岩野Pの「なれる!プロデューサー」、スクウェア・エニックスに関するスマホアプリ&ソーシャルゲーム連載記事

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【連載】岩野Pの「なれる!プロデューサー」 - 第4回「どうしたら企画が通るの?」

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『乖離性ミリオンアーサー』や『アリスオーダー』など、数々のスマホゲームを手掛けてきた、スクウェア・エニックスのプロデューサー・岩野弘明氏。同社に勤務してから10年以上もの歳月が経っているが、そんな彼にも新人時代があった。上司や先輩に教わったこと、成功や失敗から得たこと、様々な経験を経て今がある。この連載は、岩野氏がプロデューサーになるまでの道のり、その後に直面する幾多もの気付きを形にしてくれた、自叙伝。

 


 

■第4回「どうしたら企画が通るの?」


こんにちは! 8月はオリンピックに甲子園と盛り上がりましたね! 個人的にああいうスポーツイベントを見ると創作意欲が掻き立てられて刺激になります。一方で御祭りが終わってしまったようなさみしさもあるので、かわりに『パワプロ』の栄冠ナインモードを遊んで紛らわしています。

というわけで本題ですが、今回は前回に引き続き2008年を振り返ってみたいと思います。

<2008年>
引き続き柴プロデューサーのアシスタントをしつつ、プロデューサーとして初のタイトル『ファイナルファンタジークリスタルクロニクル 光と闇の姫君と世界征服の塔』(以下、FFCC姫塔)を担当。また、それを機にプロデューサーとしての独り立ちを意識し始める。企画を考えるもなかなか形にならない日々を送る。


 

■仕事の精度を高めるには



アシスタントとプロデューサーを兼任していたこの頃、仕事の取り組み方に対して気づいたことがあります。それは責任感を持つことで仕事の精度が上がるという事です。

そんなの普段から持って仕事してますけど、と言われるかもしれませんが、意外と意識してそうでしていないもんだと思います。僕の場合、アシスタント時代は十分に意識できていなかったと思います。もちろん手を抜いているという意味ではなく、いわゆる「言われたことだけやっている状態」というやつでした。

前回の記事(関連記事)で「自分の匂いをつけるための提案をすると仕事が楽しくなるよ」という事を書きましたが、その提案を通した上で、プロジェクトを完遂し成功させることを意識することがさらに重要です。そこまで考えて動けていないと、たとえプロジェクトが成功してもその仕事に対する評価は「よく手伝ってくれたね」くらいのものでしかありません。

普段からアシスタントにはよく言っているのですが、プロデューサーとして成長するには「提案すること」が重要です。提案するということは、すなわちそのプロジェクトを成功させるにはどうすればいいのかという事を考えているということで、提案をしてこない、あるいは言われないと提案しないというのは、日頃からそのプロジェクトのことを十分に考えていないということになります。それは責任感を持って仕事をしているとは言えません。

「プロデューサーとは常に考える人」ということを、これまた僕が最初にアシスタントについた渡辺さんに教わりました。その時は、企画を立ち上げて陣頭指揮する人だしプロデューサーが考えないと始まらないってことかなと考えていたのですが、ここでいう「考える」とは、常に「こうするともっと良くなる」ということを考え、提案し、その上でプロジェクトを成功させるという事なんだと今は思っています。

お恥ずかしながら、僕はそういった意識がプロデューサーになってからようやくできるようになったと思います。プロデューサーは立場的にそのプロジェクトを成功させなければならない責任者ですし、状況的に責任感を持たざるを得なかったという事もありますが、やはりそういう立場にあるのとないのとでは心構えが違ってきます。

だからこそ、アシスタントの立場でそのくらい責任感を持って仕事をすることが難しいこともわかりますが、小さな範囲でも考えて提案するということを積み重ねていくことで次第に意識できていけるのかなと思います。

ヒット作はえてしてもう後がないという状況で生まれることが多いですが、責任感を持って挑むという事の極端な例なのかなとも思います。


 

■信頼がないと企画は通らない


「なんか面白そう」と思っても企画者がよく知らない人だと不安になることってありませんか? 逆に、よくわからんけどこの人が言うなら大丈夫そう、と思う事もあると思います。要するに、その企画者に信頼があるかどうかで企画そのものの印象や期待値が大きく変わるという事なのですが、特に大きな予算をかけて作るゲームにおいて、この信頼というものは非常に重要です。

