【インタビュー】大型アップデートを実施する『モンスタードライブレボリューション』 担当者に聞く試行錯誤の道のり


 
ICJは、『モンスタードライブレボリューション』において8月下旬に大型アップデートを実施することを発表した。
本作は、2015年12月に配信が開始され、「ルーレット」をゲーム内のバトルアクションに起用したRPGだ。他ではあまり見ない新しい楽しみとして、ユーザーからも好評を得ているようだ。これまでも幾度かアップデートを行われてきたが、今回のアップデートはユーザーからも長らく期待されていた本格的な対戦機能などが実装される予定だ。

本稿では、モンドラチームを統括している中村巧氏と中原真氏にインタビューを実施。本作の経緯や今回のアップデートまでの道のりについて話を聞いてみた。チームがどのような考えで開発運営を行っているかが垣間見えるインタビューをお届けする。
 
 

■「みんなでワイワイ楽しめるゲーム」を目指した試行錯誤

 
株式会社ICJ
コンテンツ事業部
中村巧氏(写真左)
中原真氏(写真右)

――:まずはお二人の現在のお仕事をお聞かせください。

中村巧氏(以下、中村):チー ム全体の総指揮を行っております。モンドラでは、弊社の他のゲーム同様、我々の強みであるベトナムオフショア開発を行っていますので、日本だけでなくベトナムでもたくさんのスタッフが関わっております。それらのスタッフをまとめていくのが私の役目です。一方で、ゲームのディレクションについては中原を全面的に信頼しておりますので、彼と二人三脚でここまでこのプロジェクトを進めてきました。

中原真氏(以下、中原)中村からも紹介がありました通り、モンドラ運営チームの統括・ディレクションについては私の方で担当しており、日々のイベント等のスケジュール作成や、コンテンツのチェック、イベントのディレクション等を主に行っております。


――:「モンスタードライブレボリューション」(以下、モンドラ)リリースから半年が経ちますが、振り返ってみていかがでしょうか。

中村:2015年12月のAndroid版リリースの直後から、思っていた以上の反響がありました。想定以上の反響で急遽サーバー台数を増やすなど、最初は安定したサービスを提供するためにとにかく環境整備を第一で対応を行いましたね。2016年1月のiOS版リリースの際には、そういった問題をクリアした状態でしたので、ユーザーの皆様にもスムーズにゲームを開始していただくことが出来たかと思います。

中原:モンドラはひとりプレイでもマルチプレイ(協力プレイ)でも楽しんでいただける内容になっているのですが、実際にサービスを開始してみると、思った以上にユーザーの皆様にマルチプレイ(協力プレイ)で遊んでいただける結果となりました。このため、2月にはマルチプレイをより快適に遊んでいただくためのアップデートを行うなど、モンドラのコンセプトでもある「みんなで」楽しく遊べるゲームを意識して運営を行ってきました。


中村:一方で、ゲームのプレイ環境改善を最優先として対応を行ってきたこともあり、新コンテンツのアップデートが遅れてしまい、ユーザーの皆様を大変お待たせすることになってしまった点は大きな反省点です。特に、当初3月中旬のアップデートを予定しておりました大型コンテンツ「ガチモード」については、実装延期を繰り返す形になってしまい、多くのユーザーの皆様からお叱りをいただく結果となりました。

中原:当初の企画である程度開発を進めた段階で、社内外でレビューを行っていただいたのですが、レビュアーの方々から「もっとブラッシュアップしてリリースすべきではないか」といった意見を多くいただき、クオリティアップを優先することにしました。お待たせした分、より良いものをリリースできるよう、最後の調整を行っているところです。
 

――: ギミックが特徴的な本作ですが、モンドラの立ち上げ経緯についてお教え頂けますでしょうか。

中原「子供から大人までパーティーゲームのように、みんなでワイワイ楽しめるゲーム」を目標に企画をしました。たくさんのテスト用のアプリを開発し、最終的に一番面白かった「ルーレット」をバトル部分に起用しました。
 
  
 

中村:そうですね、コンセプトメイクには非常に時間をかけました。その中でも「みんなで遊べる」「ハラハラドキドキするバトル」というのは重要なキーワードでしたね。もちろん、我々はRPGを作ろうとしていたのですが、その中でこの2つのキーワードをいかに体現するか、というのは一つの大きなテーマでした。
 

