【日本玩具協会調査】2015年度の玩具市場は1%減の8003億円に…TCGの人気復活、トミカ、リカちゃん、シルバニアファミリー、アンパンマンなど定番商品も人気に

日本玩具協会は、6月7日、2015年度の国内における玩具市場規模は上代価格(希望小売価格)ベースで前年度比1%減の8003億円だったと発表した。前年の2014年度は、過去10年で最高の売り上げを記録したが、2015年度も同様の売上げを達成したことになる。特に、ゲームや男児玩具、女児玩具、カードゲームなど玩具の中核を占める10分野(注)では、2015年度の市場規模は前年度比2.2%増の5015億円で、同じく過去10年で最高だった2014年度を上回った。
 


同協会によると、2014年度が「妖怪ウォッチ」「アナと雪の女王」という大ヒットキャラクターによって大きな売り上げを作ったのに対し、2015年度は、トレーディングカードゲームの人気が復活したのに加え、「トミカ」「リカちゃん」「シルバニアファミリー」「メルちゃん」「アンパンマン」といった定番商品が大きく売り上げを伸ばしたという。またブロックやトイRCカーも好調だった。

なお、玩具の周辺分野としてカプセル玩具と玩菓はこの調査と切り離して別途調査しているが、2015年度のカプセル玩具の国内市場規模は前年度比1.0%減の316億円、玩菓は同21.0%減の520億円だったという。
 


(注)主要10分野とは、①ゲーム(テレビゲーム関連を除く)、②カードゲーム、トレーディングカードゲーム、③ジグソーパズル、④ハイテク系トレンドトイ、⑤男児キャラクター、⑥男児玩具、⑦女児玩具、⑧ぬいぐるみ、⑨知育・教育(ベビーカー・チャイルドシート・三輪車などの乗用関連を除く)、⑩季節商品。


 
◎商品動向

2015年度の玩具市場において、前年より特に大きく伸びた商品分野を大分類でみると、前年度比31.8%増のハイテク系トレンドトイ、16.7%増の男児玩具、10.5%増のトレーディングカードゲームだった。

トレーディングカードゲームは「デュエル・マスターズTCG」と「遊戯王OCG」などの売り上げ増が顕著で、金額では最も伸びた分野となった。ハイテク系トレンドトイでは「リニアライナー」「オハナス」や、ロボット玩具などの話題商品が貢献した。

男児玩具ではトイRCカーが前半は飛びモノ、後半は車モノが良く売れて前年度比27.3%増、「トミカ」などが人気を集めたミニカーが同10.9%増、さらにレールトイも同8.9%増と、いずれも好調だった。

女児玩具では、「メルちゃん」「ぽぽちゃん」が大きく伸びた抱き人形が前年度比50.3%増を記録、「リカちゃん」が牽引した着せ替えも同19.0%増と2桁の伸び、「シルバニアファミリー」が好調だった女児コレクションも同5.2%増という好結果を残した。
 

中分類で見ると、ほかに伸びたのは、レゴなどの伸びが顕著だったブロック(前年度比30.8%増)、「野球盤3Dエース」が人気となった一般ゲーム(前年度比6.7%増)などで、知育関係ではアンパンマン商品や木製玩具、プリスクールも良く売れた。

逆に厳しかったのは、前年に「妖怪ウォッチ」商品で大きく伸びた男児キャラクター(前年度比20.6%減)、ぬいぐるみ(同13.9%減)、雑貨(14.0%減)、及び小物玩具などだった。女児キャラクターも前年の反動で苦戦しました。ジグソーパズルも前年度比7.0%減に留まった。

また季節玩具ではハイシーズンとなる春と秋が好天に恵まれたスポーツ玩具は良かったものの、ピーク時にあたるお盆前後に雨の日が多かった花火などはやや苦戦した。

ホビー商品では鉄道模型が伸び、フィギュアも前年並みを維持したものの、プラモデルは微減だった。