イグニス、16年9月期業績予想を今期3度目となる上方修正…営業利益は10億円→12億円に 主力の『ぼくドラ』が想定を上回る水準で推移(グラフ追加・追記)

イグニス<3689>は、8月12日、2016年9月期通期業績予想の修正を発表、売上高は従来予想47億円から55億円(増減率17.0%増)、営業利益は同10億円から12億円(同20.0%増)、経常利益は同10億円から12億円(同20.0%増)とそれぞれ上方修正された。当期純利益は従来予想9億円を据え置いている。なお、同社の2016年9月期業績予想の修正は3度目となる。
 

修正の理由は、ネイティブソーシャルゲームの『ぼくとドラゴン』が新規コンテンツの実装や新規季節イベント実施等の運営が奏功し、売上が想定を上回る水準で推移しているため。また、営業利益と経常利益については、TVCMの全国放映を当面見合わせたことによるプロモーションコストの減額も影響している。

なお、当期純利益の予想が据え置きとなっているのは、『ぼくとドラゴン』を開発・運営する連結子会社スタジオキングにおいて、利益水準の底上げを要因とした法人税等の増額が生じる見込みとなったことに加え、投資先であるDream Believersの財政状態が著しく悪化したことから、保有する債権のうち、回収不能見込額に対して貸倒引当金繰入額1億円を特別損失として計上したしたため。


同時に発表した第3四半期累計(10~9月)の連結決算は、売上高40億3500万円(前年同期比3.6倍)、営業利益12億200万円(前年同期3億1300万円の赤字)、経常利益11億9700万円(同3億9500万円の赤字)、四半期純利益10億円(同4億4300万円の赤字)となった。
 

各ジャンルごとの状況は以下の通り。

①無料ネイティブアプリ…売上高4億9300万円(前年同期比14.4%減)
前連結会計年度にリリースしたweb版「with」を中心として、中規模・大規模サービスのユーザー積み上げに注力した。「with」については2016年3月にiOS版を、同年5月にAndroid版をリリースしており、今後、MAUの増加を見込んでいる。また、大手出版社と連携して有名タイトルの無料漫画アプリをリリースした。しかし、中規模・大規模サービスの多くが収益化を開始していないため、売上高が前年同期と比べて大幅に減少した。

また、2015年10月にU-NOTEを買収し事業拡大を加速しているほか、米国現地法人による米国市場へのサービス投入や台湾・韓国市場への進出など、海外展開を引き続き行っている。なお、前期まで独立したジャンルとして記載していた「全巻無料型ハイブリッドアプリ」は第1四半期連結累計期間より当ジャンルに含まれている。

②ネイティブソーシャルゲーム…売上高35億4100万円(同552.3%増)
前期リリースした「ぼくとドラゴン」は引き続き順調に推移した。第3四半期連結累計期間は新規季節イベントや他社サービスとのコラボレーション、機能追加等を実施した。今後もコンテンツの拡充及び運営チームによる多彩なイベントの実施等、開発及び運営双方に注力することで、さらなる成長の余地があるとみているという。

■QonQは売上高10%増ながら営業益17%減に…広告宣伝費の増加などが要因
業績を四半期推移で見てみると、売上高は前四半期比10.6%増の14億2500万円となったものの、営業利益は同17.7%減の3億5800万円、経常利益は同17.5%減の3億5800万円、四半期純利益は同84.0%減の1億600万円となった。その要因は、広告宣伝費が前四半期の1億2400万円から2億7300万円に増加したことが大きいが、これは6月下旬より関東圏で『ぼくとドラゴン』のテストマーケティングのCM放映を行ったことなどが影響しているものと思われる。
 

なお、2016年9月期通期の予想については、前述の通り修正されており、売上高55億円(前期比2.2倍)、営業利益12億円(前期3800万円の赤字)、経常利益12億円(同1億4800万円の赤字)、当期純利益9億円(同3億600万円の赤字)の見込み。
 
 
 
株式会社イグニス
http://1923.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社イグニス
設立
2010年5月
代表者
代表取締役社長 銭 錕(センコン)/代表取締役CTO 鈴木 貴明
決算期
9月
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