――: 本作企画当初のテーマ・コンセプト、また御社としての位置付けはどのようなものでしたでしょうか。

中原:当時、弊社では「あやかし百鬼夜行(妖怪カードゲーム)」のように尖ったコンセプトのゲームを中心に運営してきました。このゲームを企画する際、幅広いユーザー様に遊んでいただけるようなゲームを作りたいという思いから、先ほどお話させていただいた「子供から大人までパーティーゲームのように、みんなでワイワイ楽しめるゲーム」が生まれました。
 

――: 開発時に印象に残っている事や苦労した点はございますか。

中村:モンドラチームは、中原以外にも非常にゲームに精通した人間が多く、その意味でゲームの奥深さを作っていくことについてはさほど苦労はしませんでした。一方で、カジュアルユーザーに対してそれをどう見せていくかという「見せ方」の部分については非常に課題が多く、その部分については「本当に それで伝わるのか?」という視点で何度も議論したのを覚えています。

中原:今の「ルーレット」の形になるまでにたくさんのテストアプリを開発したことですね。パズルだったりアクションゲームだったりと、全く違う形のものも作りました。「ルーレット」にしようと決めてからも、最初は横画面で作ってみたりと試行錯誤を繰り返しながら、今の形を作り上げました。

 
 

――: リリース直後のユーザー様の反響はいかがでしょうか。

中村:「ルーレット」を止めて攻撃するという、シンプルだけどそれをみんなでやるとまた違った楽しみが生まれるというこのゲームの特徴が、思っていた以上にユーザーの皆様に楽しんでいただけたようで、「新しい」「楽しい」といったご意見をたくさん頂くことができました。

中原:「ルーレット」を目押しするということで、少し難しい印象を持たれるのではないかという心配もあったのですが、操作の部分で多くのポジティブな意見をいただけたのは嬉しかったです。

中村:ただ、我々の経験不足もあり、リリース直後のバグ対応が後手後手に回ってしまっていた部分もあって、これについては厳しい意見も多数頂きました。

中原:開発側でもそれは大いに反省すべきところでして、その後社内のデバッグ体制を強化し、最近のアップデートでは大きなバグはほぼ出なくなってきています。
 
 

■アップデートでゲームの奥行きを深くしていく


――: 今回大型アップデートを予定しておりますが、どういった内容になりますか。

中村:長らくお待たせしておりました「ガチモード」が、「アリーナバトル」と名前を変えて登場します。これまで他のプレイヤーと対戦するコンテンツとしては「わいわいモード」があったのですが、これはどちらかというと運や偶然の要素が強く、ある程度レベル差があるプレイヤー同士でもわいわい楽しく戦えるような、パーティーゲームの側面が強いものでした。一方で、「アリーナバトル」ではお互いの実力を競う、まさに真剣勝負に挑んでいただけるような内容となっています。

中原:一般的に「アリーナバトル」というと、他のプレイヤーのデータを使用したCOMを相手に戦うものをイメージされると思いますが、モンドラでは他のプレイヤーとリアルタイム対戦を行っていただきます。相手もプレイヤーですから、攻めや守りのタイミングや、状態異常などを駆使するなど、勝つためにはお互いの戦い方、腕前が問われることになります。

また「アリーナバトル」では、クエストや「わいわいモード」に出現するような、HP回復や状態異常回復などのバトルアイテムは基本的に出現しません。レボリューションスパーク(各モンスターが使用できる必殺技)に関しても、通常のような連打、スワイプといった要素で威力が上昇したり発動失敗したりはせず、使用すれば必ず100%の効果で発動するなど、極力運や偶然の要素を排しているのが特徴です。

ダメージ計算や状態異常の確率にも専用のものが使用されますので、「わいわいモード」で良くある、水属性のモンスターが火属性のモンスターを出会い頭に一撃で倒してしまうような、属性相性だけでいきなり決着がついてしまうケースは「アリーナバトル」ではほとんどありません。

中村:「アリーナバトル」は10日~15日前後開催され、勝敗に応じて獲得できるポイントによるランキングで競う形式です。ランキングの上位入賞者には限定スキルのスキルジュエル(モンスターにスキルを覚えさせることが出来るアイテム)など、ここでしか手に入らない報酬を用意しています。

また、上位入賞できなかった場合でも、一定の条件を満たした参加者の方全員に「アリーナメダル」が配布されます。この「アリーナメダル」を貯めることで、専用のルーン(モンスターに刻印することで、特殊な効果を発揮する)と交換することも出来ます。ぜひユーザーの皆様が手塩にかけて育てた自慢のモンスターで挑んでいただきたいですね。

