、たぶんこの後の記事にもちょくちょく書くと思います(笑))

特に何の武器も持っていない若手の時代には、とにかくコンテンツに触れることが大事。食事をしないと成長しないことと同じです。

さて、自分でも読み返してみると当たり前のことしか書いていませんが、冒頭でも書いた通り、これはプロデューサー入門編。なので、今からプロデューサーを目指していく方や今まさに修行中の方の役に少しでも立てたら、という思いで書いています。が、ちょっと文章が長いかもしれませんね。もっと短い方が読みやすいと思うので、一応今後の記事は徐々に短くなるよう頑張ってみようと思います。

ではでは今日はこの辺で!


P.S.
個性の話を書いていたら、今アニメをやってる「僕のヒーローアカデミア」を思い出しました。ヒーローものの漫画が原作なのですが、無個性だった主人公が憧れのヒーローに出会い個性(超能力みたいなもの)を授かり、自らもヒーローを目指す、という物語です。

ヒーローをプロデューサーに置き換えるとなんだか共感できる話だなぁと思っていつも見ています。目標を持つことはもちろん、尊敬する師匠や仲間を得るという事がその目標に近づく一番の近道なように思います。現状に不満を持っている方がいれば、そういった目標や人間を探すという事から始めてみるといいかもしれませんね。
 

■著者 : 岩野弘明
スクウェア・エニックス第10ビジネス・ディビジョン(特モバイル二部) プロデューサー。『乖離性ミリオンアーサー』を筆頭に、同シリーズ全体のプロデュースを担う。新作は超能力×ミリタリーRPG『ALICE ORDER /アリスオーダー』。

岩野氏のツイッター:https://twitter.com/Iwano_Hiroaki

 
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企業情報(株式会社スクウェア・エニックス)

会社名 株式会社スクウェア・エニックス
URL http://www.square-enix.com/
設立 2008年10月
代表者 松田 洋祐
決算期 3月
直近業績 売上高2,141億円、営業利益260億円、経常利益253億円、当期純損益198億円(2016年3月期、スクウェア・エニックス・ホールディングス連結)
上場区分 東証1部(スクウェア・エニックス・ホールディングス)
証券コード 9684

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