【DeNA決算説明会②】任天堂との協業は「今年度中に『Miitomo』を含む5タイトル」(守安社長)リリース ゲーム事業は日本と中国で新作が寄与


ディー・エヌ・エー(DeNA)<2432>は、8月10日、2017年3月期の第1四半期(4~6月)の決算発表を行うとともに、東京都内で決算説明会を開催した。説明会に先駆けて発表された第1四半期の連結決算(IFRS)は、売上収益382億円(前年同期比1%増)、営業利益73億円(同83%増)、最終利益51億円(同2.5倍)と増収減益での着地となった。

説明会では、同社の守安功代表取締役社長兼CEO(写真)が説明を行い、その後質疑応答が行われた。その質疑応答の内容なども踏まえつつ、会見の様子をまとめてみた。



■プロ野球のシーズンイン+横浜スタジアム連結でスポーツ事業が大きく寄与


まずは第1四半期の業績を四半期推移(QonQ)で見てみると、第1四半期の売上収益が前四半期比9%増、営業利益が同43%増となった。ただこれはスポーツ事業の売上高がプロ野球のシーズンインにより同3.6倍に伸びた影響が大きい。ちなみにこの四半期からは「横浜スタジアムの連結も開始となった」(守安社長)ことで、売上高・利益ともにその影響度がさらに大きくなっている。
 

費用面に目を移すと、この第1四半期は前四半期比で大きな変動のない内容となっている。販促費・広告費については、前年同期比では24%増となっているものの、「32億円は通常水準」(同)とのことだ。
 
 

■海外ゲーム事業のコイン消費は現地通貨ベースで大きく拡大


続いてセグメントごとの状況を見てみよう。まずはゲーム事業だが、国内コイン消費・営業損益とも前四半期比で堅調な推移となった。目立つのは内製・協業アプリの伸びだが、これは『ONE PIECE サウザンドストーム』(提供はバンダイナムコエンターテインメント)が寄与した分が大きい。

また、『ファイナルファンタジー レコードキーパー』は「7月にマルチプレイを一般開放」(同)するなど運用面の強化が進められており、次の四半期でその成果が表れてくるかどうか注目されるところだ。
 


海外ゲーム事業については、期中の新作投入もあって、中国でのコイン消費が増加した。「円ベースは増加幅小さく見えるが、現地通貨ベースでは大きく拡大している」(同)と海外展開について手応えを感じているようだ。
 

なお、任天堂<7974>との協業については、今年度中に『Miitomo』を含む5タイトルをリリースする計画に変更はないという。
 
 

■キュレーションプラットフォームは下期黒字化へ向け順調


次に新規事業について見てみると、現在10サイトを運営するキュレーションプラットフォーム事業は、「月間1億ユーザーを突破し、クオーターベースで(売上収益が)10億円規模になってきた。下期黒字化へ向けて順調に進展している」(同)とのこと。なお、キュレーションプラットフォーム事業における「MERY」の比率は、「ユーザー数で20%くらい、売上収益は半分くらい」(同)としていた。
 

 

■2Qはほぼ1Qと同水準の業績を予想


なお、2016年3月期第2四半期累計(4~9月)については、売上収益768億円(前年同期比2%増)、営業利益150億円(同31%増)、最終利益112億円(同65%増)を見込んでおり、第2四半期期間(7~9月)は売上収益385億円(前四半期比1%増)、営業利益74億円(同4%増)とほぼ第1四半期と同水準の業績を見込んでいる。
 

ゲーム事業については、「第2四半期は大型アプリを予定しているわけではなく、ブラウザは微減の予想」(同)とし、任天堂との協業アプリは「『Miitomo』は保守的に織り込んでいるが、ほかは織り込んでいない」という。秋に『ファイヤーエンブレム』と『どうぶつの森』のリリースをすべく準備しているだけに、これらの動向が第2四半期にはもう少し明らかになってきていることも予想されるところだ。

(編集部:柴田正之)

 
株式会社ディー・エヌ・エー(DeNA)
https://dena.com/jp/

会社情報

会社名
株式会社ディー・エヌ・エー(DeNA)
設立
1999年3月
代表者
代表取締役会長 南場 智子/代表取締役社長兼CEO 岡村 信悟
決算期
3月
直近業績
売上収益1349億1400万円、営業利益42億0200万円、税引前利益135億9500万円、最終利益88億5700万円(2023年3月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
2432
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