任天堂、17年3月期の最終益予想を350億円→500億円に増額 球団売却で627億円の特別利益 『ポケモンGO』持分法投資利益は120億円

任天堂<7974>は、10月26日、2017年3月期通期の連結業績予想の修正を発表、売上高は従来予想の5000億円から4700億円(増減率6.0%減)、営業利益は同450億円から300億円(同33.3%減)、経常利益は同450億円から100億円(同77.8%減)に下方修正した。一方、四半期純利益は同350億円から500億円(同42.9%増)に上方修正した。
 

為替相場が期初の想定を上回る円高に推移していることや、これまでの販売動向と今後の販売見通しの見直したことで、売上高・営業利益・経常利益は予想を下ブレする見通しとなった。一方、四半期純利益は、子会社が保有しているメジャーリーグ球団シアトルマリナーズの運営会社の持分の一部を売却したことによる投資有価証券売却益627億円を特別利益に計上したことが寄与している。

なお、為替の前提レートは、1USドル110円から100円、1ユーロ125円から115円に変更している。

また、同時に発表した2017年3月期の第2四半期累計(4~9月)の連結決算は、売上高1368億円(前年同期比33.0%減)、営業損益59億円の赤字(前年同期89億円の黒字)、経常損益308億円の赤字(同164億円の黒字)、四半期純利益382億円(前年同期比2.3倍)となった。
 

ニンテンドー3DSは、全世界で発売した『星のカービィ ロボボプラネット』が堅調に推移したほか、ハードウェアではニンテンドー2DSが販売を伸ばした。また、スマートデバイス向けアプリ『ポケモンGO』が配信されて以降、過去に発売された『ポケットモンスター』シリーズのソフトウェアも販売を伸ばしており、特に海外ではハードウェアもけん引する動きが見られ、ハードウェアの販売台数は271万台(前年同期比19%増)、ソフトウェアの販売数量は前年同期並みの1,923万本となった。

Wii Uでは、ハードウェアの総合的な需要予測などを踏まえ、当期の出荷台数は80万台としているので、期初の想定に沿った動きとなり、ハードウェアの販売台数は56万台(前年同期比53%減)となった。ソフトウェアでは、前期のように『Splatoon(スプラトゥーン)』や『スーパーマリオメーカー』などのヒットタイトルがなかったことにより、販売本数は830万本(前年同期比33%減)となった。

amiibo(アミーボ)は、amiiboを使って楽しめる新作ソフトが少なかったため、フィギュア型が約380万体、カード型が約170万枚の販売にとどまった。また、ダウンロード売上は、追加コンテンツによる売上が少なかったため、前年同期と比べて減少した。
 

このような状況に加え、為替相場が円高に推移した影響などにより、売上高は1368億円(うち、海外売上高973億円、海外売上比率71.1%)となり、営業損失は59億円となった。また、ポケモンなどに係る持分法による投資利益120億円を計上したが、為替差損が399億円発生したため、経常損失は308億円となった。

しかし、メジャーリーグ球団シアトルマリナーズの運営会社の持分の一部を売却したことによる投資有価証券売却益627億円を特別利益として計上したため、四半期純利益は382億円となった。

なお、2017年3月期通期の予想は、前述のとおりに修正されており、売上高4700億円(前年同期比6.8%減)、営業利益300億円(同8.8%減)、経常利益100億円(同65.3%減)、四半期純利益500億円(同3.0倍)を見込む。
 
任天堂株式会社
http://www.nintendo.co.jp/

会社情報

会社名
任天堂株式会社
設立
1947年11月
代表者
代表取締役社長 古川 俊太郎/代表取締役 フェロー 宮本 茂
決算期
3月
直近業績
売上高1兆6016億円、営業利益5043億円、経常利益6010億円、最終利益4327億円(2023年3月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
7974
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