東京国立博物館と凸版印刷、シアターとHMDでVR鑑賞 300インチスクリーンとHMDを用いたパーソナル体験を融合した新たな試み

東京国立博物館と凸版印刷は、300インチ大スクリーンでの高精細4K-VRライブ上演による多人数鑑賞体験と、ヘッドマウントディスプレイ(以下HMD)によるパーソナル鑑賞体験を融合した、文化財の新しい鑑賞手法を開発したと発表した。9月7日からTNM & TOPPAN ミュージアムシアターで公開するVR作品『仁清が作った茶壺』にて、本鑑賞手法による上演を行う。

東京国立博物館と凸版印刷は、2007年よりVRなどデジタル技術を活用した文化財鑑賞のあり方を開発する共同プロジェクトを進めている。今回、これまで行ってきた300インチ大スクリーンでの迫力ある高精細4K-VRをナビゲータが案内するシアター上演と、鑑賞者が同じの空間をそれぞれ360度自由に鑑賞できるHMDを融合することで、文化財の魅力や価値をより深く理解できる、よりリアルな文化財体験の提供が可能になったという。


■ 今回の新しい鑑賞手法について
今回の上演では、鑑賞者はナビゲータの案内による300インチ大スクリーンと、HMDを装着しての鑑賞を交互に違和感なく行き来しながら体験できる。

具体的には、スクリーンに投影する4K-VRで、壺の表面に描かれた繊細な線の表情や微細な描写や製作された当時の姿を再現し、「色絵月梅図茶壺」の魅力や美を余すことなく体験できる。加えて、HMDを装着することで、江戸時代の茶人、金森宗和ゆかりの茶室であり通常は公開していない「六窓庵」に配置した色絵月梅図茶壺の姿を、360度全天周映像で自由に鑑賞できる。また「色絵月梅図茶壺」に描かれた世界感を茶壺の中から見上げるという、実際には観ることができない視点による鑑賞も、HMDで体験できる。
 
▲HMDを装着した鑑賞イメージ(左)、300インチの大スクリーンで壺の表面に描かれた色絵を鑑賞(右)
 
▲HMDを装着して鑑賞できる、「六窓庵」内におかれた茶壺(左)と茶壺を中から見上げたイメージ(右)

■ VR作品『仁清が作った茶壺』について
重要文化財「色絵月梅図茶壺」は、京焼の名工・野々村仁清の代表作。本VR作品では、茶壺の美しい造形や満月と紅白の花が咲き誇る梅の大木が色彩豊かに絵付けされた様子、現在は経年変化により黒く変色している銀の輝きを取戻した状態を再現。4K高精細スクリーン上で鑑賞できる。また、HMDを用いて茶室「六窓庵」を、室内にいるかのように鑑賞するとともに、実際には不可能な視点から茶壺を鑑賞することができる。


■ 上演案内
期間: 2016年9月7日(水)~9月25日(日)
時間: 水・木・金 12:00、13:00、14:00、15:00、16:00
      土・日・祝・休日 11:00、12:00、13:00、14:00、15:00、16:00
      ※所要時間は約30分、各回定員20名。

料金: 高校生以上 500円、中学生300円    障がい者とその介護者1名 無料
      *総合文化展当日券(一般620円/大学生410円)とセット購入で一般1000円/大学生800円
      *開演時間までにチケットをお買い求めください(当日券のみ)。
      *眼の負担を考慮し13歳未満の方は鑑賞できません。


■ 「TNM & TOPPAN ミュージアムシアター」について
「TNM & TOPPAN ミュージアムシアター」は、VRによる文化財の新しい鑑賞方法を体験できる施設です。「バーチャルリアリティで時空を超える」をコンセプトに、東京国立博物館の収蔵品を中心とする文化財デジタルアーカイブをVR技術で可視化。専属のナビゲータによるライブ上演で、あたかもコンピュータが生成する三次元空間の中にいるかのような感覚で文化財を鑑賞できます。文化財の往時の姿の再現や肉眼では鑑賞することが難しい細かなディテールの拡大など、デジタルならではの文化財との新たな出会いと楽しみ方を提供する空間です。
・超高精細4KプロジェクタによるVR映像投影
・スクリーンサイズ: 300インチ(横幅6.6m、高さ3.7m)
・座席数: 98席
・シアターウェブサイト: http://www.toppan-vr.jp/mt/

 
■関連サイト
 

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