なので、信頼の高さが自分の持てる仕事の範囲に比例します。例えば僕の場合、2008年頃から企画をちらほら出していたもののほとんど通っていません。当時のゲーム市場は成熟しきったコンシューマが主体で、一つゲームを作るにも数億かかる状況でしたし、まだアシスタントでなんの実績もない僕なんかは企画の前に「誰だよお前」という感じで通らなくて当然です。(企画自体も雑なものでしたが苦笑)

その程度の信頼度でしたから、初プロデュースのプロジェクトも「ヤル気あるならやってみる?」と貰ったものですし、上司にフォローしてもらいながらのものでした。また、その翌年初めて自分が提案した企画が通ったのですが、予算規模は500万くらいの小さな企画でした。

とはいえ、企画の承認者は一般社員的には普段あまり接点のないトップ層の方々ですし、信頼を得ようにもどうすればいいの? という感じだと思います。僕も初めて企画を通すまではこの辺をどう攻略していけばいいのかよくわかっていなかったのですが、端的に言うと直属の上司の信頼を得ることが一番の近道です。

直属の上司であれば普段から顔を合わせますし、ちゃんとアピールすれば信頼を得られます。上司が信頼してくれれば企画提案の場でもその上司がフォローしてくれて企画が通りやすくなります。さらにはその身近な信頼の積み重ねに加えて、プロジェクトの成功などの実績を作ることで、ようやくトップ層にも認知されるようになり、一気に企画が通りやすくなります。

というわけで、元をたどると普段から提案することでプロジェクトの成功確率を高め、ひいては上司の信頼を高めるということが企画を通す近道になります。当然のことですが、何度も企画を跳ね返されて「なんでこの企画が通らないんだよ!」みたいな感じになっていると、どう進めばいいかが曇って見えなくなってしまうので、客観的に筋道をたどることが大切です。

余談ですが、会社で企画を通すというのはプロモーションに似ているものでして、例えば売り文句で「豪華クリエイター参加!」とか「あの○○も絶賛!」とかありますが、まさにその名前に対する実績とそれに基づく信頼(安心感)を会社でいう企画承認者たる消費者に訴えかけていますよね。

市場や会社の状況によって例外はありますが、基本的に何をするにも信頼と実績がものをいうわけで、そういうものは一朝一夕では身につかず地道に積み重ねていくものであることを理解しておくと、普段の仕事がしやすくなるかもしれませんね。 ではでは今日はこの辺で!


P.S.
ネットで「麻雀漫画・アニメのキャラの強さランキング作ってみた」というまとめ記事をみていて、最強だろうと思っていた「咲」のキャラが6位くらいにいたもんだから、そのランキングで1位の傀というキャラがいる「むこうぶち」という漫画を読み始めました。

咲の超能力麻雀より強いとかどんだけだよと思ってみていたら、確かに意味の分からんレベルの強さ(笑)。まだ10巻も読んでないのですが、相手の性質やらイカサマの見切りが異常に早く、運や流れを敏感に感知して呼び込む、「咲」でいうところの無能力系の強キャラたちの上位版みたいな感じです。さらにどんな相手であろうと徹底的に追い込むところはあまりいないタイプの主人公でかっこいいですね!
 

■著者 : 岩野弘明
スクウェア・エニックス第10ビジネス・ディビジョン(特モバイル二部) プロデューサー。『乖離性ミリオンアーサー』を筆頭に、同シリーズ全体のプロデュースを担う。新作は超能力×ミリタリーRPG『ALICE ORDER /アリスオーダー』。

岩野氏のツイッター:https://twitter.com/Iwano_Hiroaki


■バックナンバー

第3回「ゲーム開発、内製と外注どっちがいいの?」

第2回「いまいち今の仕事が好きになれないあなたに」

第1回「2006年4月、スクエニ入社」

 
 
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企業情報(株式会社スクウェア・エニックス)

会社名 株式会社スクウェア・エニックス
URL http://www.square-enix.com/
設立 2008年10月
代表者 松田 洋祐
決算期 3月
直近業績 売上高2,141億円、営業利益260億円、経常利益253億円、当期純損益198億円(2016年3月期、スクウェア・エニックス・ホールディングス連結)
上場区分 東証1部(スクウェア・エニックス・ホールディングス)
証券コード 9684

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