電通、オーストラリアの有力デジタルマーケティング・エージェンシーのスコーチ社を子会社化 完全子会社化するオプションも保有へ

電通<4324>は、海外本社「電通イージス・ネットワーク」が、オーストラリアの有力デジタルマーケティング・エージェンシーである「Scorch Pty Ltd」(本社:メルボルン市、以下「スコーチ社」)の株式51%を取得することを合意したことを発表した。なお、電通イージス・ネットワークはスコーチ社を完全子会社化するオプションも保有することになる。

2006年に設立されたスコーチ社は、メルボルン市に本拠地を置き、シドニー市、フィリピン・マニラ市にも拠点を構えている。同社は50名の従業員を抱え、各地の中小企業を対象に、SEO(Search Engine Optimization)をはじめとするパフォーマンス領域のデジタルマーケティング・サービスを提供しており、それには広告やウェブサイトなどのデザイン、コンテンツ制作、ソーシャルメディア・マーケティング、Eメール・マーケティング、データ解析といったサービスが含まれる。

株式取得後、電通はスコーチ社をグループの9つのグローバルネットワーク・ブランドの1つで、同様のデジタルマーケティング事業を展開するiProspect(アイプロスペクト)のネットワークに組み込む。ブランド呼称をScorch iProspect(スコーチ・アイプロスペクト)とし、グループ会社との連携によりシナジーを生み出していくことで、オーストラリアでの成長戦略を加速させていく方針だ。

など、電通グループのメディア・コミュニケーション・エージェンシーであるCarat(カラ)が行っている世界の広告費成長率予測(2016年3月)によると、オーストラリアの2015年のデジタル広告費は、前年比で11.8%増だった。2016年と2017年もそれぞれ7.8%増、7.3%増と堅調な成長が続くと予測している。

なお、本件が電通の2016年12月期の連結業績に与える影響は軽微だという。

※電通の海外事業を統括する「電通イージス・ネットワーク社」(ロンドン)は、9つのグローバルネットワーク・ブランドを中心に世界でビジネスを展開している。9つのブランドとは、Carat、Dentsu(Dentsu Branded Agencies)、Dentsu media、iProspect、Isobar、mcgarrybowen、MKTG、Posterscope、Vizeumを指す。

【スコーチ社の概要】
社名:Scorch Pty Ltd
本社所在地:オーストラリア・ビクトリア州・メルボルン市(シドニー市、フィリピン・マニラ市にも拠点を構える)
設立:2006年5月
株主構成:株式取得後、電通イージス・ネットワーク51%、同社経営陣49%
収益(Revenue):356万オーストラリアドル(約2.8億円)(2015年12月期)
代表者:Terence Hooi(創業者兼CEO)、Kevin Hooi (創業者兼Director)
従業員数:50名
事業内容:デジタルマーケティング全般のサービスを提供