gumi<3903>は、6月13日、東京都内で2016年4月期の決算説明会を開催した。説明会に先駆けて、6月10日に発表された2016年4月期の連結決算は、売上高214億3700万円(前々期比22.1%減)、営業損益22億2900万円の赤字(前々期4億1600万円の黒字)、経常損益22億5600万円の赤字(同2億3400万円の黒字)、当期純損益32億9900万円の赤字(同1億9100円の黒字)と大幅減収・赤字転落となった。
決算説明会では、國光宏代表取締役社長が今後の取り組みとVRへの取り組み、川本寛之代表取締役副社長が第4四半期および2016年4月期の業績概況を説明した後、質疑応答が行われた。今回はゲーム事業の各タイトルごとの状況などを中心にその内容をまとめてみた。
■国内ネイティブゲームの売り上げ増加が海外の落ち込みをカバー
まずは第4四半期のサービス別売上高の内訳を見てみよう。まずは前提として、2016年4月期は、2015年3月にマイネットにブラウザゲームを譲渡したため、ブラウザゲームの売上高はなくなっている。伸びているのは国内ネイティブゲームで、『ブレイブ フロンティア』(以下『ブレフロ』)や『ファイナルファンタジー ブレイブエクスヴィアス』(以下『FFブレイブ』)がQonQで増収を達成。そこに1月28日に配信開始となった『誰ガ為のアルケミスト』が3ヶ月間フル寄与したこともオンしてきている。
一方、海外ネイティブゲームは、海外版の『ブレフロ』のピークアウトが続く形となっており、国内ネイティブゲームの売り上げ増加分が海外の落ち込み分をカバーした格好だ。
続いて、第4四半期の費用の状況を見てみると、支払手数料の増加と、新作タイトルの開発強化に伴う外注費の増加が売上原価の増加につながった。さらに広告宣伝費は、『ファントム オブ キル』(以下『ファンキル』)の大規模プロモーションの実施により、前四半期比で3億6400万円の増加となっている。
■国内『ブレフロ』がQonQで増収を達成
各タイトルごとの状況に目を移すと、『ブレフロ』は日本語版が四半期推移(QonQ)で増収となった。これは新たな進化軸となる「幻想進化」の追加やコラボキャンペーンの実施によるARPMAU(月次アクティブユーザー1人あたりの月平均売上高)の増加がプラスに働いたとのこと。
次に『ファンキル』は、前述の大規模プロモーションの効果もあり、4月28日に350万ダウンロードを突破するなどユーザー数が増加した。ただし、ARPMAUは低下し、売り上げはQonQでほぼ同水準の推移になったという。
『誰ガ為のアルケミスト』と4月6日に配信を開始した『クリスタル オブ リユニオン』は、順調な売り上げ推移を見せている。両タイトルは新機能の追加などでさらに成長させていけるかどうかが今後のポイントとなってくるだろう。
『FFブレイブ』は、新キャラクターの登場や各種施策により、QonQで増収を達成した。今後も有力IPとのコラボを実施するなど、積極的なゲーム内施策に取り組んでいくもよう。
一方、やや苦戦が目立つのは『LINE 三国志ブレイブ』だ。今後は有名IPとのコラボ施策の展開を予定しているほか、新機能の投入などでKPIの改善を進めていく方針だ。
■8本の大型タイトルを開発中…大半が年内リリース予定
新作は海外言語版を含めて、引き続き8本の大型タイトルを開発中としている。うち国内向けは『シノビナイトメア』を6月下旬、『ブレイジング オデッセイ』を2016年初夏に配信開始する予定だ。なお、新作のリリースは「大半が年内になる」(川本副社長)とし、「来年は少し新作のペースはゆっくりになる」(同)としていた。
また、海外言語版は『FINAL FANTASY BRAVE EXVIUS』を英語、ドイツ語、フランス語、中国語(繁体字)、韓国語の6言語で2016年夏よりグローバル配信する予定となっている。
■通期での最終黒字転換を目指す
なお、同社は2017年4月期通期の予想については非開示としており、第1四半期期間(5~7月)の業績予想のみを開示している。第1四半期は、売上高55億円(前期比6.3%減)、営業利益ゼロ、経常利益ゼロの見込み。ちなみに通期では最終黒字転換を目指すとしている。
(編集部:柴田正之)
会社情報
- 会社名
- 株式会社gumi
- 設立
- 2007年6月
- 代表者
- 川本 寛之
- 決算期
- 4月
- 直近業績
- 売上高160億0900万円、営業利益4億4700万円、経常損益1900万円の赤字、最終利益4億4500万円(2023年4月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 3903