中原:「アリーナバトル」に関しては、やはりバトルのバランス部分が面白さの最も大事な要因となりますので、初回開催に関しては、βリリースのような位置付けで開催させていただき、リリース後もバランス調整を続ける予定です。

 
――: 過去にもアップデートを2度行われておりますが、ユーザー様の反響はいかがでしたか。
 
中村:4月に行ったver1.3.0アップデートでは、モンスター育成をがんばると有利になるようなアップデートを行いました。限界突破の状況が他のプレイヤーからも確認できるようになったため、自分の使っているモンスターを限界まで育成して「Limit!」の表示をつけることを目指してプレイされる方も一気に増えました。

中原:+10、+30などの限界突破の各段階で大幅にモンスターが強化されるようになったので、まずはそこまで、と目標を設定して遊んでもらえるようになったのも大きかったと思います。
 
中村:7月に行ったver1.4.0では、チュートリアルの大幅リニューアルを行いました。これは、それまでのチュートリアルで説明不足だったところや、遊び難かったところを修正し、ユーザーの皆様がより早くモンドラの魅力に触れていただくことを目的としたものでした。

中原:チュートリアルのリニューアルに併せて、ノーマルクエストも大きく変えました。これまでのノーマルクエストはどちらかというとイベントクエストに挑戦するための練習場所に近い位置付けでしたが、この
アップデートでひとつの独立したコンテンツとして楽しんでいただけるような内容になったかと思います。

中村:ver1.4.0は特に反響が大きく、アップデート後から一気にユーザー数が増えました。また、新しく始めていただいた方だけではなく、長く遊んでいただいているユーザーの皆様からもお褒めの言葉を多くいただきました。これは本当に嬉しかったですね。

 
――: アップデートなどの運用開発にて意識されている点は何でしょうか。

中村:アップデートの方針については、そのゲームのフェーズごとに違ってくると思っております。初期の頃はやはり、土台作りということで、ユーザビリティーの向上や、わかりやすさの追求でした。一方で、今後は、コンテンツの拡充、ゲームの奥行をもっと深くしていくことだと思っております。

中原:ver1.4.0までは大きな機能の実装はしてきませんでしたが、今後は「アリーナバトル」にはじまり、様々なコンテンツを追加していきたいと考えております。
 

――: 御社チームならではと言える特徴などはありますか。

中村:冒頭にも申し上げましたが、やはり、ベトナムの開発スタッフです。「オフショア」というと、中には下請け的なイメージを持たれる方もいらっしゃるかもしれませんが、我々のベトナム開発スタッフは自らゲームをよりよくしようと提案をし、率先してゲームの改善をしてくれます。実際に、現在導入されている機能の中にも開発スタッフ発案のものはたくさんあります。

中原:もちろん開発スタッフだけではなく、チームメンバー全員がよりゲームを良くしようというアイデアを持っており、各々のメンバーが発案から実装まで責任を持って行えることが弊社の特長だと思います。
 

――:  今後、モンドラはどのように進化していくのでしょうか?

中村:まずは9月末にイベントクエスト「革命級」の開催を予定しています。

中原:「革命級」クエストはこれまで以上に歯応えのあるイベントになりますので、ユーザーの皆様にはモンスターの育成を万全にして備えておいていただきたいですね。

中村:10月には次の大型アップデートを予定しています。こちらに関しては、内容はもう決まっているのですが、まだ詳しくお伝えすることができる段階ではありません。ただ、みんなでわいわい遊べることがモンドラの最大の魅力ですから、そこを最大限に楽しんでいただけるようなものを予定しています。

中原:新要素以外にも、既存の機能やUIの改善も行っていく予定です。より快適に遊んでいただけるよう、ユーザーの皆様からいただいている意見を参考に改善を進めています。
 
 
――: 最後に、読者やユーザー様にメッセージをお願いします。

中村:初期の頃から応援してくださっているユーザーの皆様には、本当にお待たせして申し訳ありませんでした。「アリーナバトル(ガチモード)」と「革命級」がついに実装され、これでやっとリリース当初からおみせしたかったモンドラの本来の形が一旦は完成します。そして、ここからは、おそらくみなさんの想像を超えたモンドラのさらなる進化をお見せしますので、どうか引き続き、応援をよろしくお願いします!

中原:いよいよ「アリーナバトル」が実装されますが、既に新しいアイデアもチーム内でたくさん生まれています。今後もユーザーの皆様に楽しんでいただけるよう、モンドラは大きく進化していきますので、引き続きよろしくお願いいたします。
 


 
 ■『モンスタードライブレボリューション』

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2001年8月
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