アドビは、企業のマーケティング動向をAdobe Marketing Cloudを活用して調査したブログ「Adobe Digital Insights(ADI)」において、VR/AR技術によるゲームの調査を発表した。
ADIの分析によると、米国のゲーム機とゲーム用PCの2016年の販売額は253億ドルに達する見込みで、マーケターにとってチャンスが高まっていることが判明。
ADIの「2016 Gaming Report」では、2016年第1四半期のオンライン売上は対前年同期で42%増という健全な成長を示しており、オンライン販売はゲームの売上全体を牽引する主要因となっている。
分析によるとゲーム機の購入はホリデーシーズン中に急上昇を示しており、季節性があることが明らかになっている。
ADIでは、ゲーム業界における仮想現実と拡張現実(VR/AR)の現状も分析。ゲーマーの間では新たなテクノロジーへの関心が高まり続けている。デバイス別ではHTC Viveの存在感が最も大きく、ソーシャルメディアでも最大の話題となっている。
ADIのマネージングアナリストであるベッキー タスカー(Becky Tasker)氏は、次のように述べている。
「ソーシャルメディアではゲームに関するVR/ARデバイスに関連の投稿が増加している一方で、マーケターからのVR/ARデバイスに対する注目はまだこれからです。競争が激化する前の今こそが、VR/AR技術を試し、理解するベストタイミングです。ゲームコミュニティにはマーケティングに流用できるVR/ARに関する数多くの事例があります。」
ADIによると、VR/ARデバイス対応のPC購入に関するコストが、引き続きVR/AR技術の主流化を妨げる原因になっている。しかし今年後半には、PlayStation VR(PSVR)が発売されるため、VRの普及に弾みがつくかもしれないという。
ソーシャルメディアでの投稿が何らかの指標であるならば、AR/VRの人気が実際に高まっていると言える。AR/VRデバイスに関する投稿は、2015年1月から、548%増加している。
また、ADIはゲームのオープンベータ版の公開はゲーマーと開発者の双方に有益であること示してしている。実際に、正式なリリース以前にベータ版の公開テストを広く行ったゲームは、行わなかったゲームに比べてリリース前の予約数が1.7倍となり、分析が行われた全期間において販売数が4.2倍になったとのこと。
2016 Adobe Digital Insights Gaming Report from Adobe
http://www.slideshare.net/adobe/2016-adobe-digital-insights-gaming-report